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特定研究:汽水域の耐熱性溶血毒産生腸炎ビブリオの動向

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0044629 更新日:2019年3月29日更新

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 腸炎ビブリオ(V.p)は夏期に発生する食中毒の主要な原因菌であり、患者由来株のほとんどは耐熱性溶血毒(TDH)を産生するV.p(TDH-V.p)とされている.平成16年に県内のI地域で岩カキ等を原因食品とするV.p食中毒が多発したが、その前に新潟・福島豪雨があったことから、発生要因としてこれが疑われ、河川流量の増大により汽水域のV.pが沿岸海域へ流出し魚介類を汚染したと推定された.そこで、これらの因果関係を証明し再発を防止するため、平成18年及び平成19年の2年間、I地域の汽水域や沿岸海域におけるV.pの動向と魚介類汚染を調査し、気象要因との関連性について検討した.
 検体は、I地域を流れる3河川の汽水域及び沿岸海域の表層水と底泥、この海域で捕れた岩カキ及び真アジとした.これらについてV.pとTDH遺伝子の定性・定量検査及びTDH-V.pの分離を行い、検査結果と気象データを基にV.pの海域汚染状況と気象要因との関係を解析した.
 その結果、3河川の汽水域のうちの1つが、底泥のV.p菌数が最も高く、同菌が生息・増殖しやすい環境であることが分かった.また、降水量増加後に、河川汽水域においてはV.pの菌数減少、沿岸海域においては菌数増加が確認された.これらは、汽水域底泥で増殖したV.pが、降水量増加後の河川流量の増大によって汽水域から沿岸海域へ流出した結果と考えられ、豪雨は魚介類のV.p汚染の原因となり得ると推察された.また、汽水域の表層水と底泥、沿岸海域表層水及び岩カキから同一血清型のTDH-V.p(O4:K37)が分離され、これらについてPFGE法による遺伝子解析を行った結果、全ての株の遺伝子型が一致した.このことから、本菌はI地域の汽水域で生息し、沿岸海域や魚介類を汚染していると考えられた.
 汽水域の底泥は、沿岸海域へのTDH-V.pの供給源と考えられる.従って、環境中のTDH-V.pの増加を知るためには、底泥を検体としたモニタリングが有効であると考えられる.モニタリング結果と気象データを活用することにより、TDH-V.pの沿岸海域への流出と魚介類汚染の時期を早期に予測することができ、効果的な食中毒予防対策が実施可能になると思われる.

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