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特定研究:レジオネラの汚染実態把握と感染防止に関する調査研究

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0044618 更新日:2019年3月29日更新

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 新興・再興感染症として注目されているレジオネラについて、県下の環境中のレジオネラの生息実態把握と同定検査手法の確立を図り、レジオネラによる感染防止対策に資することを目的に、平成9年度から10年度の2年間で本調査を実施した.

1.レジオネラの生息実態調査

 平成9年7月から10月と平成10年7月から10月に県内5地区の20施設から冷却塔水126検体、給湯水59検体、温泉水113検体及び24時間風呂の浴槽水2検体の計300検体を採取した(表1).
 レジオネラの分離頻度は、冷却塔水66.7%、温泉水60.2%で給湯水からは分離されなかった.
1検体から複数の血清型、菌種が分離される傾向にあった.陽性率が最も高かった採取月は、冷却塔水では、8月の80.6%、温泉水では、10月の74.3%であった(表2).
 菌数分布では、レジオネラ症防止指針による要緊急処置範囲(10万cfu/100ml以上)にあった検体は温泉水の2検体のみに見られた.
 望ましい範囲(100 cfu/100ml未満)にあった検体は、冷却塔水36.5%、温泉水68.1%であった(表3).
分離菌株の血清型は、冷却塔水ではLegionella pneumophila(L.p)が87.5%を占め、そのうちserogroup 1(SG1)が60.0%であった.
 温泉水ではL.p SG5が23.4%,SG1が19.5%,L.pが16.4%、Legionella micdadei が10.2%及びその他のレジオネラが0.8%分離された(表4).
 一方、24時間風呂ではL.p SG3のみが分離された.その他、レジオネラの生息条件の因子についても検討した.

2.PCR法を用いた迅速同定検査法の検討

 検査手法の簡略化、迅速化及び鋭敏化を図るためPCR法を検討した.
供試したレジオネラは、分離した400株と標準菌株として、L.p SG1,L . micdadei,L.dumoffii,L.gormanii及び L.bozemaniiの5菌株を用いた.
 供試したプライマーは、mip遺伝子、L.pの[Cu, Zn]-SOD遺伝子を増幅するLSD,58-kD抗原遺伝子を増幅するLhtB及び鉄取り込み調節遺伝子Lfur遺伝子配列を設計して検討した(表5).
 その結果、供試したレジオネラに対して、Lpmでは630 bp,LSDは508 bpの増幅バンドがL.pのみに、LhtBの525 bp及びLfurの382 bpの増幅バンドがレジオネラ属全ての菌種で検出された.
 このことから、Lpm,LSD,LhtB及びLfurプライマーを用いるPCR法は、レジオネラ属及びL.pに特異的であり、レジオネラの迅速同定・微量検出法として有用であると考えられた.
 型別血清では群別出来なかったL.p 株もLpm,LSD,LhtB及びLfurで増幅されたことからL.pと再確認することが出来た.
 また、菌添加模擬検体500mlを試料として、Lpmプライマーを用いた場合のレジオネラの検出限界は、6cfu/mlと鋭敏性にも優れていた.
 これらのことから、LhtB,Lfurを用いるPCRでレジオネラ属を、Lpm及びLSDを用いるPCR法でL.pを特異的に検出でき、L.pの迅速同定・微量検出法として有用であると考えられる.

表1 検体採取地区と検体数 表2 月別陽性率

表3 レジオネラ属菌数分布

表4 分離株の血清型別と菌種

表5 使用プライマーと増幅
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