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特定研究:迅速抽出法のダイオキシン類への適用

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0044595 更新日:2019年3月29日更新

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1. 研究の目的

 ダイオキシン類の測定方法は現在、JISや環境庁が示したマニュアル等で示されている。土壌、底質等固体試料からの抽出方法は、主にトルエンを溶媒としたソックスレー抽出法が採用されており、抽出に16時間以上もの時間を要する。また、可燃性の有機溶剤を長時間加熱することにより火災のリスクが高まることから、安全性に対しても特段の配慮が必要である。近年、これに代わる迅速抽出法として自動ソックスレー抽出法及び高速溶媒抽出法(ASE法)が開発された。今回の研究では、表1に示す底質及び土壌標準試料の計4試料を用いて、抽出率について通常のソックスレー抽出法との比較検討を行い、2つの迅速抽出法がダイオキシン類に適用可能かどうか検討を行った。

表1 測定資料

2. 自動ソックスレー抽出法及び高速溶媒抽出法の概要

 図1及び図2に自動ソックスレー抽出装置、ASE装置の概要を示した。自動ソックスレー抽出法は、円筒ろ紙を入れた試料を溶媒に浸して沸点温度で加熱抽出し、余分な溶媒を留去蒸発させた後、ソックスレー抽出法と同様に還流することにより抽出を行う方法である。また、ASE法は抽出セル中に試料と溶媒を入れ、高温高圧をかけることにより抽出を行う方法である。
 表2に示すように、これらの方法は1~2時間程度でダイオキシン類の抽出が可能であり、かつ使用する溶媒量が100~200ml程度と少量であるという利点を有する。

図1 自動ソックスレー抽出装置の概要、図2 ASE装置の概要

表2 各抽出方法の比較

3. 研究の成果

 標準土壌の測定結果を図3に示した。自動ソックスレー抽出法によるPCDD/F、co-PCBの値はソックスレー抽出法による認証値(95%信頼区間)の範囲に入っており、TEQも認証値の範囲内であった。他の3試料についても同様の結果であった。
 一方、ASE法による値は、ソックスレー抽出法に比べPCDD/Fの同族体で約1.0~1.4倍、co-PCBで約1.1倍の値を示し、TEQで約1.1倍の値を示した。これは試料中にソックスレー抽出法では抽出されにくい形態のダイオキシン類が含まれているためと考えられ、ASE法はダイオキシン類に対して高い抽出能力があることを示している。
 以上のことから、2つの迅速抽出法は、ダイオキシン類に十分適用可能であると考えられた。

図3 認証値をもとにした場合の各同族体の濃度比
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