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知事が、原子力規制委員会を訪問し、就任挨拶に併せて、原子力発電所事故や原子力災害への対策の強化を求めました。

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0043298 更新日:2012年10月29日更新

 下記により、知事が、原子力規制委員会を訪問し、就任挨拶に併せて、原子力発電所事故や原子力災害への対策の強化を求めました。

  1. 日時平成24年10月29日(月曜日)午後3時から3時15分まで
  2. 場所原子力規制委員会(東京都港区六本木1丁目9番9号)
  3. 対応者原子力規制庁池田克彦原子力規制庁長官
  4. 対策の強化を求めた内容
    別添のとおり。

 なお、原子力規制庁長官面談後、原子力規制委員会田中俊一委員長にも挨拶し、同様の趣旨をお伝えしました。

※ 「4 対策の強化を求めた内容(別添)」については、以下のとおりです。


平成24年10月29日
原子力規制委員会委員長
田中 俊一 様

原子力発電所の事故への対応 及び 住民等の避難対応について

新潟県知事 泉田 裕彦

 原子力規制委員会におかれましては、9月19日の発足以降、原子力事故や原子力災害への対策の検討を進めておられるところです。
 本県といたしましては、原子力行政が国民の信頼を得ていくためには、次のような点が重要であると考えております。

  • 原子力規制委員会が対策の検討を進めるに当たっては、地元で実際に対応を実施することとなる自治体の実情を踏まえ、検討を進めていただきたいと考えております。
  • その上で、原子力規制委員会による安全対策や防災対策の取組の内容をしっかり説明していただくことが必要と考えております。
  • 原子力災害対策指針で定めることとなるUPZの範囲の内外にかかわらず、地元自治体が必要と判断した対策に係る経費については、必要な財源措置がなされるべきものと考えております。

 これらを踏まえ、具体的な事故対応・防災対応について、実効性のある対策を構築する必要があると考えておりますので、以下の項目についてご検討をお願いいたします。

原子力発電所の事故への対応及び住民等の避難対応について

  1. 事故への対応について
    1. 海水注入等の重大対応の判断 1
    2. 想定を超える事象に対する対策
    3. 民間事業者による事故の収束作業の実施
    4. 特殊部隊による緊急時対応の実施
    5. 情報発表のあり方
  2. 住民等の避難対応について
    1. 避難基準の具体的な運用 2
    2. 避難できない場合の対応
      1. 福祉施設、病院等の防護措置
      2. 屋内退避施設の必要性
    3. 屋内退避施設の運用
      1. 屋内退避者の食料供給
      2. 屋内退避施設の冷暖房、照明、連絡等
      3. 屋内退避施設の換気
    4. 安定ヨウ素剤の配付・服用等 3
      1. 安定ヨウ素剤の配付
      2. 安定ヨウ素剤の服用
      3. 防護マスクの配付
    5. 避難者等のスクリーニングや除染
      1. スクリーニング
      2. 除染
      3. スクリーニングや除染の実施権限
    6. 高線量率下での防災対応 4
      1. 民間事業者
      2. 防災関係機関
      3. 自治体職員
    7. 避難対象エリアの住民財産の保全対策等
      1. 住民財産の保全対策
      2. ペット、家畜等の防護対策
    8. 防護対策に要する経費 5
    9. 防災対応の検討に際しての地元自治体の意見

1 事故への対応について

原子力発電所の事故が発生した場合に、その収束に向けて的確に対応するためには、次のような視点から、法制度の新設や見直し、マネジメントの仕組みづくり、技術的な検討など、事前に、事故が拡大しないための対策を実施しておくことが必要になると考えています。
 ついては、下記の事項について、具体的な対応策等の検討をお願いします。

  1. 海水注入等の重大対応の判断
    1. 原子炉への海水注入等の事業者の事後の経営等にも大きな影響のある対応、放射性物質の環境への大量放出のおそれがあるベント等の判断は、誰が、どのように行うべきとお考えでしょうか。
    2. 上記(1)の判断について、例えば、その都度、誰かが判断するということではなく、特定の事態に至った場合には、即時に海水注入を開始する等の対応ルールをあらかじめ定めることも検討すべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
    3. 海水注入の実施には、消防機関による対応が必要になる場合も想定されますが、その場合の指揮権行使について、どのようにお考えでしょうか。
    4. 上記(1)のような対応による影響(原子炉の廃炉、環境放射線線量率の上昇など)は、誰がどのような形で責任をとるべきとお考えでしょうか。
  2. 想定を超える事象に対する対策
     米政府の原子力規制委員会(NRC)が9.11テロの翌年に米国内の原子力発電所に対して義務付けた「原子力施設に対する攻撃の可能性に備えた特別対策」いわゆる「B.5.b」のような対策(例えば、全交流電源や直流電源が喪失した場合にベント弁を開ける具体的な対応手順の策定など)を、日本国内の原子力発電所についても義務付けるべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
  3. 民間事業者による事故の収束作業の実施
     事故が進展し、高放射線量率下での収束作業が必要な場合に、労働法制上、民間事業者である電力事業者等の従業員に収束作業の実施を命じることができるとお考えでしょうか。
     できない場合は、誰が、収束作業を実施すべきとお考えでしょうか。
  4. 特殊部隊による緊急時対応の実施
     高線量率下で緊急時対応を実施する特殊部隊を、国として創設すべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
  5. 情報発表のあり方
     事故の状況や事故への対応状況について、国民に対して、適時に適切な情報を提供する必要があります。
     現場における事実関係の情報提供は現場で、国としての対処方針等の情報提供は中央で対応することにより、適時に適切な情報発表が可能になると考えますが、どのように対応するお考えでしょうか。

2 住民等の避難対応について

 原子力発電所の事故が発生した場合に、住民等に対する防護措置を的確に実施するためには、実際に住民避難等の対応を行うこととなる地元自治体として、次のような視点から、法制度の新設や見直し、マネジメントの仕組みづくり、技術的な検討などが必要になると考えています。
 ついては、下記の事項について、原子力災害対策指針への反映も含め、具体的な対応策等の検討をお願いします。

  1. 避難基準の具体的な運用
     EAL(原子力施設の緊急時活動レベル)及びOIL(計測可能な判断基準)の早急な設定はもちろんのことですが、設定されたEAL及びOILに基づいて、誰が、どのように避難等の必要性を判断すべきとお考えでしょうか。
     例えば、OILについて、基準となる数値が定められたとしても、誰が、どこで、どのように計測し、避難の対象エリアをどのように決定するのでしょうか。
  2. 避難できない場合の対応
    1. 福祉施設、病院等の防護措置
       福祉施設入所者、病院入院患者等の速やかに避難を行うことが困難な者の防護対策について、どのようにお考えでしょうか。
       避難が困難だとすれば、PAZ・UPZ内の福祉施設、病院等に放射線防護措置を施す必要があると考えますが、どのようにお考えでしょうか。
    2. 屋内退避施設の必要性
       地震等で避難道路が通行不能となった場合や豪雪時等で道路の大渋滞が発生した場合における、PAZからの即時避難は困難であると懸念されますが、どのように対応すべきとお考えでしょうか。
       このような場合を想定すると、堅固な屋内退避施設(シェルター)を設置する必要があると考えますが、どのようにお考えでしょうか。
  3. 屋内退避施設の運用
     屋内退避施設の運用に当たっては、次のような懸念がありますが、どのように対応すべきとお考えでしょうか。
    1. 屋内退避者の食料供給
       屋内退避エリアには、流通業者も入ることができず、外部からの食料供給はできませんが、屋内退避者の食料供給は、どのように対応すべきとお考えでしょうか。
    2. 屋内退避施設の冷暖房、照明、連絡等
       地震等との複合災害時に、電気、ガス、電話、上下水道等のライフラインが寸断した場合、屋内退避施設の冷暖房、照明、連絡等は、どのように対応すべきとお考えでしょうか。
       電源喪失等の対策は、原子力発電所やオフサイトセンターだけではなく、屋内退避施設等にも必要であると考えますが、どのようにお考えでしょうか。。
    3. 屋内退避施設の換気
       屋内退避施設における換気は、どのように対応すべきとお考えでしょうか。
  4. 安定ヨウ素剤の配付・服用等
    1. 安定ヨウ素剤の配付
       安定ヨウ素剤は、どの範囲を対象に、どのように備蓄すべきとお考えでしょうか。
       「原子力災害対策指針のたたき台」にあるように、PAZ・UPZ・PPAの住民等を対象に各家庭、学校、事業所等に事前配付した上で、予備の備蓄も行う必要があると考えますが、どのようにお考えでしょうか。。
       現行薬事法が事前配付のネックになっているのであれば、速やかな法改正が必要と考えますが、どのようにお考えでしょうか。。
       また、事前配付を受けた住民が安定ヨウ素剤を紛失してしまった場合や旅行者には、どのように対応すべきとお考えでしょうか。
    2. 安定ヨウ素剤の服用
       事故が発生した場合に、事前配付を受けた住民は、いつ、何を契機に、安定ヨウ素剤を服用すべきとお考えでしょうか。
       また、福島第一原子力発電所の事故の際に、安定ヨウ素剤の配付や服用指示が遅れたのではないかとの指摘もありますが、事実関係、その原因及び今後の対応について、どのようにお考えでしょうか。
    3. 防護マスクの配付
       安定ヨウ素剤の備蓄のほか、住民用の防護マスクの事前配付も必要と考えますが、どのようにお考えでしょうか。
  5. 避難者等のスクリーニングや除染
    1. スクリーニング
       PAZやUPZからの避難に際し、避難者、避難に使用した自家用車、バス等のスクリーニングについて、多くの避難者が広域で避難することとなり、対応は困難を極めることが想定されますが、どこで、どのように対応すべきとお考えでしょうか。
       なお、スクリーニングを、避難エリアに近いところで行えば避難のボトルネックになり、避難所や避難経路途中で行えば受入自治体や避難経路上の自治体住民等の拒絶反応が危惧されます。
    2. 除染
       避難者、自動車等の大量の除染が必要となった場合、除染後の汚染水の処理等も含め、どこで、どのように行うべきとお考えでしょうか。
    3. スクリーニングや除染の実施権限
       スクリーニングや除染を確実に実施するためには、法的な根拠付けなどが必要と考えます。その上で、実効性を担保するためには、権限の付与も必要と考えますが、どのようにお考えでしょうか。
  6. 高線量率下での防災対応
     高線量率下において、民間事業者、防災関係機関、自治体職員等は、どのように対応を進めるべきとお考えでしょうか。
    1. 民間事業者
       PAZやUPZの避難にバスや鉄道を使用する場合、労働法制上、避難が必要なエリアに、運転員等を派遣することができるとお考えでしょうか。
       また、民間医療機関や福祉関係機関の医師、看護師等の派遣については、どのようにお考えでしょうか。
    2. 防災関係機関
       地震等との複合災害の場合、避難が必要なエリアに負傷者等が取り残されることも想定されますが、労働法制上、消防、警察、自衛隊等の防災関係機関は、捜索・救助・避難支援のための職員を派遣できるとお考えでしょうか。
       派遣を行う場合、的確な対応を進めるためには、現場で自治体が主体となって活動する必要がありますが、誰の責任・指揮により対応を進めることが適切であるとお考えでしょうか。
       また、派遣された職員が傷害等を負った場合の賠償については、どのようにお考えでしょうか。
    3. 自治体職員
       住民の避難誘導や環境放射線モニタリングは自治体職員が行うことになりますが、労働法制上、避難が必要なエリアに、自治体職員を派遣することができるとお考えでしょうか。
  7. 避難対象エリアの住民財産の保全対策等
    1. 住民財産の保全対策
       避難対象エリアが無人となった後に当該エリアに残った住民財産の保全対策は、立入権限の付与等も含め、誰が、どのように行うべきとお考えでしょうか。
    2. ペット、家畜等の防護対策
       避難が必要なエリア内に取り残されたペット、家畜等の防護対策、保護、殺処分等は、誰が、どのように行うべきとお考えでしょうか。
  8. 防護対策に要する経費
     実効性のある原子力防災体制を構築するためには、上記のほか、次のような対策が必要です。現在の緊急時交付金等の財源措置では十分な対応ができませんので、必要な財源措置を行われるようお願いします。
    • モニタリングポストの広域的なきめ細かい配置
    • 被ばく医療機関設備の充実
    • 情報伝達システムの整備
    • 防護機能を有する搬送車両の整備
    • 住民避難や初動対応を円滑に実施するための道路の整備
    • 自治体庁舎の緊急時の移転に係る検討や計画の策定
  9. 防災対応の検討に際しての地元自治体の意見
     上記の事項を含め、原子力規制委員会において、住民等の避難対応を検討するに際しては、実際に住民避難等の対応を行うこととなる地元自治体の事情をよく理解している者が検討に加わることが必要と考えます。

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