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【第15回 ピックアップ!地域づくり人】髙橋 秀一 さん (長岡市/NPO法人市民協働ネットワーク長岡 事務局長)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0040704 更新日:2019年3月29日更新

 今回ご紹介するのは、長岡市内を中心に協働のまちづくりを支援する中間支援組織「NPO法人市民協働ネットワーク長岡」の事務局長 髙橋 秀一(たかはし ひでかず)さんです。

髙橋さんが「協働のまちづくり」を支援するに至るまで

第15回 地域づくり人 髙橋秀一さん(アオーレ長岡にて)の画像

第15回 地域づくり人 髙橋秀一さん(アオーレ長岡にて)

 長岡市出身の髙橋さんは、高校卒業後、新潟市内の学校でプログラマーの資格を取得しました。卒業後は、ソフトウェア開発の会社へ就職するため、上京。しかし、上京からわずか半年後、脳腫瘍のため約半年間の療養生活を強いられ、再び長岡市に戻ってくることとなりました。快復後も、半年くらいは斜視の状態が続くなど、先の見えない自分の状況に対して、計り知れないストレスがありました。

 「自分が普通にやっていたことが、できなくなるかもしれないという不安感がありました。入院中の病室の窓から見える橋に自転車をこいでいる人が見えた時、『1週間前までは自分もあっち側にいたんだよな、でも1週間前の自分が1週間後に病室にいるなんて、全く思いも寄らないよな』って。そんなことを考えていたら、物事に対する見え方が変わってきたんですよね。」

 退院後も、自分が普通に働けるのかという不安があった中で、復帰後初めて就いたのが、長岡まつり協議会の臨時職員でした。この時の仕事がきっかけで、長岡市の街中に複合施設(現ながおか市民センター)を創る際のコンシェルジュとしての仕事をすることとなり、その時の繋がりから、まちづくり関係のNPO法人に所属しました。この時、受託業務であった「体験農業施設の管理」に携わる中で、ある想いを抱くようになりました。

 「受託業務としての体験農業施設の管理だけでは、自分らしさを出せなくて、ここに自分がいる必要性はあるのだろうか、と考えるようになりました。そんな時に、長岡のまちづくりを行うNPO法人の設立に向け人を探しているという話があったんです。これなら、今まで自分が長岡市内で培ってきた人脈を生かせるんじゃないのかな、と思ったのが、現在所属しているNPO法人市民協働ネットワーク長岡でした。」

 髙橋さん自身、脳腫瘍という病気や、復帰後の様々な仕事の経験から感じていることは、「困った時に一番頼りになるのは、『人の力』である」ということでした髙橋さんが人生の中で出会った人との繋がりが、自身の活動の幅を広げていった経験から、同業者に様々な得意分野を持っている人がいる中で、髙橋さん自身の強みは「人と人をつないでいくこと」であると感じるようになりました。

私たちの身近にある「協働」が地域の力に!

 NPO法人市民協働ネットワーク長岡の立ち上げ時は、長岡市内を中心とした市民活動やNPO法人などについて、髙橋さん自身、ほとんど分からないような状況でした。

 「NPOの立ち上げの時には、何をやれば良いのか、どうしたら良いのかも分からなかったんですけど、とにかく長岡市内で市民活動や地域づくり活動をしている人を探して、そこから相談があれば、がむしゃらに応えていく、ということを続けていましたね。」

 NPO法人市民協働ネットワーク長岡も今年で6年目を迎える団体となりました。立ち上げ当時から変わらずに、NPO法人市民協働ネットワーク長岡の活動のキーワードとなっている「協働」。よく聞く言葉ではあるものの、具体的に何なのかを定義することは難しいようにも感じます。

 「『協働』って雰囲気では分かるんですけど、じゃあ『具体的にどうするの?』、『ゴールは何なの?』ってなった時に、分かりづらいと思うんです。だけど、長岡には幸か不幸か、雪という毎年やってくる災害(=地域に共通した課題)があるから、みんな雪に苦しみながらも、普通に地域の人たちが『協働』しているんです。この『協働』があるから、長岡の人たちは、どんどん世の中が便利になって、顔の見える関係性が少なくなっている現代においても、『大事なもの(協働)を見失わない地域』であり続けることができるんだと思います。」

 長岡が「大事なものを見失わない地域」であり続けるために欠かせない「協働」。そんな「協働」をもっと市民の方に身近に感じてもらうため、NPO法人市民協働ネットワーク長岡では、様々な取組を独自に行っています。
 取組の中の1つに、「のも~れ長岡」というイベントがあります。「のも~れ長岡」は、異業種異分野多世代交流の出来る交流会で2か月に1回、シティホールプラザ アオーレ内で開催されています。開催ごとに異なるテーマが設定され、テーマに沿ったゲストと参加者たちが、お酒を飲みながら、気軽に学び、語ることができるのが「のも~れ長岡」の特徴で、平成30年3月23日(金曜日)には、第42回となる「シェア」をテーマとした「シェアのも~れ」の開催が予定されています。

 「『のも~れ長岡』が、私たちの団体を介さなくても『協働が生まれる』場になれば良いなぁと思っています。」

 NPO法人市民協働ネットワーク長岡では、「のも~れ長岡」の他にも、柔軟で斬新な市民活動をみんなで実現させようと頑張る人たちの活動を、市民がチャリティー寄付コーヒーを飲むことで、コーヒーの代金を活動資金に寄付することができる「夢の種プロジェクト」や、「『これも協働!?』暮らしの中で感じた人とのつながり」と題し、市民からのメッセージを募集する取組などが行われています。
 どの取組にも市民に「協働」を身近に感じてもらうための工夫がされています。
夢の種プロジェクトの「チャリティー寄付コーヒー」の画像
夢の種プロジェクトの「チャリティー寄付コーヒー」

市民からの協働に関するメッセージの画像

市民からの協働に関するメッセージ

スパンは長く、歩みは止めず!中間支援組織だからこそできるサポートを!

NPO法人市民協働ネットワーク長岡の皆さんとの記念撮影の画像

NPO法人市民協働ネットワーク長岡の皆さんとの記念撮影

 「協働」が生活の中にあり、身近にある長岡地域においても、地域づくり活動を自分事として考えられる人が減ってきていると感じているそうです。

 「昔って、働く場が地域内にあったりして、生活と地域が密接だった分、地域の人たち自身が地域づくり活動をするっていうのは普通のことだったと思うんです。でも、今は働く場と生活の場が離れていたりして、地域と生活の場が分断されてしまっていることが多いですよね。だから、自分の地域で地域づくり活動をしている人が、他の地域の人から、自分事を顧みずに地域のために活動をしている偉い人と思われちゃって、『地域づくりしてるなんて、すごいね。』とかって言われちゃうのかなぁって。」

 世の中が便利になるにつれて、地域の人たちの中に「協働」の意識が少なくなり、自分事として地域のことを考える機会が減ってきている現代だからこそ、声の小さい人にしっかりと耳を傾けることが重要であると感じているそうです。

 「『私なんて…』って思っている声の小さい人のところに、自ら出向いて話をきくと、そこに課題の解決につながるヒントがあったりするんです。そういう声をすくい上げつつ、地域が抱えている悩みを、プラスに転じさせられるような『かけ算』の支援がとても重要だと感じています。」

 地域の人の小さな声にこそ耳を傾け、悩みを共有しつつ、人や団体をつなぎ「協働」を生み出すことで、地域のマイナスをプラスに転じさせるための支援を行っている髙橋さん。最近では、地域の人たちが協働し、地域の課題を自分事として捉えられる地域や社会をつくっていくカギは、「子どもたち」にあると感じるようになったそうです。

 「社会を変えるっていうと、今社会で働いている人たちを変えるって捉えられがちだと思うんですけど、実は育成すべき相手は『子どもたち』なんじゃないのかなって感じるようになってきました。親に対して、地域をどうのこうのって言うよりも、子どもたちと地域の良さについて話したりして、子どもたちと地域の人たちが関わりを持てるような環境があれば親も必然的に付いてくるし、そうやって地域と密接に関わってきた子どもたちが10年後、20年後に大人になったとき、自ずと社会は変わってくるんじゃないのかな。今の人たちを変えることはかなりハードルが高いです。だけど、政治は選挙権のある人に向けた政策を考えていく。だからこそ、スパンは長くかかるけど、小さな市民活動を子どもたちも巻き込むことができるように変えていきながら、着実に歩みを止めることなく支援し続けていくことが、自分たちの活動にも必要なんだと思います。」

 地域づくりの成果を1年や2年で実感することは難しいかもしれません。地域づくりは長期戦であるからこそ、地域の中で活動をしている人たちと、様々な人や団体、そしてその人たちが困った時や悩んだ時に支えることが出来るフォロワーとしての中間支援組織による「協働」が、地域を変える力につながっていくということを実感できるインタビューとなりました。

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