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【新潟】「よりよい地域環境づくり」をテーマとした水辺愛護活動団体の交流会を開催しました

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0054707 更新日:2010年11月8日更新

 平成22年8月29日に水辺愛護活動団体の交流会を開催しました。日ごろから、水辺の愛護活動などをしている13団体、35名のほか、国土交通省、新潟市や県の担当者が参加して、午前中は意見交換会、午後には現地視察を行いました。

意見交換会の様子の画像
意見交換会の様子

 午前中の意見交換会では、参加団体の皆様から団体の活動状況や抱えている課題などについて活発な発表・提案等がなされました。
 例えば、川の上流と下流で水辺愛護活動に携わる人が共通した認識を持つことに意義があるという意見や、行政には、自分たちの活動について市民へ広く知らせて欲しいといった意見などが出されました。

現地視察のひとコマの画像
現地視察のひとコマ

 午後は、五泉市内、新潟市秋葉区内で実際に水辺の愛護活動などを行っている活動拠点を視察し、それぞれ活動している団体から説明していただきました。

NPO法人 五泉トゲソの会

NPO法人五泉トゲソの会事務局長 中村さんの画像
NPO法人五泉トゲソの会事務局長 中村さん

 五泉トゲソの会は、稀少淡水魚トゲソ(イバラトミヨの俗称)の再発見、観察会実施を契機に1997年に設立。その後、2006年にNPO法人となりました。
 定例行事として春のトゲソ観察会(4月下旬)、夏の清流スクール(8月第1週日曜日)や秋の生息数調査(10月下旬)などを実施しています。
 2009年からは、トゲソを豊かな環境の象徴として、地域再生を目指した取り組みを行っています。(とげそ米の田植え・稲刈り、「湧水の恵みセット」(とげそ米、しそ南蛮、里芋、五泉の水セット)の販売など)

「格好いい」活動に

 五泉トゲソの会事務局長の中村さんはこのように言います。「私たちのような環境活動を「格好いい」活動として若い方、女性にも興味を持ってもらい、多くの方に参加してもらいたい。また、継続的な活動ができるような仕組み(社会)づくりや経済的に自立することも重要で、それによって後継者も育ちます。さらに、遠くの方も共同して活動できるような応援団をつくろう。」

トゲソ生息水路江の視察(五泉市土堀)

なかなか見ることのできない「トゲソ」を水槽に入れてみせていただきましたの画像
なかなか見ることのできない「トゲソ」を水槽に入れてみせていただきました。

近くには湧水もあり、飲むと冷たくて気持ちいいの画像
近くには湧水もあり、飲むと冷たくて気持ちいい。

能代川サケ・マス増殖組合

能代側サケ・マス増殖組合理事 塚野さんの画像
能代側サケ・マス増殖組合理事 塚野さん

 能代川サケ・マス増殖組合は、サケ資源の保護、増殖を行っています。採卵した卵を約100万尾の稚魚に人工的にふ化させ、4~5センチメートルくらいに育ててから、放流しています。

そ上サケをとおして河川環境を考える

 昨年度は秋から冬にかけて約5千匹戻ってきたとのことで、サケの生命力には驚かされます。また、サケを一括採補するだけでなく、「そ上してくるサケをとおして河川の環境を考えることが必要。」とサケ・マス増殖組合理事の塚野さんは言います。そして、良好な自然環境を取り戻そうと活動しています。
 例年、小学生を対象とした「サケのつかみ捕り大会」を11月中旬頃に行ったり、小学校の総合学習の一環としてのサケの人工飼育・放流にも積極的に協力したりしています。また、「そ上サケ」と地元農産物を活用した調理実習を開催し、様々なアイデア料理が開発されました。

能代川の可能性

 塚野さんはさらに、このように言います。「能代川は、家庭・工場から排水が流され水質が悪化していましたが、近年、ゲンジボタルが乱舞するような状態に戻ってきています。また、水辺には多くの野鳥も生息したり、ヤマメやイワナが棲めるようになったりして、河川の環境は良くなってきていています。今後も魅力を再発見していけるような能代川の可能性を感じます。」

能代川水辺公園 サケの路の視察(五泉市西四ツ屋(新保))

※さけの路がある「サケ広場」は、新潟県と住民が話し合いながら役割分担して、河川環境に配慮した整備を進めました。

傘をさして日を避けながらの視察。今年はサケが多く帰ってくるかなの画像
傘をさして日を避けながらの視察。今年はサケが多く帰ってくるかな。

九十九曲がりの会

九十九曲がりの会事務局 清野さんの画像
九十九曲がりの会事務局 清野さん

 九十九曲がりの会は、2003年に能代川水辺サイクリングロード(りんりんロード)を活用することと、あわせて地域の活性化に貢献しようと設立されました。
 会の名前は、昔、改修前の能代川が、曲がりに曲がりくねって、大雨のたびに洪水・氾濫を繰り返し、地元で「九十九曲がり川」と呼ばれていたことにちなんで決められました。

川を活かした地域づくり

 九十九曲がりの会事務局の清野さんはこう言います。「九十九曲がりの会は、設立以来、地域住民、行政機関と共同して様々な活動を行ってきました。環境面では堤防や河川敷のゴミ拾い、学習面では2004年にビオトープをつくり、定期的な除草や観察会などの活動拠点としています。さらに、歴史・文化講演会や参加型のサイクリングやウォーキングなどのイベントなどを行い、地域づくりに取り組んでいます。
 これからも地域に眠っている宝ものを発見したり、いろいろなイベントを行ったりして、地域おこしに取り組んでいきたい。」

能代川分流親水公園の視察(新潟市秋葉区草水町)

ビオトープには何がいるのかなの画像
ビオトープには何がいるのかな。

春のサイクリングロード(九十九曲がりの会提供)の画像
春のサイクリングロード(九十九曲がりの会提供)

川を活かす会

共同作業の様子(川を活かす会提供)の画像
共同作業の様子(川を活かす会提供)

 川を活かす会は、新しい能代川を「ふるさとの川」として住民に親しんでもらうために整備されたしんかな菜園を管理運営するため、04年に設立されました。
 しんかな菜園は、「高水敷」を有効活用して、整備されています。現在は、147区画が整備されていますが、空き区画はありません。今後区域を広げて、小中学生の体験菜園として整備していく予定ですが、一方で堤防や修景施設の草刈りの共同実施などの課題もあります。

能代川市民緑地 しんかな菜園の視察(新潟市秋葉区新金沢町)

しんかな菜園の様子の画像
しんかな菜園の様子

通船川・栗ノ木川下流再生市民会議(通称「つうくり市民会議」)

つうくり市民会議副会長 山岸さんの画像
つうくり市民会議副会長 山岸さん

 つうくり市民会議副会長の山岸さんは言います。「つうくり会議では、市民、企業、学識経験者、行政など川に関わるすべての関係者が話し合って、2001年に「川づくり案2000」を策定しました。
 「川づくり案2000」は当時としては非常に画期的で、その大きな特徴は、「治水」「川の利用」「川の環境」に、河川法には触れられていない「川とのかかわり」を加えた4つの視点(基本方針)から当該河川の将来のあり方と具体的な方針を市民提案として示した点でした。」
 「策定から約10年が経過し、基本方針の見直しをすることとしました。新たな方針では、「川の魅力づくり(人や事業、市民活動を惹きつける)」を計画理念の中心としました。さらに、「川づくり」から「川をいかに使い、育てていくか」ということに焦点をあわせ、これを宣言書として発表することとしています。」

かわづくり案2000の画像
かわづくり案2000

新しい「4つの視点の関係」の画像
新しい「4つの視点の関係」

交流会に参加して(レポート編集後記)

 水辺愛護活動団体の交流会は昨年度に引き続き2回目でした。今回ご紹介した各団体の皆さまは、さまざまな課題がある中で、力を合わせて活動を続けています。多くは活動していく上で大変なこともあると思いますが、共通して感じたのは地域(故郷と言い換えてもいいかもしれません。)に対する愛情でした。
 この記事をご覧になっている皆さんが住む地域でもいろいろな団体が活動していると思います。それらの団体は、多くのイベントを開催していますので、足を向けてみてはいかがでしょうか。

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