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【長岡】長岡地域災害時食のセーフティネット検討会を開催しました

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0053087 更新日:2014年6月30日更新

 新潟県長岡地域は、2004年の「7.13水害」や「新潟県中越大震災」の被災地域であり、災害が起こっても健康的な食生活を維持・継続することが地域の課題となっています。
 災害発生から10年を機に産学官が連携した「食の減災対策」を推進するため、昨年度に引き続き、6月30日(月曜日)午後2時から長岡地域振興局大会議室で検討会を開催しました。

  • アドバイザー:ホリカフーズ株式会社取締役、新潟大学大学院客員教授、日本災害食学会副会長 別府 茂 氏
  • 出席組織団体(順不同)

 一般社団法人長岡市医師会、一般社団法人長岡歯科医師会、公益社団法人新潟県栄養士会長岡支部、食生活改善推進委員協議会長岡地区連絡会、長岡地域介護支援専門員協議会、公益社団法人中越防災安全推進機構、中越市民防災安全士会、有限会社エコ・ライス新潟、越後ながおか農業協同組合、ホリカフーズ株式会社、株式会社タケショー
長岡市危機管理防災本部・健康課、長岡市教育委員会学校教育課、小千谷市危機管理課・保健福祉課(健康センター)、小千谷市教育委員会学校教育課、見附市企画調整課・保健福祉課、見附市教育委員会学校教育課、出雲崎町総務課・保健福祉課、出雲崎町教育委員会教育課

1 開会挨拶

開会挨拶の画像

 当部の片桐部長が開会にあたり挨拶しました。
 「新潟県長岡地域は、2004年の7.13水害や中越大震災の被災地域であり、幾多の自然災害の脅威を経験してきた地域であります。これまでの被災経験を踏まえ、食の面からの減災対策が重要であることから、災害に関する基本的な知識と技術を身につけ、家庭や地域全体で災害時の食の備えを進めることが求められております。
 こうした背景を踏まえ、昨年度当部においては本検討会を立ち上げ、現状報告と対策の検討を行ってまいりました。今年度が「7.13水害」及び「中越大震災」から10年を迎えるのを機に、昨年度本検討会でご提案いただいた、「にいがた災害食グランプリ」を含めた取組を、産学官が連携して進めていくこととしております。本検討会を機に災害食の普及・定着化が図られることを期待しております。」

2 自治体の取組報告「健康増進計画・食育健康増進計画における災害時の食の備え」

左から小千谷市、見附市の職員の皆さんの画像
左から小千谷市、見附市の職員の皆さん

 小千谷市危機管理課から小千谷市の食の備えについて、健康センターからは健康増進計画・食育推進計画での取組について報告していただきました。「備蓄にあたっては自助・共助・公助の考え方に基づいて、発災から3日目までの備蓄供給想定として、1~3食目は個人備蓄、4,5食目は市町村備蓄、6~8食目は県及び市町村備蓄、9食目は県外からの応援で対応することとしている。今年度も購入予定があり、今後は要援護者への対策を拡張していきたい。小千谷市では健康増進計画・食育推進計画で災害時の食の備えの充実に向けた取組を記載している。」
 見附市保健福祉課から「見附市健幸づくり推進計画の中で、健康づくり分野及びまちづくり分野それぞれで災害時の食の備えに関する普及啓発や防災拠点の活用、防災意識の啓発と食料や物資の備蓄について明記し、取組を進めている」と報告していただきました。

3 学校での取組報告「小中学校における防災教育の展開」

左から長岡市教育委員会学校教育課、中越防災安全推進機構の職員の皆さんの画像
左から長岡市教育委員会学校教育課、中越防災安全推進機構の職員の皆さん

 長岡市内小中学校における防災教育の取組について、長岡市教育委員会学校教育課より報告していただきました。
 「各学校事に防災に関する授業を年最低1時間以上行うことになっており、パンフレットや副読本を活用している。避難訓練も年2回以上実施、学校内の総合防災計画の策定についても校外学習の中で対応している。県防災教育プログラムとの関連についても意識し、自分の身は自分で守ることを学習させている。また教職員向け研修講座の中で着衣泳を取り上げ、6月に『ういてまて-UITEMATE』の講習会を実施した。参加者には大変好評であった」
 また中越防災安全推進機構からは、「長岡震災アーカイブセンターきおくみらい」で行っている県防災教育プログラムの活用事例について紹介があり、今後は災害時の食をプログラムの発展的な学習として実践する可能性についても報告していただきました。

4 地域での取組

地域での取組の画像

 左から中越市民防災安全士会、食生活改善推進委員協議会長岡地区連絡会、栄養士会長岡支部の皆さん 中越市民防災安全士会の畔上会長からは「子どもたちへの防災教育を行っており、子どもから親、地域へと広がりができている。活動の場としては、市民フェスタや防災フェア、そして保健所の事業のなかで防災グッズの作成やクイズなど幅広く活動している」との報告がありました。
 また、食生活改善推進委員協議会長岡地区連絡会の喜多会長からは「支部の研修会や保健所の事業でサバイバル料理体験を行い、男性料理教室などでも普及している。昨年の長岡市乙吉地区の水害の際にも避難所で支援を行った」と活動報告がありました。
 栄養士会長岡支部の陣内副支部長からは「6月8日に新潟日報メディアシップで開催された親子防災セミナーの実施にもスタッフとして関わった。今後も様々な場面で料理の工夫などを伝えていきたい」と、実際にセミナーで活用したポテトスナックを持参して説明していただきました。

5 講義「産学官が連携した減災対策の推進」-新たな10年に向けた災害食の展開-

アドバイザーの別府茂先生の画像
アドバイザーの別府茂先生

 日本災害食学会副会長で本検討会のアドバイザーである、別府茂先生から講義をしていただきました。
「新潟県中越大震災の発生から10年。10年前には県内で同規模の災害が再び発生するとは思わず、発生しても3日で終わる想定であったが、10年間に幾度となく災害は発生し発生後の対応も3日で終わらないことが分かった。これからの10年を考えると豪雪や原子力発電所の事故、強毒性のインフルエンザなどライフラインは停止しないが自宅待機を余儀なくされる災害も想定されることから、被害を事前に減らす、減災対策が重要である。
 被災生活の研究を目的に、昨年9月1日に日本災害食学会が設立され、被災生活に関わる全ての人々がだれでも見ることができる学会のホームページサイトが設けられた。そこでは、これまでの非常食の概念を拡大し、「いつものように食べることができない時の食のあり方」という意味で範囲を広くとらえたものが災害食とした。その対象は、被災地で生活、活動するすべての人々であり、その範囲は、ペットボトル飲料に代表される加工食品、ライフラインの代替えとしてカセットコンロ、調理の工夫としてパッククッキングなどが考えられる。
 何をどう備えるかについて、避難所においては、昨年内閣府から取組指針が出されアレルギー対応についても盛り込まれた。また自宅においては農林水産省からガイドラインが出され、最低3日分できれば1週間分備えるようにと示されたが、普段使っているもので対応は可能であろう。
首都直下地震の被害想定では避難者が720万人。新潟の備えは新潟で発生する災害に備えるだけでなく、首都直下地震や、南海トラフ巨大地震の被災地支援にもつながることから、災害食の役割を「災害に立ち向かうための食」ととらえている。今年度災害食関連の事業がいくつか予定されているが、一つずつ積み上げていくことが必要である。」

6 新たな10年に向けた事業提案

新たな10年に向けた事業提案の画像

昨年度の取組報告の後、当地域振興局が今年度新たに提案する3つの事業について説明し、意見交換を行いました。

1 「にいがた災害食グランプリ」

災害に逢っても健康的な食生活を送ることができ、災害食に関する知識と実践力の向上につながるように、被災生活を乗り切るための調理の工夫を募集する。

主な意見

  • 介護の現場は災害食について具体的に進んでいない。今後取り組みたい。
  • 採点の加点基準に子どもたちからの応募を考慮して欲しい。
  • 食物アレルギーに対する配慮は有効である。

2  「食の事業継続セミナー」

災害が起こっても健康的な食生活を維持・継続するためには、食品や物資の製造・加工・流通関連企業の事業継続が必要であることから、平常時からの取組を進めるためセミナーを開催する。

企業からの現状報告

  • 昨年BCPの講義を受け、農地が汚染された場合の具体例について検討した。
  • 事業所内で職員や組合員、利用者分を含めて3日分の備蓄を整備した。
  • 新型インフルエンザを対象としたBCP策定。特定リスク以外も考える。

3  災害支援活動学生シンポジウム

長岡地域は、3大学1高専及び各種専門学校があり、災害時やその後の減災対策に関わる活動を積極的に行うサークルや研究が存在することから、次世代への継承と新たな活動への発展を目指してシンポジウムを開催する。

主な意見

長岡市乙吉地区の水害時、学生の協力、働きは大きかった。学生の学びを大人が学ぶ機会、ワークショップにも学生目線で参加できればいいのでは。

 以上の検討結果を踏まえて、今年度長岡地域振興局として3つの事業に取り組んでいきます。

 

県民だより長岡地域版(平成26年夏号)中越大震災、7,13水害から10年「災害時の食の備え」[PDFファイル/1.27MB]

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