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新潟県ホーム の中の文化・芸術の中の【魚沼】〔魚沼の風景〕魚沼昔話への誘い
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【魚沼】〔魚沼の風景〕魚沼昔話への誘い

2015年01月15日

     雪の降り積もる季節となりました。
     しんしんと雪が降り続けるこの時期、寒い夜に家の中でこたつに入ってテレビ鑑賞もいいですが、たまには静寂の中、昔話に耳を傾ける、なんて如何でしょうか。
     ここ魚沼には、雪国ならではのちょっと怖いゆうれい話、楽しい昔話など、様々な民話が伝わっています。また、それらを私たちに伝えてくれる語り部の方々も活躍されているのです。
     (写真は冬の目黒邸です。)
    冬の目黒邸

    魚沼の代表的民話「弥三郎ばさ」

     ここ魚沼(特に広神地域)で最も有名な民話といえば「弥三郎ばさ」の物語ではないでしょうか。
     簡単に紹介すると、昔々、弥三郎という猟師とその妻、息子が共に暮らしていたが、弥三郎はある日雪山に猟に行ったきり帰ってこなかった。成長した息子は父同様猟師となりその嫁、幼子、母(ばさ)と一緒に暮らしていた。ところがある日、息子もまた猟から帰って来なかった。嫁は悲しみのあまり後を追って死に、残されたばさは孫に乳をもらおうと歩き回ったが、最初は同情していた村人たちも次第に疎ましがり、またばさの家が代々猟師であったことから殺生による仏罰とのそしりも生まれて、ついには村八分にされた。ひもじい思いで赤子を抱きかかえて布団にくるまっていたが、孫はとうとう餓死。ばさは悲しみに打ちひしがれて孫の亡骸にほおずりをするうちに歯が立った。ばさは、激しい飢えの中で自制できず、その屍肉に食らいついてしまった。以来鬼と化したばさは夜ごとに人の子をさらって食らうようになった。しかし、後の世に偉いお坊さんに諭され改心し、「妙多羅天女」の名を授かった。という、何とも悲しく壮絶な物語です。

    絵本にもなっています。表紙はちょっと恐めです。

    絵本にもなっています。(青山幸子著 出版元:広神村観光協会)

     広神出身の方の中には、子供の頃に「弥三郎ばさがさらいにくるぞ」なんておどされた経験がある人もいるのではないでしょうか。
     地元では弥三郎ばさを看板にしているおそば屋さんまであります。

    看板は怖いけど味は確か

    看板は怖いけど味は確か

     弥三郎ばさは「権現堂の」という枕詞がつくことが多いですが、この権現堂とは、実際にある山のことです。登山コースもあり、初心者でも登りやすい山のようです。なぜこの山が弥三郎ばさと関係あるのかというと、ばさが鬼となってから住処にしていたといわれているからです。
     いまでも、その登山ルートにはばさが住んでいたという「鬼の穴」、ばさが飲んだと言われる「弥三郎清水」があります。登って見てみるのもおもしろいかもしれません。

    案内にもはっきり記載されてます。

    案内にもはっきり記載されてます。

    吹雪の神湯昔語りの夜

     宿泊・日帰り温泉施設「神湯温泉倶楽部」では恒例行事「昔語りの夜」が開かれています。今回ご紹介した弥三郎ばさ以外にも魚沼には魅力的な話がたくさんあるようです。地元の語り部がそんな昔話を情感たっぷりに聞かせてくれます。今年度の開催は2月14日(土)に予定されていますので、興味のある方はゆっくり温泉につかって身も心も暖かくなってみてはいかがでしょうか。
     詳細は魚沼市観光協会(025-792-7300)まで。

    昔語りの様子。

    昔語りの様子。


    【レポーターから】
     
     今回ご紹介した弥三郎ばさの物語に似たような物語は実は全国に存在します。ただ、その地域ごとに少しずつ内容が変わっているので、そうした違いを調べてみるのもおもしろいかもしれません。
     雪の降る夜、家の中でこうした昔の人々の暮らしに思いを馳せるのもたまには良いのではないでしょうか。

     中越家畜保健衛生所 金子

     「魚沼の風景」は、魚沼市内に勤務する県職員が、日々の業務や暮らしの中で見つけた、魚沼のイベント、特産物、観光地など魚沼の魅力をレポートするものです。なお、掲載内容については正確を期するよう努めておりますが、限られた時間での取材であるため、不十分な点がある場合もありますので、ご容赦下さい。