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新潟県ホーム の中の観光・イベントの中の【魚沼】〔魚沼の風景〕開高健が好んだ銀山平の山菜めし
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【魚沼】〔魚沼の風景〕開高健が好んだ銀山平の山菜めし

2011年07月01日

     芥川賞作家で釣り師の開高健さんが魚沼市銀山平に逗留を始めたのは、1970年(昭和45年)6月のことでした。山小屋「村杉」に3ヶ月間滞在し、村杉の初代主人、佐藤進さんと交流を深めました。
     開高さんは、佐藤さんと同じ食事を希望し、中でも木の芽(アケビの新芽)は大好きでよく食べたそうです。ある日、目先の変わったものを出してみようと、佐藤さんの奥様がいろんな山菜を入れた炒めご飯をつくったところ、開高さんはすごく感激し、これは売り物になるぞと言い、油を多く使わない、紅ショウガを付けるなど、アドバイスしたといいます。その後、この炒めご飯は、釣り客のお弁当としても出すようになったそうです。
     そして今、40年の時を経て、開高さんが好んだ山菜めしは、「開高めし」と名付けられ、魚沼の名物料理として注目されています。
    (*写真は、銀山平を流れる北ノ又川です。) 

    「村杉」の初代主人 佐藤進さん

     開高さんは、佐藤さんを「名人」と呼び、よく釣りへ誘ったそうです。そして、自然の大切さや、魚の貴重さなどを話されたそうです。その頃は高度成長期の時代、回りにそんな話をする人はいません。話を聞いても頭にぼやっと残る変な感じがするばかりだったそうですが、開高さんが帰った後、「脳みそが理解した。」と感じる瞬間があったそうです。
     その後、乱獲により魚が激減した銀山湖を守ろうと、「地元の人たちと漁協、特に新潟大学名誉教授の本間義治先生や元がんセンターの佐々木寿英先生、奥只見の魚を育てる会をはじめ多くの人たちの結集で北ノ又川、石抱橋(いしだきばし)より上流が保護水面に指定され、魚たちが安心して生活、産卵ができるようになった。」と佐藤さんはおっしゃっていました。

    開高さんとの交流を語る佐藤さん

    開高さんとの交流を語る佐藤さん

     現在「村杉」は、息子さん夫婦で切り盛りされています。今でも、事前に申し込みすれば、開高さんが好んだ山菜めしを食べることができるそうです。「今では、女房よりも息子の方が上手につくるようになった。」と佐藤さんはおっしゃいました。
     「村杉」への連絡は、住所:魚沼市銀山平温泉、TEL:025-795-2451です。

    銀山平温泉 村杉

    銀山平温泉 村杉

    「開高めし」を食べられるスポットを紹介します

     大湯温泉 湯之谷交流センター ユピオ内お食事処「湯ったり亭」で「開高めし 」定食を食べることができます。魚沼の田舎料理ぜんまい煮物や山菜の小鉢、ニジマスの甘露煮がついて1,200円です。
     ユピオへの連絡は、住所:魚沼市大湯温泉182-1、TEL:025-795-2003です。

    ユピオの開高めし定食の紹介

    ユピオの開高めし定食の紹介

     6月のある日に、ユピオの開高めし定食をいただいてきました。山菜の小鉢は、時期によって変わるそうです。今回は、フキとウルイでした。
     とってもおいしかったですよ。

     「ユピオ」の開高めし定食

     「ユピオ」の開高めし定食

      「酒・惣菜・弁当 おおもも」の開高めし弁当です。
     魚を主にしたおかずの「ぎんざん」と、肉を主にした「おくただみ」の2種類があります。1個 800円です。
     おおももへの連絡は、住所:魚沼市七日市703-1、TEL:025-792-1135です。

    「おおもも」の開高めし弁当

    「おおもも」の開高めし弁当

     私が食べたのは「おくただみ」です。一見ご飯が少ないように見えましたが、開高めしがおかずの下にも隠れていました。十分な食べごたえがありました。お肉も柔らかで、とってもおいしかったですよ。

    左が「おくただみ」、右が「ぎんざん」

    左が「おくただみ」、右が「ぎんざん」

    「開高さんに会って人生が変わった。」

     「『何かをあきらめちゃいかんぜ。あきらめは敗北だ。』と。開高さんはよく言っていました。」佐藤さんは懐かしそうに話します。
     銀山平の北ノ又川の石抱橋(いしだきばし)のたもとに建つ、開高さんの記念碑には「河は眠らない」という言葉が刻まれています。開高さんの記念碑を造るならこの言葉しかないと主張されたのは、佐藤さんご本人でした。

    北ノ又川の川岸に建つ開高健記念碑

    北ノ又川の川岸に建つ開高健記念碑

     記念碑の横には、「碑によせて」の副碑があります。
     「今はなき作家開高健氏は銀山平に逗留され、作品『夏の闇』の構想をねりながら竿を片手に散策を楽しまれた 銀山湖畔の水は水の味がし、木は木であり 雨は雨であった…」と碑文は始まり、「…自然にさからわず その保全を強く訴え続けられた…その意志を後世に伝えたい」と建立の主旨が記されています。

    「碑によせて」の副碑

    「碑によせて」の副碑


    【レポーターより】

     開高健氏は、3ヶ月の銀山平逗留で小説「夏の闇」の構想を練ったそうです。佐藤さんのお話を聞いていて、この小説を読んでみたくなりました。佐藤さんと、開高さんの交流のお話しは40年の時を経てもまだみずみずしく、きらきらしていました。
     銀山平の深い自然の中、開高さんと佐藤さんの交流から生まれた「開高めし」。ぜひ、みなさんも一度ご賞味ください。

    魚沼地域振興局農業振興部 星 

     「魚沼の風景」は、魚沼市内に勤務する県職員が、日々の業務や暮らしの中で見つけた、魚沼のイベント、特産物、観光地など魚沼の魅力をレポートするものです。なお、掲載内容については正確を期するよう努めておりますが、限られた時間での取材であるため、不十分な点がある場合もありますが、ご容赦下さい。