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【魚沼】中越大震災から15年「魚沼地域災害時食のセーフティネット検討会」を開催しました

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0209779 更新日:2019年7月31日更新

検討会の概要

新潟県魚沼地域振興局健康福祉部では、新潟県中越大震災の発生から本年で15年を迎えるのを機に、これまでの活動を振り返り、今後の活動に生かすことを目的に検討会を開催しました。
◎ 開催日時 令和元年7月3日(水曜日)午後2時から4時30分まで
◎ 会 場 魚沼市小出ボランティアセンター
◎ アドバイザー 日本災害食学会理事・副会長
新潟大学大学院 客員教授
NPO法人日本防災士会 副理事長 別府 茂 氏
◎ 構成メンバー(順不同)
小千谷市魚沼市医師会、小千谷北魚沼歯科医師会、魚沼市立小出病院、新潟県栄養士会、新潟県食生活改善推進委員協議会魚沼支部、小千谷市魚沼市介護支援専門員連絡協議会、魚沼市社会福祉協議会、小出食品衛生協会、サトウ産業株式会社、弁当・惣菜おおもも、ホリカフーズ株式会社、NPO法人エンジョイスポーツクラブ魚沼、中越防災安全推進機構、NPO法人ふるさと未来創造堂、魚沼市、魚沼市教育委員会

1 開会あいさつ

当部の竹内部長が開催にあたり、挨拶しました。
「新潟県魚沼地域は、2004年10月23日に発生した新潟県中越大震災の被災地域であり、その後も水害や雪害など自然災害の脅威を経験して参りました。本年が中越大震災の発生から15年目となることから、これまでの活動を振り返り、行政、関係団体や事業者による平常時からの方策を検討し、今後の活動に生かすことを目的に検討会を開催いたしました。皆様方の活発な御発言や議論をお願いいたします。」

開会に当たりあいさつする竹内部長

2 取組報告と意見交換「ここまで進んだ新潟県魚沼地域における災害時の食の備えと支援活動」

中越大震災発生から15年間の取組について、行政機関や関係組織から報告がありました。

食生活改善推進委員協議会魚沼支部、魚沼市社会福祉協議会、中越防災安全推進機構、エンジョイスポーツクラブ魚沼のみなさんが報告しました

左から、食生活改善推進委員協議会魚沼支部、魚沼市社会福祉協議会、中越防災安全推進機構、エンジョイスポーツクラブ魚沼のみなさん

〇 魚沼市防災安全課からは「魚沼市では、要配慮者用食品について乳幼児用、介護用、病態用の3種類を備蓄している。平成21年から備蓄を開始し、食品の内容の検討や備蓄の推進に当たっては健康増進課の管理栄養士が担当している。備蓄品のローリングストックが課題。」との報告がありました。
〇 食生活改善推進委員協議会魚沼支部からは、「中越大震災発生直後の2004年11月1日に市町村合併し、翌年に魚沼支部が発足した。被災地域での炊き出しや東日本大震災時の他県の被災者への食事提供、パッククッキング体験やレシピの作成など、15年間継続した活動を行ってきた。今後も地域や学校などで食の備えを進めていきたい。」との報告がありました。
〇 魚沼市社会福祉協議会からは「東日本大震災時は、他県からの被災者を受け入れ、食事支援は3月18日から4月30日までの間に延べ218人の方に協力していただいた。はじめはおもてなしの気持ちから一人一人に配膳を行っていたが話し合いの結果、自分で食べたいものを自分に合った量を盛り付けるバイキング方式とした。その他にも物資の仕分けや義援金の受付など様々な活動を行っている。」と説明がありました。
〇(公社)中越防災安全推進機構地域防災力センターからは、「地域で防災講座を行う際、講師が不足している状況から、別府氏や地元保健所の協力を得てインストラクター養成制度を制定した。地域でパッククッキングを行ったりローリングストックの重要性を説明するなど、10数人のインストラクターが各地で災害食に関する講座を実施している。スキルアップのためのフォローアップ研修も行っている。」と主に長岡地域での取組について説明がありました。
〇 NPO法人エンジョイスポーツクラブ魚沼からは、「東日本大震災時に魚沼市に設置された避難所で運動支援を行った。内容は親子でじゃんけんやボールを使ったレクリエーション、ストレッチ、いすをつかっての脳トレ。避難者には大変好評であった。普段は健康づくりを実践しているが、今後も市と連携した支援ができるとよいと考えている。」と報告がありました。

 

サトウ産業(株)、弁当・惣菜おおもも、ホリカフーズ株式会社、NPO法人ふるさと未来創造堂のみなさんの報告している画像

サトウ産業(株)、弁当・惣菜おおもも、ホリカフーズ株式会社、NPO法人ふるさと未来創造堂のみなさん

さらに企業やNPOの皆さんの報告がありました。
〇 サトウ産業(株)は「惣菜を作っている企業。中越地震の時はこれから出荷するというときで、3万~3万5千食あったので、残った惣菜を近所に配ろうと近くの公民館を回った。余裕が出てくると、一人一人食べ物に対するニーズも変化してきたため、バイキング形式を提案した。今後も何かあれば会社として手伝いをさせていただく。」と報告がありました。
〇 弁当・惣菜おおももからは「市からの炊き出し要請に対して自社だけでは賄いきれないため、地域の飲食店と連携して対応している。日頃からネットワークを構築しておくと良い。簡単ではないが、食数の把握、Maxの数量を知らせて欲しい。また、避難生活が1週間以上と長期の場合は、麺類などの提供も行うなど精神面でも疲弊してこないように食事を楽しめるようにできるとよい。」との発言がありました。
〇ホリカフーズ(株)からは、「1995年に発生した阪神・淡路対震災の際、ライフラインが停止し、調理ができなくなった課題から火や水がなくても温かい食事をとることができる「レスキューフーズ」を2003年に発売。以降様々な災害時での活用を進めてきた。また、要配慮者向けの災害食の開発とカタログの作成、日本災害食認証制度などへの自社製品の申請など、災害時にも平常時にも役に立つ災害食の製造を行っている。」と報告されました。

防災教育の観点からの報告もありました。
〇 魚沼市教育委員会からは学校給食における全市一斉に実施された防災給食への取組や食育だよりを通じた「災害時の食の備え」の普及について紹介されました。
〇 NPO法人ふるさと未来創造堂からは「県内小中学校の防災教育のサポートを主に仕事している。パッククッキングや親子で火を使わない料理、企業の災害食を使ったものなどの講座を実施。災害食を試食させて、食べることの大切さを学ぶ。子供たちは食べることが大好き。学校の授業では、アンケートの結果、学年を追うごとに家で備えたいという意見が多く出された。普段から豊かな食生活を営むうえで、食べることの大切さとともに災害時の食の備えもその一部だということを伝えていきたい。」と語りました。

3 講義「災害多発時代の食の備え」

本検討会のアドバイザーである別府茂先生から講義をしていただきました。
・連続する地震災害は25年間で15回、死者が出る地震が発生している。すべて平成に発生し、新潟県中越大震災や中越沖地震もそのうちの一つとして経験した。
・魚沼市の地域防災計画によれば、2004年以降豪雨が2回、豪雪が4回と、多くの災害を経験している。大震災の発生時豪雪災害が発生したらどうなるかを考えて備えなければならない。
・防災対策にはサイクルがある。第1フェーズ「予防」、第2フェーズ「応急対策」、第3フェーズ「復旧・復興」。15年たった今、来るべき災害に向けて第1フェーズ「予防対策」の実施・充実が求められている。
・魚沼地域においては、自助・共助・公助がかなり重なり合っており、それぞれ誰が何をやっているのかがわかった上での連携が進んでいる。自助は家庭だけでなく組織や企業の備えまで進んできている。共助は横のつながり、公助は備蓄だけでなく、災害食に関する教育が進んできており、進化していると感じた。
・自助は家庭・病院や施設、事業所・企業のために備蓄する。避難所では公助が備えるが、災害発生救援物資は避難所をめがけて送られてくる。それ以外は届かないのがほとんど。従って自助で備えたものしか使えない、食べられない可能性がある。住民は、家庭にも企業にも配ってくれるのではないかと思いがち。自分の身は自分で守っていただきたい。
・働く人、避難所にいる人、要配慮者それぞれに必要な食事は同じものではない。日本災害食学会では認証制度を取り入れてどういうことで災害時に役立つのかを明確にし、日常でも役立つというユニバーサルな食品を増やしている。賞味期限は常温で6か月以上あればよい。現在認証商品は150品目を超えている。
・本年3月に農林水産省が「災害時に備えた食品ストックガイドあって良かった!家庭備蓄の実践アイディア」を策定した。このガイドで示しているのは、魚沼地域でその3年前に作成された「あちこたねえ!うおぬま式災害時の食の備え」と同じ考え方であり、普段食べているものを災害時にも食べて備える「ローリングストック」を薦めている。要配慮者用食品の備蓄についても、魚沼市においては対応しているが、全国的にはまだまだである。家庭用備蓄も地域の状況によっては2週間分を提言している。
・日用品についても、カセットコンロや電気自動車など平常時も災害時も役立つものを増やす工夫が重要。
・災害多発時代の対策として生活の強靭化、ライフスタイルの変革も行っていくことが必要。魚沼の取組は中越大震災をきっかけに15年継続してきた。今までの経験をさらに磨いて次の災害に向けた対策の強靭化につなげていただきたい。「災害は 備えた分だけ 憂いなし」

本検討会のアドバイザーである別府茂先生の講義の画像

 

4 事業振り返り・提案「魚沼地域における災害時栄養・食生活支援活動」

当部担当者より、魚沼地域における15年間の取組について紹介し、本年度実施予定の「食品関連事業者の食の備え実態調査」(案)について説明しました。

「魚沼地域における災害時栄養・食生活支援活動-食の減災対策推進事業-」 [PDFファイル/4.05MB]

 

5 全体討議・まとめ

最後に全体を通じて関係団体から御意見をいただきました。

小千谷市魚沼市医師会、小千谷北魚沼歯科医師会、新潟県栄養士会、小出食品衛生協会のみなさんから御意見をいただいている画像

小千谷市魚沼市医師会、小千谷北魚沼歯科医師会、新潟県栄養士会、小出食品衛生協会のみなさん

 

〇 小出食品衛生協会からは「災害時には衛生面が大切であると考えている。協会には6つの分会長がおり、何かあれば横のつながりで活動ができる。今後もつながりを大切にしていきたい。」との発言がありました。
〇 小千谷市魚沼市介護支援専門員連絡協議会からは「高齢者を代弁する役割があると日々考えている。防災グッズを備えたがその後何もしていない高齢者が多い。訪問時に確認してあげる必要がある。施設が避難場所にも設定されている。今後は施設の備蓄の見直しも必要。ケアマネが施設と地域・家庭とのつなぎ役として活動する。」と報告されました。

〇 小千谷北魚沼歯科医師会からは「口腔ケアは緊急を要さないが、魚沼は地震などによりトンネルの通行止も想定されるので、備蓄も2週間分は必要ではないかと考えている。南海トラフも危機感を持って考える時期がきたのではないか。」との意見がありました。
〇 小千谷市魚沼市医師会からは「魚沼市が災害食を3分類して備蓄していることを初めて知った。医師として病気の人への配慮が必要であると考えるが、中越大震災の際はここまで備蓄されていなかったと思う。市の体制を聞き、医師会としての役割を再認識した。」と報告されました。
・魚沼市立小出病院栄養科からは「現在入院患者3日分の非常食を用意している。災害時にどのようにしていくのか、試食訓練をしていないので、今後対策を考えていかなければならない。」と報告がありました。
〇 新潟県栄養士会からは、「これまで被災地の栄養・食生活支援活動や地域の防災訓練にも参加してきた。日本栄養士会では災害支援チームJDA-DATを組織して、東日本大震災をきっかけに被災地の支援活動を行っている。医師、行政と連携した取組を行っているが、全国でJDA-DATは1700人存在する。リーダー研修を受けてリーダーとなる。県内では10人ほどであるため、今後は組織として養成し、動けるような体制にしたい。」と説明しました。
〇 最後に小出食品衛生協会からは、「先ほど健康福祉部から提案のあった調査について、協会として全面的に協力していきたい。」と発言がありました。

展示された災害食に関する取組のパネルの画像

これまでの災害食に関する取組についてパネル展示を行いました

新潟県中越大震災から15年。
今後も魚沼地域振興局健康福祉部では、災害時の食の備えについて進めていく予定です。

関連リンク

当部記事「健康を守る食」について考えるページ

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