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【魚沼】「だしをきかせて適塩講演会」を開催しました

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0126159 更新日:2019年6月29日更新

 魚沼・食と健康「おいしく食べても減塩」推進協議会(魚沼市健康課、魚沼市立小出病院、魚沼地域振興局健康福祉部により構成)では、平成30年11月18日(日曜日)午後1時30分から魚沼市小出ボランティアセンターにおいて、「だしをきかせて適塩講演会」を開催しました。
 当日は、県内各地から約60名の参加がありました。

1 主催者あいさつ

1 主催者あいさつの画像 講演会の開会にあたり、魚沼地域振興局健康福祉部長の髙橋があいさつしました。
「魚沼地域の健康課題のひとつとして、高血圧や心臓病、脳血管疾患などの原因となる塩分の取りすぎに対して、だしをきかせることによって減塩でもおいしい食事を普及する『魚沼・食と健康『おいしく食べても減塩』事業」に取り組んで参りました。
 本日は3年間の総括として、国立循環器病研究センターバイオバンクNCBN推進室長の高田彰先生をお招きし、循環器病予防のための食生活の改善について様々な事例を交えながらお話をいただきます。ご来場の皆様には本日の講演会で、より健康になるためのヒントを見つけていただき、今後の生活に生かしていただくことを祈念します。」

2 報告「魚沼・食と健康『おいしく食べても減塩』事業」について

2 報告「魚沼・食と健康『おいしく食べても減塩』事業」についての画像 本事業を立ち上げた経緯について、担当者から説明がありました。
「魚沼地域の健康課題解決に向け、平成28年に事業を立ち上げました。県の施策である『にいがた減塩ルネサンス運動』や魚沼市の減塩対策をさらに推進するにあたり、魚沼の多彩な食の魅力を生かし、おいしく食べながら健康を守る『魚沼式食事スタイル』を多様な主体と協働で考え、創り、発信することで、地域の元気づくりを実現することを目的に3年間取り組んできました。
 1年目は関係者が学び、知識を深め、2年目は関係者の取組を進めました。3年目は市民への普及を進め、地域が元気になる取組を今後も継続していきます。」

3 基調講演「循環器病を予防して健康寿命を延伸する『地域の取り組み』の重要性について」

3 基調講演「循環器病を予防して健康寿命を延伸する『地域の取り組み』の重要性について」の画像

 基調講演として、国立循環器病研究センターバイオバンクNCBN推進室長の高田彰先生から御講演いただきました。高田先生には、平成28年の事業立ち上げ時にも魚沼地域にお越しいただき、講義をしていただきました。今回の講義についても映像を交え、さまざまなデータを示しながら、わかりやすくお話いただきました。

  • 死因別死亡率の推移をみると、疾病構造が変化し生活習慣病が増加している。
  • 平均寿命と健康寿命には大きな差があり、これをできるだけ少なくすることが求められている。介護が必要となった原因として、脳血管疾患(脳卒中)の割合が多くなっている。
  • 脳卒中の種類と死亡率の推移をみると、減塩と血圧コントロールにより変化している。
  • 血圧の測定・記録により脳卒中発症リスクを知ることができる。
     脳卒中のリスクを血圧など7要因により自分で予測することができる。
    本日出席の皆さんには、家族の方にも知らせてほしい。
  • 高血圧が影響する病気としては、脳卒中、心筋梗塞、心不全、認知症、動脈瘤、腎臓病などがある。
  • 血圧を上げる原因は食塩のとりすぎ、肥満、ストレス、運動不足、喫煙、寒さなどがある。
  • 日本人の性・年齢階級別 高血圧頻度について140/90mmHg以上の人の割合は年齢が高くなるのにつれて多くなっている。
  • 若い時期から食塩摂取が少ない人は高血圧になりにくく、10~20代のうちからの減塩対策が重要であることから、学校給食から取り組む必要がある。
  • 新潟県においては、平成21年から「にいがた減塩ルネサンス運動」を通じて10年もの間、取組を進めている。岩手県での事例紹介
  • イギリスでは国が旗振り役となって食品業界に対しパンの塩分削減の自主目標を設定させることに成功した。日本ではどうか。
  • 本日資料では、他県の様々な取組を紹介している。参考に見ていただき、住民主体の支えあう体制づくりを今後も進めていただきたい。

4 発表「だしをきかせて適塩みそ汁について」・みそ汁の試飲

4 発表「だしをきかせて適塩みそ汁について」・みそ汁の試飲の画像

 「だしをきかせて適塩みそ汁」について、マルコメ株式会社マーケティング部販売企画課管理栄養士の榊原知秋様より、企業の取組について発表していただきました。みその健康に関する内容や麹に関する情報に加え、企業の方針や販売に関するお話がありました。
 発表の後、実際に塩分濃度やだしを変えた3種類のみそ汁を参加者の皆さんから試飲していただきました。
 試飲した皆さんからは
「薄味でも、だしがきいていておいしい。」
「みその種類を変えるだけでも、おいしく減塩ができそう。」
などの感想が聞かれました。

5 シンポジウム「県魚沼地域の減塩対策の推進ーオール世代で挑戦!だしをきかせて適塩メニュー」

(左から)広神中学校 佐藤 峰生氏、レストランモンブラン 山本 りつ子氏、魚沼市食生活改善推進員 韮澤 知余美氏の画像
(左から)広神中学校 佐藤 峰生氏、レストランモンブラン 山本 りつ子氏、魚沼市食生活改善推進員 韮澤 知余美氏

シンポジウムでは、魚沼地域で減塩のための活動に取り組む3人の皆さんに発表していただきました。

  • 魚沼市食生活改善推進員協議会会長 韮澤 知余美 氏
    • 食を通して、地域の健康づくりを進める住民組織であり会員数は80名。
    • 重点活動は「適塩の食習慣づくりの推進」であり、平成28年度からは今回の事業にも携わっている。
    • 地域で容易に取り入れられる減塩(適塩)の主菜や副菜を考え、住民に普及している。
    • 私たちにできることは、身につけた知識をまず自分や家族の健康づくりに生かすことであり、地域のために健康づくりのお手伝いをすることである。
    • 今後も一緒に活動する仲間を増やしていきたい。
  • レストランモンブラン 調理 山本 りつ子 氏
    • 健康づくりにお店としてかかわるようになったのは、平成22年3月に「新潟県健康づくり支援店」として登録して以来のことである。
    • その後平成26年には、保健所で開催した「ヘルシーメニュー検討会」に2回参加し、メニューの開発・商品化に携わった。
    • 平成27年にヘルシーメニューの提供につながり、その後減塩みそ汁のレシピ化も行った。現在も減塩みそ汁(だしをしっかりとる、海藻や野菜・根菜類など具を選ぶ、牛乳やヨーグルトを加えてコクを出す)は提供を続けている。
    • 平成29年には「かるしおdeランチ」の提供を経て、平成30年3月には「だしをきかせて適塩レシピ」の発刊にも協力した。
    • 平成30年度は、毎月19日の「食育の日」に「うおぬま適塩ランチ」(熱量650kcal前後、食塩相当量2.5g前後、野菜120g以上使用)を限定で販売提供している。
    • 近年お客さんの反応が変わり、薄味が受け入れられつつあることを実感している。これからも魚沼のおいしい食材で地域を元気にしたい。
  • 魚沼市立広神中学校 栄養教諭 佐藤 峰生 氏
    • 魚沼市内の学校給食の取組としては、平成28年度講演会や調理研修会により資質の向上に努めてきた。
    • 平成29年度は、調理員の研修会を実施した上で、2月19日に市内小中学校減塩統一献立として、給食だよりへの掲載や減塩給食の提供を行った。
    • 平成30年度は、すでに各学校で月に1回減塩メニューを取り入れているほか、12月17日(月曜日)に市内統一で減塩献立を実施する予定である。「食育だより」の各家庭への配布も行っており、ぜひ活用していただきたい。

5 シンポジウム「県魚沼地域の減塩対策の推進ーオール世代で挑戦!だしをきかせて適塩メニュー」の画像

 シンポジストの発表に対し、減塩給食への子どもたちの反応について質問がありました。薄味を気にする子どもは見受けられなかったとのことです。
 最後に高田先生からコメントしていただきました。
「食生活改善推進員の皆様の活動は、継続的であり、地域での大きな力となっている。
 東北地方で、『飲んだくれても減塩』という言葉・取組がある。外食産業・飲食店からの取組もさらに期待される。
 学校給食を通じた若い世代からの減塩に対する取組は大変重要。この魚沼では行政が関係組織と連携して取組を進めているところは大変貴重。今後も全国に向けて発信していただきたい。」

今後も新潟県魚沼地域では、減塩対策を推進していきます。

関連リンク

「国立循環器病研究センター」のホームページ<外部リンク>

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