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【魚沼】メンタルヘルスシリーズ第3回 「飲酒は適正ですか?」

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0061794 更新日:2021年9月3日更新

 皆さんは、どの程度お酒を飲みますか?


 令和元年国民健康・栄養調査(令和2年12月、厚生労働省公表)によると、飲酒習慣のある者(※)の割合は、男性が33.9%、女性が8.8%であり、年齢階級別では、男性40~69歳、女性は30~59歳の割合が高くなっています。
 (※)週3日以上飲酒し、飲酒日1日当たり1合以上を飲酒すると回答した者

 お酒は古来からお祝や会食など、生活や文化の一部として親しまれてきましたが、飲みすぎは生活習慣病を引き起こしたり、アルコール依存症となる危険性を高め、健康を損なうばかりではなく、社会への適応能力を低下させます。

 同調査によると、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者(※)の割合は、男性が14.9%、女性が9.1%であり、女性は平成22年以降増加傾向にあります。年齢階級別では、男性では40代、女性では50代の割合が高くなっています。
(※)男性:「毎日×2合以上」+「週5~6日×2合以上」+「週3~4日×3合以上」+「週1~2日×5合以上」+「月1~3日×5合以上」を飲酒している者
   女性:「毎日×1合以上」+「週5~6日×1合以上」+「週3~4日×1合以上」+「週1~2日×3合以上」+「月1~3日×5合以上」を飲酒している者


 このメンタルヘルスシリーズでは、ストレスが溜まっているときのサインとして飲酒量が増加することや不眠とアルコールの関係をお伝えしました。
 シリーズ第3回は、アルコールが心身等に与える影響を知り、適量で適正な飲酒について考えてみましょう。

1 アルコールが体内に入ると?

1 アルコールが体内に入ると?の画像 口から入ったアルコールは、胃から約20%、小腸から約80%が吸収され、血液に入り、全身に行き渡ります。そして、体内に入ったアルコールの大部分は肝臓で代謝されます。

 肝臓へと運ばれたアルコールは、アルコール脱水素酵素(ADH)などの酵素によってアセトアルデヒドに分解されます。
 アセトアルデヒドは、毒性の物質で、お酒を飲んだときに吐き気や頭痛、顔が赤くなるといった症状が出る原因の物質といわれています。

 その後、アセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の働きで酢酸に分解され、全身を巡っているうちに水と炭酸ガスに分解されて、尿や汗となって体外へ排出されます。

2 酔うってどういうこと?

2 酔うってどういうこと?の画像 アルコールを摂取すると、「酔った」状態になりますが、なぜこのような状態が起きるのでしょうか。

 血液の中にアルコールが入ると、アルコールが体内で循環し、脳へ到達して、脳の神経細胞に作用し、麻痺した状態が起きますが、これが「酔った」状態です。

 さらに、血液の中に入ったアルコールの濃度によって、「酔った」状態が変化していきます。飲めば飲むほど血中濃度は濃くなるので、脳の様々な部分に影響を及ぼし、感情が抑えられなくなったり、大きな声が出たり、千鳥足状態になったりします。

 お酒を飲むペースが速いと、血液の中のアルコール濃度が急に濃くなり、早く酔ってしまい、また、心身への障害が生じやすくなります。
 アルコール吸収のペースを緩やかにする、タンパク質や脂質を含んだ食べ物を食べながら、ゆっくりとお酒を飲むようにすると身体への負担を抑えられます。

3 アルコールの心身への影響

 適量を超えて多量のお酒を飲んでいると、身体に悪影響を及ぼします。
(ア)アルコールが通る消化器官の疾患
(イ)分解する肝臓の疾患
(ウ)アルコール摂取に伴うカロリー増加から肥満、中性脂肪の上昇、痛風、糖尿病、高血圧など
(エ)脳の萎縮が進行して、アルコール性認知症や小脳変性症など

 さて、メンタルヘルスシリーズ第2回で紹介しましたが、寝付きをよくするために飲酒をしていても、アルコールが体内で代謝されてくると睡眠が浅くなり、朝早く目が覚めたり、徐々に身体にアルコールの耐性ができ、酒量が増えて、アルコール依存症発症の危険性が出てきます。

 アルコール依存症は、飲酒のコントロールができなくなる病気です。「この辺でやめておこうか」と思っても、ブレーキが効かなくなります。
 お酒を飲み続けたいという欲求を満たすために、以下のような症状(行動)が見られるようになってきます。

  1. 3 アルコールの心身への影響の画像頭痛、不眠、イライラ感、神経過敏、発汗、手指や全身の震え、けいれんなどの離脱症状(禁断症状)が出る。
  2. 禁酒や節酒をしたいとは思っているが成功しない。
  3. 飲酒することへの言い訳や理由付けを述べる。
  4. 飲酒等が原因で家族や友人との関係が上手くいかなくなる。
  5. 仕事中などの飲んではいけない状況で隠れて飲酒する。
  6. 飲酒による身体的・精神的なダメージがあることを理解しながらも飲酒が続く。

 アルコールは、大麻や覚醒剤と同じような依存性の薬物です。アルコールに対する身体依存ができあがると、気持ちで「やめよう」と思っていても、身体がアルコールを欲してとめられない状況になっているのです。
 さらに、適切な治療をせず放置しておくと、調節のきかない飲酒行動により周囲の人をも巻き込み、身体的・精神的・社会的・経済的な状態が悪化し、そのような不安定な状態のときに飲酒をすると感情のコントロールが鈍くなり、最悪の場合、自殺に至る危険性もある病です。

 アルコール依存症に気づいた場合、患者さん本人に治療意欲があれば、まず専門病院への受診や、地域の断酒会やAA(アルコール・アノニマス=酒害者匿名会)へ参加しましょう。
 本人に治療意欲がない場合や本人が気づかない場合は、アルコールの飲み方に問題がありと気づいた人が、地域の保健所、断酒会、AA、アルコール専門クリニックや精神科病院などの窓口へ相談してください。

4 適正飲酒10か条を守ろう

4 適正飲酒10か条を守ろうの画像 心身の病気になる前に、自分の飲酒量は適量か、今一度振り返ってみましょう。


 健康日本21(厚生労働省、2000年)によると、「節度ある適度な飲酒」は、一日平均純アルコールで約20g(お酒1単位)とのことです。
 お酒1単位とは、ビールであれば中瓶1本(500ml)、日本酒であれば1合(180ml)、焼酎であれば0.6合(約110ml)、チューハイ7%であれば350mlをいいます。


 アルコールの代謝能力は個人で異なるため、お酒1単位が必ずしも適量とは言えません。女性や高齢者、アルコール分解能力の低い人(少量のお酒で顔が赤くなる人)はより少ない量(半量程度)にしましょう。

 

 自身の適度な量を正しく飲むことが、健康には必要なことです。
 飲酒機会の多い時期には、公益社団法人アルコール健康医学協会が唱える「適正飲酒10か条」をぜひ頭において、健康的にお酒を楽しみましょう。

適正飲酒10か条

  1. 談笑し、楽しく飲むのが基本です。
    適量のお酒は楽しい気持ちを増加させたり、緊張感を和らげたりとストレスを解消する効果があります。
    家族や友人とともに語り合ったり笑ったりしながら、お酒の味とその場の雰囲気を楽しんで上手に飲みましょう。
  2. 食べながら適量範囲でゆっくりと
    少量のお酒を食前に飲むと胃液の分泌を促し、食欲増進の効果がありますが、空腹状態でたくさんのお酒を飲むと、胃粘膜を荒らし、また、アルコールが吸収されやすいため、急激に血液中のアルコール濃度があがり、様々な障害が起こりやすくなります。
    お酒を飲むときは、栄養バランスのとれたおつまみを食べながら、ゆっくり飲むように心掛けましょう。
  3. 強い酒、薄めて飲むのがおススメです
    アルコール度の強いお酒は、のどや胃腸の粘膜に強い刺激を与え、繰り返すことで喉頭がんや食道がんの原因になることもあります。
    強いアルコール飲料は薄めて飲むのが体に優しいといえるでしょう。
  4. つくろうよ 週に2日は休肝日
    アルコールは、肝臓で分解処理され、体外に排出されます。1合の日本酒を分解するのに平均3時間前後かかると言われています。お酒を飲んだ後、就寝している間も肝臓は黙々と働いています。
    毎日に飲酒することは、肝臓を毎日連続して酷使することになり、肝臓が悲鳴をあげてしまいます。
    週に2日は「休肝日」を設け、肝臓をゆっくり休ませましょう。
  5. やめようよ きりなく長い飲み続け
    長い時間のみ続けると、自分の適量を超えて酒量が増えてしまい、二日酔いの原因となります。
    ほどほどの時間で切り上げるようにして、節度ある飲み方を心掛けましょう。
  6. 許さない 他人(ひと)への無理強い・イッキ飲み
    人にはそれぞれ合った酒量とペースがあるのです。無理強い・イッキ飲みを強要せず、一緒に飲む人たちみんなが楽しく飲めるような配慮をすることこそ、最高のもてなしです。
  7. アルコール 薬と一緒は危険です
    アルコールと薬が体内で一緒になると、薬の作用がなくなったり、逆に強く現れたりします。
    鎮痛剤や風邪薬と一緒に飲むと胃潰瘍を起こしやすくなります。糖尿病の薬と一緒に飲むと昏睡などの低血糖発作が起き、危険な状態になります。
    薬と一緒に飲酒することのないよう十分に注意しましょう。
  8. 飲まないで 妊娠中と授乳期は
    飲酒をすると、妊娠中は胎盤を通して胎児に、授乳中は母乳を通して赤ちゃんにアルコールが運ばれ、胎児や赤ちゃんも飲酒をした状態になります。
    妊娠中や授乳期はお酒を飲むのは止めましょう。また、妊娠を意識し始めたら飲酒は控えるようにしましょう。
  9. 飲酒後の運動・入浴 要注意
    飲酒後に運動すると血液の循環が速くなり、すぐに酔いが回ってしまうため、平衡感覚が崩れ、運動中に予期せぬ事故を起こしてしまう可能性があります。
    また、飲酒後の入浴も血圧の上昇を招き、脳卒中を起こす危険性があります。飲酒後の運動や入浴は控えるようにしましょう。
  10. 肝臓など 定期健診を忘れずに
    大量の飲酒を長い間続けると、肝臓に負担を掛けることになります。脂肪肝から肝炎、肝硬変と進んでいっては大変です。
    お酒を飲む人は定期的に肝機能等の検査を受け、その健康状態を確かめることが必要です。
    自分のアルコール量が適量であるかどうか知るためにも、飲酒に関わりのある臓器の検査を受けて、自分の健康を定期的にチェックするようにしましょう。

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