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新潟県ホーム の中のUターン・Iターンの中の【十日町】十日町市に移住し起業されている髙木千歩さんをご紹介します。
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【十日町】十日町市に移住し起業されている髙木千歩さんをご紹介します。

2015年04月06日
 平成23年10月に地域おこし協力隊員として十日町市に移住後、定住して十日町市内に「ALE beer&pizza」をオープンさせた髙木千歩さん。ご両親の故郷である十日町市には小さな頃から何度も訪れ、ご自身も「故郷」と感じられる所だったそうです。移住を決意した背景、移住してみての感想、それから起業に関するお話をお聞きしました。

「故郷」と感じる所に貢献したい

 移住を考えたきっかけは東日本大震災です。当時、東京で会社員をしていました。発生直後に外を見ると、東京タワーが傾き、お台場方面で煙が上がっていたのを覚えています。オフィス内も棚が倒れ、エレベーターホールはスプリンクラーの誤作動で水浸しでした。
 同僚と一緒に、ワンセグ放送を見ていると、福島原発の事故、都内の混乱、津波が押し寄せる状況などが分かり、「本当に日本で起きていることなのか」と信じられない気持ちになりました。同時に、自分がやっている仕事が、本当にやりたいことなのかという疑問もわいてきました。
 さらに翌12日未明、長野県北部地震が発生したのですが、報道がほとんどなく、安否確認のため十日町市の親戚等に電話をかけてみたものの繋がらず、十日町市も被災地になったのだと直感しました。この時、自分が「故郷」と感じている所に貢献したい思いが強まり、移住を考え始めました。

お店の外観

偶然の出会い

 移住を決意した決定的な出来事は、平成23年7月新潟・福島豪雨です。この時も報道が少なく、様子を知ろうと十日町市の公式サイトを見たら、地域おこし協力隊の募集を目にしたのです。協力隊のことを知ったのは、このときが初めてでしたが、すぐにピンときました。自分がやりたかったのは、こういうことなのだと。
 今にして思えば、ずいぶん思い切った行動だったと思いますが、すぐに会社に辞表を提出し、応募しました。無事、試験に合格し、平成23年10月から十日町市地域おこし協力隊員として勤務することとなりました。

店内の様子

飛渡(とびたり)地区担当の隊員になる

 飛渡地区に配置され枯木又地区の担当となりました。当初から、この地域に定住するにはどうするかを考えながら活動し、十日町の農産物の物流で、どうにか仕事につなげられないかと考えていました。
 人々の顔を覚え、自分の顔を覚えてもらうことから始め、先輩隊員の多田朋孔さんや飛渡地区内の生産者の皆さんといっしょに「食と農を考える飛渡の会」を立ち上げました。平成24年の春に直売所を開始し、山菜の販売から始め、秋野菜までの販売を行いました。この年は大地の芸術祭の開催年だったこともあり、100万円ほどの売上げを得ることができ、地元のお年寄りも喜び、地域が活気づいたと思います。
 翌年の春からは、さらに野菜などを市内の飲食店に納入する取組を始めました。飲食店で発生した野菜くずを使って堆肥を作り、その堆肥で野菜を育てるという循環を作ろうと取り組みました。

「食と農を考える飛渡の会」パンフレット

隊員時代を振り返ってみると

 隊員時代を振り返ると、生まれて初めて家の周りをホタルが飛ぶ様子を見ました。周りに明かりがないから、空を見上げると、とにかく星がきれいでしたし、カエルの大合唱の中で寝る経験もしました。
 それから、タヌキ、カモシカ、テン、ノウサギなどの野生動物を、ごく普通に見かけました。人間が自然の中に間借りしているのだということを考えさせられました。

旧枯木又分校

移住して感じる楽しさ

 小さい頃、お盆や正月に(ご両親の実家のある)十日町に遊びに来た時の思い出、例えば山や川で遊んだ時に感じた楽しさが、移住のベースにあると思います。自分は十日町市出身ではないので、客観的にはIターンなのですが、気持ちはUターンです。
 よく言われるように、豪雪の中で暮らすのは大変です。しかし、私自身、スノーボードが好きで、ゲレンデまで車で30分という環境は、本当に恵まれていると感じますし、家の周りを除雪しながら、ゲレンデの(素晴らしい)雪質を想像してわくわくすることもあります。大変なこともありますが、ここでの生活は楽しいと感じています。

ビールを注ぐ髙木さん

地産地消を目指して起業

 以前から、この地域の食材の良さは知っていて、通販などで販路を広げることを考えていましたし、隊員活動を通じて、十日町市(飛渡)の食を使って何かしたいという思いが強くなったのですが、3年の任期内で、自活できるレベルまで上げていくことは難しいとも感じていました。
 自分がやれることを突き詰めて考えた結果、お店を開いて地域の食材の良さを紹介しながら、地元貢献をしたいと思うようになりました。
 開店は平成26年4月20日ですが、準備は平成25年当初から始めていました。準備期間は1年3か月ほどです。
 自分がやりたいのは「地産地消」。店では妻有ポークや地元で採れた野菜など地元食材にこだわり、協力隊のネットワークも活用して飛渡のほか、松代、松之山、津南、小千谷などから食材を入手しています。
 また、ジャガイモは、ほぼ100%十日町産でまかなえています。さらに冬には冬の作物、例えば里芋を使うなど工夫していますし、最近では、農家の方に頼んで欲しい野菜を作ってもらうこともしています。それによって(耕作放棄にならず)畑作を続けてもらいたいとも考えています。
 十日町に来られた際には、ぜひ店をのぞいてみてください。

店内の様子