新潟県内の各地からお伝えする「ふるさとレポート」の8月前半号は、十日町地域振興局の宮崎と高野が担当します。
3年に一度の芸術の祭典、第4回「大地の芸術祭」が開催中です。
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真夏の空のもと、7月26日から9月13日までの50日間にわたり、越後妻有の全域(面積760平方キロ)で、第4回「大地の芸術祭」が開催されています。 大地の芸術祭は10年前の2000年に初めて開催されました。当時はまだ「平成の市町村合併」の前で、第1回の芸術祭は旧十日町市、旧川西町、旧中里村、旧松代町、旧松之山町、津南町の6市町村が共同開催しました。
6市町村は共に過疎化と高齢化が進む中山間地を抱えていました。この共通の課題に対して6市町村と新潟県そして北川フラム氏が協働し、「ニューにいがた里創プラン」のひとつとして、アートによる地域振興を掲げ、後の「大地の芸術祭」を含む「越後妻有アートネックレス整備事業」が動き始めました。当時としては6市町村という広域を範囲とし、文化振興による地域振興を目指すという事業は画期的なものでした。
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大地の芸術祭が生み出したもの
芸術祭は当初、様々な困難もありましたが、「こへび隊」(学生や社会人を中心とした大地の芸術祭サポーター)をはじめとする応援団の地道な活動のもと、少しづつ成長し地域に浸透していきました。その歩みは現代社会のスピードに比べると遅い足どりだったかもしれません。でも、一歩一歩を着実に自らの足で歩みました。
それは、自分たちの身の丈に合った成長の速度であり、地に足の着いた成長でした。だからこそ10年もの間この歩みは止まらずに進んでいます。
そして、歩みの中で、「こへび隊」に代表される地域、世代、ジャンルを超えた人々の「協働」が生まれ、その輪は拡大し、個人としてだけでなく、組織として大学等の教育機関との連携も生まれました。
その中で集落の人達の自信、じいちゃん、ばあちゃんの笑顔が戻ってきました。また、多くの方からいただいた元気を少しづつお返ししようという試みがはじまりました。
今年は十日町市が補助する「おもてなし事業」に68もの団体が参加し、週末やお盆を中心に集落独自のおもてなしを行います。今回は集落のみなさんのおもてなしの例を取材してきました。
みんな来ねぇか「のっとこい」
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十日町市枯木又は中心市街地から車で30分弱の山の中にあります。 この地では集落の思い出のシンボルである、廃校となった中条小学校旧枯木又分校を軸に、京都精華大学が「枯木又プロジェクト」を展開します。
「廃校となってからは盆踊りやお祭りに使う程度で、将来的な校舎の維持などについては不安がありました。そんなときに大地の芸術祭への参加の誘いがあり、建物の維持や交流による地域の活性化などから芸術祭に参加することにしました。」 と語るのは、地元で農業を営まれている山田栄さんです。
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「多くの方から来ていただけたら嬉しいです」 (山田栄さん)
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山田さんは集落の方々と協力して、校舎から車で数分のところにある集落の交流施設「のっとこい」を使い、地元で採れた古代米の黒米を練り込んだ「黒米そば」でおもてなししたいと考えました。 そば処「のっとこい」は、開催期間中の土・日とお盆の14日、15日、16日にオープンします。
この古代米は山田さんが中心となり栽培をされたそうです。現在は古代米といっても改良種が主流となっていますが、ここでは本物の古代米にこだわって敢えて収量の少ない原種を栽培されています。栽培にあたっては化学肥料を使わず、山田さんが営んでいる養鶏場から出る鶏糞を使用して地元で作った肥料を使っています。全てがこの集落のもので出来ているわけです。
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古代米の黒米原種
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「黒米そばを食べていただいて、一人でも多くの方に枯木又の魅力を伝えたいですね。」とおっしゃっていました。こういった交流により、地域に活気が生まれてれてきています。
(お問い合わせ先)交流施設「のっとこい」 場所:十日町市中条枯木又 電話番号:025-759-2326 おもてなし実施日:芸術祭開催期間中の土・日と、8月14日、15日、16日 実施時間:11:00-13:00 枯木又プロジェクトの位置(越後妻有アートナビ)
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黒米そば(500円) 天ぷら(300円)
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うぶすなの家レストラン
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交流が盛んになっても、それだけでは地域の再生にはならないでしょう。地域が再生するためには定住する人が増えなければなりませんし、そのためには、その地で生計をたてなければなりません。その答えのひとつとして、次に紹介するレストランがあります。
うぶすなの家は2006年の芸術祭で、大正時代の古民家に8名の陶芸家が作品を展示し「活きたやきものの美術館」として再生しました。このとき同時に1階には農村レストランがオープンしました。
うぶすなの家がある願入集落は全戸数がわずか5戸という過疎化した集落です。レストランのまとめ役の水落静子さんはこんな風に話してくれました。
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うぶすなの家の水落静子さん
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「最初はこんな山奥にお客さんが来るのかと半信半疑のところもあったのですが、素晴らしい作品のおかげで私達の想像以上の方から来ていただいています。
この夏のお食事は3つのメニューになりました。地元の妻有ポークと山菜を使用した「山菜餃子定食」、妻有ポークの蒸し豚がメインの「山地ごっつぉ定食」、「夏野菜のカレー」です。お食事の他にも手作りの豆乳アイスや、作家さんの作った茶碗でいただく抹茶などもあります。 食材は地元産のものを最大限使用し、足りないものは県内産のものを使ってできる限り地産地消を心がけています。 お米なんかが足らなくなると、どこの誰となく『うちのお米持って来るわよ』なんていう感じで、みんなで助け合いながらやっています。
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山菜餃子定食(1,000円)
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決して豪華な食材を使ってもいませんし、一流の料理人が作るわけでもありません。私達には手を抜かずに作ることしかできないです。」 そんな飾らない雰囲気がうぶすなの家の魅力を一層引き出し、「和」の空間が作り出されています。レストランの収入はまだ生計が立つところまではいきませんが、大切な収入源となっています。 レストランの繁盛や地元野菜などの販売をとおして生計をたてられるようになれば、集落に活気と人が戻ってくる日も遠くないでしょう。女衆の挑戦は始まったばかりです。
(お問い合わせ先)うぶすなの家 場所:十日町市東下組(願入) 電話番号:025-755-2291 芸術祭開催期間中は毎日営業(10:00-17:30 食事は11:00-14:00) 人気のためたいへん混雑が予想されます。電話でのお問い合わせをおすすめします。 うぶすなの家の位置(越後妻有アートナビ)
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山地ごっつぉ定食(1,000円) ご飯・味噌汁・小皿は上と同じです
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「Human Beings Are a Part Of Nature」
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大地の芸術祭の一貫したテーマは「人間は自然に内包される」です。 『太古、生物は海で生まれ、自然というゆりかごの中で種を増やし、形を変えて進化してきました。しかし、私達は長い間このゆりかごから抜け出そうとしていました。 そんな現代人に大地の芸術祭は一石を投じます。芸術祭の舞台となる越後妻有は経済的発展という点からみれば、ともすると取り残されてきた土地かもしれません。しかし、それ故に豊かな自然が多く残されています。そして、自然とともに歩んできた人々の生活が残っています。 松代、松之山の棚田、津南町秋山郷の石垣田、いずれも人の手によって作られたものです。にもかかわらず周囲の自然に溶け込み、自然と共生しています。それは田が自然の恵みを享受する場であり、田をつくる人間もそのことを忘れていないからです。』
これが大地の芸術祭の基本理念とされるものです。 そんな地を作品から次の作品へと巡る中で多くの自然美を目にし、現代人が失いかけたものを取り戻すことができるのではないでしょうか。大地を巡るこの旅は「21世紀のお遍路さん」と言えるかもしれません。
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(レポーターから) 現代アートの作品をこの妻有地域で見ることができるばかりでなく、そばを始めこの地域ならではの美味しいものがたくさんあります。こへび隊と地域の皆さんが笑顔で迎えてくれる芸術祭にぜひおいでください。 (十日町地域振興局企画振興部 宮崎)
取材をしながら車窓から見える里山の風景は、まるで宮崎アニメの世界のように、ちょっと恐ろしくて、凛々しくて、優しい、でもなぜだか懐かしい風景でした。そして、里山を巡る旅は作品や作家さんや集落の人達との出会いの旅でした。 芸術祭の会期中にはまだまだ多くの作品や集落で様々なワークショップやイベントが開催されます。あなたも、夏の思い出に越後妻有に出会ってみませんか。 (十日町地域振興局農業振興部 高野)
8月後半になると混雑が予想されます。比較的すいている8月前半のうちにぜひどうぞ。
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7月26日の開会式
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お問い合わせ先
芸術祭作品と妻有の道案内は「越後妻有アートナビ」
第4回大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009
会期:2009年7月26日(日)~9月13日(日)
開催地:越後妻有地域(新潟県十日町市、津南町)
主催:大地の芸術祭実行委員会
(名誉実行委員長)新潟県知事 泉田裕彦
(実行委員長)十日町市長 関口芳史 (副実行委員長)津南町長 小林三喜男
(総合プロデューサー)福武總一郎 (総合ディレクター)北川フラム
共同主催:NPO法人越後妻有里山協働機構
「大地の芸術祭」の展示作品、イベント鑑賞に関するお問い合わせは
大地の芸術祭の里 総合案内所(NPO法人越後妻有里山協働機構)
場所:〒942-1526 十日町市松代3743-1 まつだい農舞台内
電話:025-595-6688
業務時間:芸術祭期間中の毎日 9:00-18:00
まつだい農舞台の位置(越後妻有アートナビ)
「大地の芸術祭」に合わせた見どころ、食べどころ、旅行案内は
大地の芸術祭 十日町駅西口案内所
場所:〒948-0073 十日町市丑251-7 ほくほく線十日町駅案内所内
電話:025-752-7714
業務時間:芸術祭期間中の毎日 9:00-17:00
ほくほく線十日町駅案内所の位置(越後妻有アートナビ)
このほか現地での情報集め、見どころ案内、芸術祭チケット・グッズのお買い求めは
十日町駅東口案内所(十日町商工会議所1階)
下条案内所(下条温泉みよしの湯1階)
十日町トリエンナーレセンター(越後妻有交流館キナーレ)
川西トリエンナーレセンター(仙田体験交流館キラリ)
中里トリエンナーレセンター(なかさとUモール2階)
松代トリエンナーレセンター(まつだい駅ふるさと会館)
松之山トリエンナーレセンター(森の学校キョロロ駐車場)
津南トリエンナーレセンター(津南町観光協会となり)
各エリア内の詳しい案内図や最新情報を揃えてお待ちしています。作品鑑賞の前にぜひお立ち寄りください。
業務時間:いずれも芸術祭期間中の毎日 9:00-17:00
「大地の芸術祭」に関する報道、行政機関からのお問い合わせは
大地の芸術祭実行委員会 事務局(十日町市芸術祭推進室)
場所:〒948-0082 十日町市本町2丁目 十日町市本町分庁舎4階
電話:025-757-2637
業務時間:8:30-17:00(芸術祭期間中は毎日対応)
十日町市本町分庁舎の位置(越後妻有アートナビ)
十日町地域振興局は、大地の芸術祭実行委員会のサポートメンバーです。
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