ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 新潟県水産海洋研究所 水産・研究情報 > 珍しい魚(令和元年11月25日) ヒラアシクモガニ

本文

珍しい魚(令和元年11月25日) ヒラアシクモガニ

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0263704 更新日:2020年3月13日更新

ヒラアシクモガニ(十脚目クモガニ科)

ヒラアシクモガニ背面
ヒラアシクモガニ(背面)

ヒラアシクモガニ(腹面)
ヒラアシクモガニ(腹面)

水産海洋研究所撮影

甲長(額角基部前縁~甲後縁中央)23.4mm 甲長(眼窩後縁~甲後縁中央)21.1mm
甲幅27.0cm 体重9.1g オス

特徴

学名:Platymaia alcocki

  • 甲はやや横長。額に3棘あり、中央の棘がやや長い。眼窩上縁の後方に棘は無い。
  • はさみ脚は雄では長く、掌部がふくらんでいるが、歩脚より短い。
  • 歩脚は4対とも長く、平たい。特に後3対の前節と指節は扁平。
  • 第2~4歩脚では前節が幅広く毛で縁取られている。
  • 甲長27mm、甲幅32.5mmくらい。

採捕の状況

 令和元(2019)年11月25日に、新潟漁業協同組合岩船港支所所属の板びき網漁船により採捕された。

分布など

 東京湾から九州西岸、新潟県、石川県、鳥取県、インド洋。生息水深は180~750m(Honma & Kitami 1978, 伊藤・本間2001, 本尾2014, 武田ほか2011)。

その他

  • 本標本は、甲がやや横に広い円形であること、額の中央の棘が著しく長くないことで、ヒラアシクモガニ属Platymaiaのうち、ヒラアシクモガニとヒラアシクモガニモドキに一致する。さらに、本標本は、眼窩上縁の後方に棘が無いことで、ヒラアシクモガニの特徴に一致する(ヒラアシクモガニモドキには棘があり、異なる)ことから(酒井1976)、本種と同定した。
  • 本種は太平洋側では採捕されることは珍しくないが、日本海側におけるこれまでの報告例は少なく、新潟県佐渡、石川県、鳥取県のみである。したがって本標本は日本海における4番目の記録であるとともに、新潟県における2番目の記録となる。

(中尾令子・池田 怜)

「持ち込まれた魚(3)」(平成27年3月以降)へ
「持ち込まれた魚の一覧」へ戻る

<外部リンク> 県公式SNS一覧へ