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研究成果詳細解説 水稲早生 糯品種 「ゆきみらい」 の育成

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0408214 更新日:2021年7月12日更新

水稲早生 糯品種 「ゆきみらい」 の育成

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 作物研究センターで育成した水稲早生糯品種、「ゆきみらい」について紹介します。
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  「ゆきみらい」育成の背景及びそのねらいについて説明します。
 本県で栽培されている主な早生糯品種は「わたぼうし」と「ゆきみのり」ですが、「わたぼうし」は、墨黒穂病の発生が多く、「ゆきみのり」は割れ籾による種子資質の低下や斑点米の多発、玄米品質の低さによる格落ちが問題となっています。これらの問題を解決するため、早生多収糯品種の「ゆきみらい」を育成しました。
 続きまして、 「ゆきみらい」の系譜について説明します。
  「ゆきみらい」は平成7年に東北糯161号を母親、「わたぼうし」を父親に用いて人工交配した後代から育成された品種で、令和3年度の世代はF26になります。
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  「ゆきみらい」の品種特性について説明します。
 早晩性は早生です。草型は偏穂重型になります。作物研究センターで中苗を5月中旬に移植した場合、出穂期は7月22日で「わたぼうし」より3日、「ゆきみのり」より1日早くなります。成熟期は8月28日で「わたぼうし」より1日早く、「ゆきみのり」より1日遅くなります。
 稈長は71cmと短く、「わたぼうし」より4cm、「ゆきみのり」より8cm短稈です。
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 耐倒伏性はやや強、穂発芽性はやや易、障害型耐冷性は中です。
 割れ籾率は「わたぼうし」よりやや低く、「ゆきみのり」より低いです。
 墨黒穂病の発生は「わたぼうし」より少なく、「ゆきみのり」と同程度です。
 いもち病抵抗性は葉いもちがやや強ですが、穂いもちは弱のため注意が必要です。
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 次に収量、千粒重、品質、米菓加工性について説明します。 
 標準肥における収量は56.5kg/aで「わたぼうし」や「ゆきみのり」と同程度です。多肥における収量は69.4kg/aで「わたぼうし」や「ゆきみのり」よりやや多収となります。
 千粒重は24.5gと大きく、「わたぼうし」より1g以上、「ゆきみのり」より4g程度大きくなります。
 玄米品質は「わたぼうし」と同程度で、「ゆきみのり」より優れます。
 米菓加工性は「わたぼうし」や「ゆきみのり」と同等です。
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  「ゆきみらい」の特徴と利点についてまとめます。
 成熟期は8月末の早生品種です。
 割れ籾率は「ゆきみのり」より低く、割れ籾が問題となることはないと考えます。
 墨黒穂病の発生は「わたぼうし」より少ないです。
 収量は多肥条件では「わたぼうし」や「ゆきみのり」よりやや多収となります。
 千粒重は大きく、24.5gにもなります。
 品質は「わたぼうし」と同程度で「ゆきみのり」より優れます。

 最後に留意点とその対策について述べます。
 葉いもち抵抗性はやや強ですが、穂いもち抵抗性は弱のため、いもち病の発生には留意し、防除を徹底して下さい。
 障害型耐冷性が中のため、冷涼な標高400mを超える高標高地での栽培はおすすめできません。
 穂発芽性がやや易なので、刈遅れた場合、発芽による品質低下の可能性があります。適期収穫を心掛けて下さい。
 成熟期は8月末と早生熟期ですが、出穂期は7月中下旬の極早生期になります。そのため、スズメの食害を受けやすく、スズメの多い場所での作付けを避けたり、栽培の団地化により、被害集中を避けるようにしてください。
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