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【コロニー】H28年度 全体研修会

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0058704 更新日:2016年12月1日更新

応用行動分析学(ABA)による行動障害へのアプローチ研修会(平成28年度全体研修会)

開催期日

 平成28年11月28日(月曜日) 9時20分~16時45分

会場

 新潟県自治会館 講堂

参加者

 134事業所 178名 (協会加盟外事業所含む)

研修内容

  • 講義 「応用行動分析学入門 応用行動分析学(ABA)の基本的理解」
    講師 新潟大学教育学部 教授 有川 宏幸 氏
  • 演習 「ABAにおける記録のとり方と施設内で取り組んでいくための工夫」
    講師 太陽の村 大澤 紀樹 氏
  • 実践報告1「ABAを用いた行動障害のある障害者への支援の取り組み」
    • 座長 新潟大学教育学部 教授 有川 宏幸 氏
    • 報告者 ワークセンター日和山 須佐 祐一 氏
      いずみの里 佐野 ゆかり 氏
    • 助言者 十字園 高橋 保江 氏
      相談支援事業所ふなおか 山村 豊 氏
  • 実践報告2「ABAを広めるための地域での取り組み」
    • 座長 新潟大学教育学部 教授 有川 宏幸 氏
    • 報告者 かなやの里更生園 大島 友一 氏
      太陽の村 細井 聡仁 氏

概要

 障害者虐待を防止する上で、支援者のさらなる専門性の向上は重要であり、とりわけ行動障害への対応力を高めるためには、障害特性を踏まえた行動評価と共通の視点を持ったチーム支援が不可欠です。平成28年度の全体研修会は、「応用行動分析学(ABA)」によるアプローチを理解し、質の高い支援を提供することを目的として実施しました。ABAをテーマとした全体研修会は新潟県知的障害者福祉協会との共催で平成25年度から始まり、今年で4年目になりますが、毎回定員を大幅に上回る受講希望が寄せられており、関心の高さが窺われます。

壇上で応用行動分析学(ABA)について講義する講師の写真

 午前中は「応用行動分析学(ABA)の基本的理解」と題して、新潟大学教育学部の有川宏幸教授からABAに関する基礎知識についてご講演いただきました。有川教授は常々「ABAは問題行動を減少させることが目的ではなく、その人がその人らしい豊かな生活を送れるよう支援するための手段である」とお話しされます。またその手段は、支援現場で実践してこそ活きるものだと。
 研修を共催した新潟県知的障害者福祉協会では、有川教授の理念に基づき、支援現場でABAを活用できる人材と組織を育成するために平成26年度から少人数を対象とした連続講座を開催しています。今回の全体研修会では、連続講座を受講した方々から、3つのテーマで講演していただきました。
 まずはじめは、第1回の連続講座受講者である大澤氏より、行動の分析に欠かせない記録の取り方について個人ワーク形式で実践的にご指導いただきました。ABAはデータの収集にかかる負担が大きいため継続しにくいという欠点があります。大澤氏からの提案は日常の支援記録をそのままABAの分析に利用できるよう工夫するものであり、各事業所でABAを継続させる大切な第1歩となります。

実践報告の場面での座長、報告者、助言者と報告を聞く受講者の写真

 次に、今年度(第3回)の受講者とその受講者を補佐した第2回受講者二組による実践報告を行いました。報告から共通して言えるのは、ABAによるアプローチ実施後の利用者と職員との関係性の向上ではないかと思います。記録や行動の分析から始まり、職員が一丸となって統一した支援を図ることにより問題行動が変容していく過程で、職員一人一人が改めて利用者に向き合って関係性を構築していく様子が、二組の発表から伝わってきました。利用者が望む生活の実現に向けて支援者自身の意識や姿勢が変わっていくことは、そのまま利用者の権利擁護に繋がるのだと思います。
 最後は、第1回受講者である大島氏と細井氏に、連続講座で培った知識と経験をより多くの支援者に伝え、行動障害を持つ方々を地域で支える取り組みを行っている様子を紹介していただきました。大島氏は上越市、細井氏は新潟市の活動を紹介してくださいましたが、ABA普及啓発の取り組みが協会の連続講座や全体研究会にとどまらず、県内の各地域に広がっていく様子を聞き、この活動が次のステップに入っていることを感じました。

 ABAは分析の手法であって、問題行動の解決策(支援方法)を明確に提示するものではありません。そのため、他のいくつかの理論や手法と組み合わせることでよりよい支援に繋がります。また今年度協会で立ち上げた権利擁護・虐待防止委員会での検討内容なども踏まえ、今後も障害者の権利擁護及び虐待防止に向けた活動に取り組んでいきたいと思います。

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