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森林研究所たより 2019年度の試験研究(林業にいがた2019年4月号記事)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0125186 更新日:2019年6月29日更新

試験研究課題は、林業関係者などからの要望や林業行政推進上の技術的課題について、必要性、緊急性等の観点から、普及・森林研連絡会議、試験研究事業連絡協議会(林業)、県農林水産技術会議研究企画委員会を経て決定されます。

2019年度の試験研究課題は、15課題(そのうち新規課題が8)の予定です。

1 主な新規課題

  1. 「新潟県産スギ心去り平角材の利用技術の開発」
    スギ人工林の長伐期化により生産される丸太が大径化しています。そのため、平成29~30年度に心持ち材と比較した心去り正角材の強度特性、乾燥特性、変形の軽減技術の検討を行いました。今年度からは引き続き、心去り平角材について、乾燥技術の開発や強度特性調査を行います(写真1)。
  2. 「菌床きのこの有機栽培技術の確立」
    平成29年の有機JAS規格の改定により、これまで原木栽培のみが対象だったきのこに、菌床栽培が加わりました。そのため、差別化による有利販売のために有機栽培を望む生産者は多いものの、主流の培地組成とは異なる上に使用できる資材が限られているため、生産性などに不安があります。そこで、有機栽培に対応した菌床培地の生産性や栽培技術の解明を行います。
  3. 「ブナを活用した多雪地の造林技術の開発」
  4. 「ブナ苗木生産技術の開発」
    林業経営に適さないスギ人工林では、公益的機能を維持しつつ、多様な木材需要に対応した針広混交林や広葉樹林へと転換する必要があります。
    しかし、スギ林を間伐して林床を明るくしても発生する木本植物は先駆性樹種が多いため、植栽による確実な広葉樹の導入が必要になります。植栽する樹種は、広葉樹の中でも多雪地の主要樹種であり、スギや他の広葉樹と混交が可能なブナが適しています。

そこで、スギ林内に植栽したブナ苗木の成育状態や成長に最適な光環境の解明を行います。

また、ブナは種子の豊凶の差が激しく、苗木の安定供給が困難な樹種です。そのため、苗木の成長をコントロールし、毎年決まったサイズの苗木を作る技術を開発します(写真2)。

2 研究成果発表会等

昨年度の研究成果発表会は、「無花粉スギの普及拡大に向けた課題と取り組み」として講演と関連する発表一題、公表成果発表を4題行いました。また、例年と同様に10月第1土曜日に一般公開を行う予定です。多くの皆様からのご参加をお願いします。

写真1 心去り平角材の画像
写真1 心去り平角材

ブナ苗の生産状況の画像
写真2 ブナ苗の生産状況

森林・林業技術課 武田 宏

 

 

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