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今どきの、猫の飼い方【新潟県動物愛護センター】

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0057400 更新日:2021年3月6日更新

よりよい猫との生活を楽しむために

 近年、猫を家族の一員として飼育しているご家庭も大分多くなってきました。インターネット上の動画サイトではかわいい猫の動画の閲覧数が上位を占めており、テレビでも猫の特集を多く見かけるようになりました。今や猫は人にとって「癒やし」「喜び」の存在となっており、ただ一緒にいるだけで穏やかで安らぎのある時間を与えてくれます。愛護センター等から猫を迎えてくださる方も多く、年々譲渡数も増加しています。
 一方、センターには、猫に関する苦情や相談も毎日のように寄せられています。
 ペットの終生飼養は飼い主の責務です。猫の特性、習性を知り、適正に飼育することにより、猫と人がよりよく共生できる社会になるよう、ぜひ「今どきの、猫の飼い方」について、多くの方に知っていただきたいと思います。


今どきの猫チラシ [PDFファイル/1.88MB]

猫の飼い方教室 [PDFファイル/606KB]

 

1 今どきは、完全室内飼育

 「猫は外に出してあげないとかわいそう」と思う方も多いと思いますが、猫は狭いなわばりでもストレスなく生きていける動物です。猫を室内飼いする家庭は増えていますが、猫がストレスを感じて病気になったという話はなく、問題なく順応できています。
 登り降りの運動ができる場所と窓の外が見える環境を用意してあげましょう。また猫が好む爪とぎを用意すれば家具が傷つけられることもありません。最近の飼育用品は進化しており、トイレの始末も簡単です。脱臭効果のあるものも多く家の中で飼っていてもフン尿の臭いがほとんどしなくなりました。猫は大変きれい好きな動物です。トイレはこまめに掃除をしてあげてください。
 外に出る猫は、交通事故や病気のリスクが非常に高く寿命は室内飼育の半分くらいとも言われています。また公共の場所でのフン尿や物を壊すなどのご近所トラブルの原因にもなります。

完全室内飼育

室内飼育のメリット

  1. 交通事故の防止になる
  2. フン尿や鳴き声で近所迷惑になることがない
  3. ケガや伝染病の予防ができ長生きできる
  4. 行方不明になる心配がない

2 今どきは、不妊去勢手術をして飼う

 「手術するのはかわいそう」「自然に任せるのがいい」などの意見もあるようですが、実際には手術をした方が猫も飼い主さんもストレスなく幸せに暮らせます。
 大人のオス猫は、非常に臭いの強い尿をあちこちに吹きかけるマーキング(スプレー行動)をしますが、去勢手術をすることでほぼなくなり室内飼育がしやすい猫になります。
 発情期のメス猫は甲高い大きな声で鳴き続けます。この時に根負けして外に出してしまうと、ほぼ100%妊娠します。猫の妊娠期間はわずか60日、環境が良ければ年2~3回妊娠し、1回に4~8匹生まれます。生まれてきた子猫の飼い主をすべて見つけることは大変困難です。困った飼い主は愛護センター等の行政施設に引取りを求める方が多く、その子猫たちは処分の対象となってしまうこともあり、何の罪もない命を奪うことになってしまいます。
 不妊去勢手術は、猫が大人になる(生後6ヶ月くらい)までに行うと、オスやメスとしての行動を起こさず室内飼育に適した猫になってくれます。
 また不妊去勢手術をした猫は太りやすいので、猫じゃらしなどで遊んで運動量を増やしてあげましょう。

不妊去勢手術

不妊去勢のメリット

  1. 不必要な繁殖を制限できる
  2. オスはスプレー(マーキング)行動をしなくなる
  3. メスの発情期特有の大きな鳴き声がない
  4. 性的欲求に対する不満やストレスが減り性格が穏やかになる
  5. 生殖器系の病気(子宮頸がん・前立腺の病気など)の予防ができ長生きできる
  6. 「恋人より飼い主が大好き」で生涯を過ごすことができる

3 今どきは、首輪と迷子札(マイクロチップ)

 「外に出さないから着けない」という飼い主さんもいらっしゃいますが、動物愛護センターには「猫がいなくなった」という相談が毎日のように寄せられます。 猫がいなくなった理由としては、いつもはすぐ帰ってくる、玄関が開いていた、窓を閉め忘れたなど飼い主さんのちょっとした不注意です。万が一の時でも猫が帰ってこられるように迷子札を着け、飼い主の名前と連絡先がわかるようにしておきましょう。
 また突然の迷子、災害、盗難、事故などで迷子札が取れてしまった場合でも、マイクロチップは確実な身分証明になります。

迷子札
 
 猫がいなくなってしまったら、最寄りの動物愛護センター(動物保護管理センター)、警察、市町村に連絡してください。 
 いなくなったらまず電話!チラシ [PDFファイル/153KB]

4 今どきは、きちんとワクチンを接種して飼う

 猫の感染症には様々なものがあり、子猫の時にかかると死んでしまうこともあります。しかし、その多くは予防接種(混合ワクチン)で防ぐことができますので、必ず受けさせるようにしましょう。
 屋外にいる猫は様々な病原体を持っており、それらの猫とのケンカや、フン・尿・唾液などを介した間接的な接触で感染しますので、猫を外に出すのは大変危険です。
 室内飼育でも、猫カゼのウイルスを飼い主が持ち帰ることもありますので、混合ワクチンの接種をおすすめします。

混合ワクチンで防げる病気

(1)猫汎白血球減少症(FPV)

 パルボウイルスによる主として腸炎症状を起こす感染症で、幼猫の死亡率が高い。経口(糞便で汚染された体を舐めることや、糞便により汚染された食物の摂取)・経気道感染(飛沫を吸い込むなど)等により伝播する。ウイルスは感染力が非常に強く、人間の靴に付いて運ばれることもあり、室内飼いでも注意が必要。

(2)猫ウイルス性鼻気管炎(猫カゼ)
 ヘルペスウイルスによって起こる伝染性呼吸器疾患。感染猫の唾液やくしゃみなどの飛沫により経気道感染する。

(3)猫カリシウイルス感染症(猫カゼ)
 カリシウイルスによる伝染性呼吸器疾患。感染猫の唾液やくしゃみなどの飛沫により経気道感染する。

 この3つの感染症は、3種混合ワクチンで予防できます。
 通常、生後2ヶ月過ぎに1回、さらに1ヵ月後にもう1回接種することにより免疫が高まり、以後毎年1回接種すれば免疫が維持できます。
 室内飼育の猫でも、飼い主がウイルスを持ち込むことがありますので、予防が必要です。

単独接種のワクチンで防げる病気

(4)猫白血病ウイルス感染症(Felv)
 レトロウイルスの一種により白血病(リンパ肉腫)を起こす感染症。経口・経気道・咬傷などにより感染する。感染すると2~3年で発症し完治することはない。

(5)猫免疫不全ウイルス感染症(FIV:猫)
 レトロウイルスの一種により起こる感染症。別名「猫エイズ」とも言われる。喧嘩のときの咬傷などにより感染する。犬や人には感染しない。人のエイズ同様、免疫力を低下させる。症状としては難治性の貧血、口内炎、肺炎等がある。治療法はなく発症すると完治することはない。
 ※猫エイズウイルスを持っている全ての猫が発症するわけではありません。感染していても発症せず天寿を全うする猫もいます。

予防法も治療法もない病気

(6)猫伝染性腹膜炎(FIP)
 猫コロナウイルスによる伝染性疾患で、腹膜炎だけでなく種々の臓器が冒される。猫コロナウイルスに感染した猫の体内でウイルスが突然変異を起こすことで発症すると言われており、発症すると治療法はなく完治することはない。
※猫コロナウイルスは人の新型コロナウイルスとは別のものです。

猫を迎えたら(猫の飼い方と必要な設備)

 猫は新しい環境に慣れるのに時間がかかる場合があります。迎えたその日は環境の変化にとまどっています。猫はとても不安です。落ち着くまで、薄暗い場所で暖かくしてゆっくり休ませましょう。慣れてくればケージから出てきます。ストレスになりますので、慣れないうちに触りすぎないようにしましょう。(子どもの構い過ぎに注意!)遠くからそっと観察し、具合が悪そうだったら早めに動物病院に連れて行ってください。

トイレ

 トイレには市販のトイレ砂が便利です。トイレの容器は猫が乗り越えられる深さの容器なら何でもかまいません。近くに気持ちよいトイレがあれば、しつけなくても習慣から自然にそこでするようになります。猫の様子を見ていて、そわそわしたり、床を引っかいたりしだしたらトイレに連れて行ってあげましょう。猫は自分の尿の匂いがする場所にいつも排泄する習性がありますので、何度か繰り返すうちに自分からトイレに行くようになります。
 トイレを置く場所は静かな場所にしましょう。あまり騒々しい場所に置くとストレスとなりトイレで排泄しなくなることもあります。また、汚れたトイレでは排泄しませんのでこまめに掃除してあげましょう。
 中にはトイレにこだわりのある猫もいるので、失敗をくり返す場合は、トイレを大きくしたり砂の種類を変えてみるのも一つです。複数の猫を飼っている場合、トイレの数は「猫の頭数+1」が理想と言われています。

えさ用と水用の容器

 直径が猫の顔より一回り大きくて深すぎない小皿などを用意しましょう。あまり深すぎると食器の縁にヒゲがあたり猫にとってはストレスになります。

えさと水

 キャットフードは猫の年齢や病気に遭わせたフードを与えましょう。市販されているキャットフードは、猫に多い下部尿路疾患やタウリン欠乏に配慮した総合栄養食です。それ以外のものを食べさせると逆に栄養が偏ったり肥満になったりするので、フード以外のものは与えないでください。
 また子猫には子猫専用のフードをあげましょう。成猫用やシニア用とは栄養価が全く違います。あげる量は、猫の体重とフードの表示を見て決めてください。食事の回数は、小さいうちは3~4回、大きくなったら2回でよいでしょう。ドライフードを食べない(食べられない)場合は、缶詰やふやかしたドライフードなどの軟らかくて匂いの強い食べやすいものから慣らしてください。
 新鮮な水がいつでも飲めるようにしておきましょう。

 猫用ケージ・寝床

 猫用ケージは上下運動ができるよう2~3段の高さがあるものを用意しましょう。上下に扉があるタイプはお世話がしやすいです。ケージに慣れさせておくと安全に飼育をすることができ、脱走の防止、しつけ、災害時の避難にも役立ちます。また猫は本能的に狭く暗い場所を好みます。猫用ケージの中に段ボールなどで隠れ場所を作ると良いでしょう。タオル・毛布を敷いたものを寝床として用意し、暖かくしてあげましょう。特に子猫は寒さにとても弱いので、暖房やペットヒーターや湯たんぽを活用しましょう。  

爪とぎ器、爪切り

 猫には爪を研ぐ習性があります。心地よい爪とぎ器があれば、柱やソファーで爪を研ぐこともないでしょう。できれば床置きと縦型の2種類あると安心です。また爪を切っておくことで、爪をとぐことで壁をボロボロにしたり、引っかかれて怪我をすることも少なくなります。
 爪切りが嫌いにならないよう、無理に抑えつけて切るのは避け、終わった後はおやつなどをあげて褒めてあげてください。タオルや洗濯ネットを利用すると、安全に行えます。日頃から抱っこをする際に、肉球をさわる練習をしておくことも有効です。

クシ・ブラシ

クシやブラシで定期的に手入れをして抜け毛をとってあげてください。猫は自分で毛づくろいをしますが、毛づくろいでなめた毛が口から体の中に入り、胃の中で固まり毛玉となって吐き出すことがあります。飲み込んだ毛が原因で、胃腸障害や消化不良を起こすこともあります。短毛種は3日に1回程度、長毛種はできれば毎日やってあげましょう。

キャリーケース・洗濯ネット

 病院などに連れて行くときに、安全に猫を運ぶことができます。上と横の両方に扉があるタイプはさまざまなシーンで重宝します。また普段からそばに置いて寝床代わりのようにしおくと、安心な場所になり、抵抗無く入れるようになります。
 病院などへの移動が苦手な猫には洗濯ネットを利用しましょう。洗濯ネットに入れられると自然と大人しくなり、飛び出しの防止やスムーズな治療に役立ちます。大きめの洗濯ネットであれば、中出動き回れるのでストレスが少ないです。

猫のおもちゃ

 猫じゃらし等で遊んであげましょう。スキンシップをとることが出来るだけでなく、猫の運動にもなりストレスの軽減にも効果があります。

2頭目の猫を迎えるにあたって


 猫はとても慎重な動物です。先住猫といきなり直接対面させるのはよくありません。ゆっくりと慎重に馴らしていくようにしましょう。初日は、新しい猫をケージにいれるなど行動範囲を限定した状態で、先住猫が自由に行動できるようにします。先住猫が自分から近づいて来るなら、ケージ越しに対面させましょう。新しい猫に部屋を探検させるときは、先住猫をほかの部屋などに移動させてからにします。こうした距離感を2~3日保ち、様子を見ながら大丈夫そうならケージを外して会わせてみましょう。どちらかの猫が相手を威嚇したりしても、人は手を出さないで見守りましょう。ほとんどの場合、小競り合いのうちに折り合いはつくものです。どうしても相性が悪い猫というのもいます。お互いに関係性を決めるので、人間は見守るつもりでいましょう。

外飼いだった猫を室内で飼育するために


 長く外飼いしていた猫を室内で飼うことは、必ずしも無理なことではありません。愛護センターには多くの外飼いの猫が収容されていますが、すべてケージ飼育をしています。短期間であれば猫を保護するための捕獲箱や猫用ケージを貸し出すこともできます。
 また愛護センターでは、随時猫の飼育相談を受け付けています。

外飼いだった猫を室内飼いするために [PDFファイル/867KB]
馴化が必要な猫を室内飼いするために [PDFファイル/1.17MB]

 

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