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【三条】「オール世代防災リーダーワークショップ」を開催しました

2018年01月31日
 新潟県三条地域振興局では、「県央地域の食の減災対策推進事業」の一環として、平成29年12月9日(土)午後1時30分より燕三条地場産業振興センターメッセピアにおいて「オール世代防災リーダーワークショップ」を開催しました。
 当日は、県央地域の市町村防災担当・栄養担当部局、中学校、高校をはじめ、保健医療福祉団体、防災関係団体、NPO法人、企業、大学などから約100名が参加しました。
(共催:三条市、加茂市、燕市、弥彦村、田上町)

1 主催者あいさつ

 ワークショップの開会にあたり、後藤健康福祉環境部長があいさつしました。
「新潟県県央地域は水害をはじめとする自然災害の多発地域であり、その経験を教訓に学校・地域・家庭それぞれの分野で防災に関するリーダーが活動している。
 このたび各組織のリーダーが一堂に会し、お互いの活動を知ることで、各組織間での新たな連携体制への発展と次の世代への継承を目的として、本ワークショップを開催した。5つのご発表は、それぞれ多世代にわたる取組である。
 さらに食の面からの減災対策として、要配慮者の方向けであるアレルギー対応の食事に関する大学生の取組については、試食提供と発表をしていただく。
 フロアの皆様お一人お一人のご参加がこの県央地域での取組を、次の世代へつなぐ契機となることを、また全国に向けた発信につながることを祈念している。」
 

2 レクチャー「地域を支える防災リーダー、県央地域での活躍への期待」

 はじめに本日のワークショップの講師であり、コーディネーターでもあるNPO法人にいがた災害ボランティアネットワーク理事長である李 仁鉄(り じんてつ)様より県内で発生した「38豪雪」から「糸魚川大火」までを振り返りながらご講義をいただきました。
 「防災の時間は、3秒、3分、3時間、3日間、3か月、3年、30年のサイクルで動き、それぞれの時期での課題は変わっていく。(身を守ること→生活支援→共に助け合う→暮らしをとりもどす)
 ボランティアセンターの立ち上げ回数はこれまで新潟県がダントツで多い。
 災害時の食料の備蓄はかつては3日間であったが、東日本大震災の際3日で食料が行き渡らない現状があってから、3日間とは言わなくなった。
 防災の取組は幅広く、次世代にバトンをリレーしていくことが必要である。
 いつ発生するかわからない災害に対してだからこそ、普段からの自発的な活動がよりいっそう求められている。」

3 パネルディスカッション「県央地域で活躍する各分野での防災リーダーの活動」

 県央地域で活躍する、多世代にわたる防災リーダーの活動5題について発表がありました。

 四つ葉学園三条市立第四中学校3年生の玉木音(たまき のん)さんと古市友美先生から「つながる・つなげる防災教育~防災プログラムと四中レスキュー」の報告がありました。
「洪水編の開発モデル校の指定を受け、「新潟県防災教育プログラム」の作成にたずさわった。特に地域と関わりの深い洪水災害を中心に、授業内容の地域化に取り組んできた。洪水編の学習では、
1年生:ハザードマップに自宅をマッピング、逃げ時マップでとるべき行動を確認した。
2年生:市民アンケートから災害時に避難しなかった人の心理を理解し、想定にとらわれず、その時々の最善の行動をとることの重要性を確認した。
3年生:県央地域は元々水害が多く、稲の実らない地域であり、先人の努力を学び、ふるさと三条のために私たちにできることを考えた。
・四つ葉学園小中合同防災訓練では、中学生は避難者であるが支援者にもなることを視野に、技能講習を取り入れている。それを四中レスキューとして、中学3年生が小学生に教えることで、受け身から主体に変化していった。これからも取組を進めていきたい。」

 燕第一地区まちづくり協議会事務局長の清水芳秀(しみずよしひで)さんからは「防災訓練における新たな取り組み」について報告がありました。
「地域で行っている防災訓練のマンネリ化、参加者の固定化から中学校との合同訓練を企画した。工夫した点として、避難者受け入れの効率化を目指して、避難者カードを導入し、集計表の工夫を行うことで、受付での混雑解消につなげた。
 小中学生の他にその保護者の参加も得られ、参加者は倍以上に増加した。
 今後もより工夫を重ねて訓練を行っていきたい。」

 NPO法人トライフューチャーからは新潟県立新潟県央工業高等学校3年生の近藤優希(こんどう ゆうき)さん、小林翔(こばやし しょう)さん、髙橋大和(たかはし やまと)さんが「地域を支える防災リーダーをめざして」の報告をしました。
「トライフューチャーは、三条商業高校(観光)、加茂農林高校(環境)、県央工業高校(防災)の3校の特徴と生かして設立し、街の活性化をめざしている。
 県央工業の防災コースは、建築工学科に定員20名で設置された。具体的な活動としては
① 7,13水害メモリアルDayでのメモリアルキャンドル作成
② 三条市防災キャンプでの避難所運営、安全マップの作成、救急救命に関する講習、調理体験
③ ハイスクールサミットin東北への参加、県外視察(宮城県多賀城高校、兵庫県舞子高校)
④ 文化祭での非常食体験
⑤ 全国高校生防災サミットへの参加
⑥ 防災と測量(ドローン)の活用
などが多種に渡っている。今後もより一層地域の防災リーダーとして活動していきたい。」

 弥彦村立弥彦中学校1年生の柿崎息吹(かきざき いぶき)さん、2年生の田中翔馬(たなか しょうま)さんから「中学生ボランティアの防災訓練への取組」について報告がありました。
「弥彦村では、防災訓練のマンネリ化と参加者の固定化などの問題から新たな取組として、中学生に対して防災訓練への参加呼びかけが行われた。まず地域の避難施設での活動に参加し、信頼関係を深めた。さらに平成29年10月15日に行われた防災訓練では、水運びやマット運びなどを通じて避難所開設や運営訓練に参加した。水運びは重く、マットも重くて運びづらかったが、終わった後達成感があった。
 防災訓練の1週間前には、1年生とその保護者で防災教育(パッククッキング)を体験した。今後も活動を行っていきたい。」
 

 田上町食生活改善推進員協議会副会長の髙橋由利子(たかはし ゆりこ)さんからは「災害食への取組」について報告がありました。
「田上町は平成23年7.29水害で広域的な避難指示が出された経緯から、災害時ライフラインが停止したり食材調達が困難な場合に、家にある備蓄食品で手軽にできる調理法や災害食への感心が高まった。平成28年から地区連絡会や町協議会でパッククッキングや災害食の研修を行ってきた。
 今年度行われた災害食・パッククッキングに関する活動としては
① 親子対象の親子クッキング
② 高齢者対象の地区老人会
③ 地区伝達活動
④ 地区行事合同活動
 などがあり、9地区で11回308名の参加があった。幅広い年代の方にパッククッキングについて知ってもらい、災害食への感心を高めることができた。今後も災害食への意識向上と食の備えに関する普及活動を行っていきたい。」 

4 試食提供と発表「新潟県立大学及び新潟医療福祉大学健康栄養学科学生考案の災害食」

 後半は「実習から学んだ災害食」として、新潟県立大学健康栄養学科の齋藤玲花(さいとうれいか)さん、加賀谷涼帆(かがや すずほ)さん、久古鈴香(きゅうこ すずか)さん、新潟医療福祉大学健康栄養学科の坂内元気(さかうち げんき)さんより報告がありました。
 「公衆栄養学臨地実習」では、被災地域の現状や新潟県がこれまで行ってきた災害時栄養・食生活支援活動について学ぶと共に、食の面からの要配慮者対策として特定原材料7品目不使用の災害食を検討した。併せて食の備えについても検討し発表し合う中で、今後は学園祭などの行事での提供を検討すると共に、社会人としては家庭や給食施設での食の備えにつなげたいと考えている。」
 学生さんからは臨地実習で作成したメニューのうち、パッククッキングで「ツナと塩昆布の炊き込みご飯」と「わかめと切り干し大根の酢の物」を作ってもらい、参加者に試食として提供されました。

5 フロアとの意見交換

 発表を受けてフロアとの意見交換が行われました。
〇(燕第一地区まちづくり協議会へ)多くの方が訓練に参加したしかけは何か
→ 地区小中学校3校の意識が高かった。また土曜日を授業日として開講したため全校児童・生徒が出席した。
〇(弥彦中学校へ)難しかったことは何か
→ マットが高いところに収納されていたため、出すのに時間がかかった。道を作る時に「このくらい」にと言われ具体的にわからなかった。
〇(第四中学校へ)大人との関わりで良かったことは何か
→ 小学生にどう教えればよいかわからなかったが、大人にフォローしてもらえて心強かった。
〇(県央工業高校へ)今後の抱負は何か
→ 機械系で学んだことを防災に生かしていきたい。防災フォーラムで無関心な方に興味をもってもらいたい。水害被災者の体験を生かしていきたい。
 多賀城高校視察で津波を恐ろしさを痛感、就職してもこの経験を生かしたい。
〇(田上町食推協議会へ)今後の抱負は何か
→ パッククッキングは、病気の人、子ども、アレルギーの人など個別の対応に向いている。今後も広めていきたい。
〇(新潟県立大学・新潟医療福祉大学へ)今後の抱負は何か
→ 実習で防災について学ぶことができた。就職先でも発展させていきたい。三条に実習に来たから災害食を学ぶことができた。福祉施設の人にも広めていきたい。
〇(弥彦村福祉保健課より)行政栄養士としての役割とは
→ 災害食を自分たちで作れるようにする取組(パッククッキング)の推進と人材育成。行政が何かしてくれるだろうという考えから自分たちで何とかしようという考えに転換してもらえるよう意識啓発する。
〇(災害応援協定企業より)民間としての取組姿勢は
→ 中越大震災の際、避難所に店舗が隣接していたので最初に炊き出しを行った。その後東日本大震災時には各店舗で様々なことがあったが、基本的にはできる範囲内で協力したい。
〇(防災関係団体より)熊本地震では防災をキーワードとして異なる世代と関わることを確認した。避難所ではリーダーが「これをやってくれ」ではなく「これをやろう」ということばを待った。
 最後に講師の李仁鉄様よりまとめがありました。
「熊本地震の際、あるリーダーから『行政は前に出るな。自分たちがやる』と言われ住民が言い出すのを待った。
 これからは『待つリーダー』が求められる。『ゆるいリーダー、しなやかなり-ダー』が必要。
 違う年代の人や初心者への教え方については教員から学ぶことができる。
(災害食については)以前、炊き出しは3大メニュー(カレーライス、豚汁、麺類)であり、これは作る側の論理優先であった。しかしパッククッキングは個別性に着目している点で良い取組である。
 時代に変遷とともに何が正しいのかがわからなくなることもあるが、各世代・関係機関の連携の中で解消されていくこともある。今後の取組が期待される。」
李講師と発表者の皆さん
大人2人1週間分の家庭用備蓄食品の例
新潟県三条地域振興局では、今後も食の減災対策を推進していきます。

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