島内で頑張っている人を紹介する「島民クローズアップ・インタビュー」をお届けします。
毎月、佐渡地域振興局の各所属や事務所が「育む(はぐくむ)」というテーマをもとにふさわしい方を訪ね、インタビューを実施します。
※インタビューの記事は、毎月21日に更新します。
第19回目は、東京税関新潟税関支署佐渡監視署の福田辰紀(ふくだ たつのり)署長と北原宏輝(きたはら ひろき)係員を訪問しました。
昭和42年、東京税関両津監視署を最後に、佐渡島内の税関事務所はなくなりました。今回、新たに設置されたいきさつを教えてください。
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近年、不正薬物や銃器等の社会悪物品の密輸入手口は、コンテナ貨物に隠匿して密輸入するほか、税関の取締りの手薄な地方港などから陸揚げしたり、漁船などを利用して洋上において取引するなど手口は悪質・巧妙化しています。 このため、税関においては、不開港を含む水際における監視取締りの強化を図っているところで、佐渡監視署を設置して巡回を強化し、地元漁業関係者などからの情報収集の強化に一層努めるなど、銃器及び不正薬物等の密輸取締強化を図ることとしました。
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福田署長(左)と北原係員(右)
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現在、佐渡監視署ではどのような業務を実施していますか。
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佐渡は外国船が入港できる開港は存在しませんが、緊急的に入港する船や波浪避難のため沖に避難する船があります。そういった船から不正に貨物の出し入れが行われていないかなどの監視を行っています。また、佐渡は島の両側がくびれている形状のため面積に対し海岸線が長く、漁港も50以上存在します。なるべく頻繁に漁港を巡回し、漁業関係の方を中心に、不審情報があれば税関に連絡してもらうようにお願いしています。更に、新潟支署に配備されている大型広域監視艇「つばさ」による佐渡周辺海域の海上巡回を新潟支署と合同で実施しています。 近年、地方の港が密輸組織に狙われています。実際に、昨年は日本海側でも2月に伏木港で3kg、7月に新潟港で5kg、11月には小樽港で3kgの覚せい剤の密輸事件が摘発されています。地方港が狙われているのは佐渡も例外ではないと考えており、引き続き皆さんに情報提供等のご協力をいただきながら、しっかりと監視取締業務に当たっていきたいと考えております。
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今まで、どのような業務に携わってきましたか。また、一番印象に残ったエピソードを教えてください。
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(福田) 平成11年に東京税関に入関後、成田空港で8年間勤務していました。成田空港では日本に入国する航空旅客の携帯品検査や、航空貨物の輸出入通関の業務に携わっていました。その後、新潟支署で1年間、監視取締業務に当たり現在に至ります。 一番印象に残っているのは成田空港で大麻を摘発した事です。ロウソクの中を刳り貫き、出来た空洞に大麻を隠匿していました。外見上、不審点はありませんでしたが、入念に検査した結果、隠匿されていたことが分かり摘発することができました。 (北原) 平成15年に東京税関に入関し、東京港の大井出張所で3年間通関業務に携わり、その後、新潟支署東港出張所で3年間通関業務に携わってきました。 東港出張所は、ロシア向けの中古車の輸出通関の事務がとても多く、多い日には1日に100台以上の輸出申告を許可していました。通関事務には適正な手続きがなされているか書類を確認し、申告された中古車が盗難車両ではないか確認するため実際に中古車を確認に行くこともありました。盗難車両はその多くが巧妙に改ざんされているため、見破るためには不審点が無いか細部までチェックし、気になる点があれば更に深く調査を進めるという地道な作業が必要です。同僚達とのチームワークの結果、盗難車両の改ざんを見破った時には強い達成感が得られました。
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佐渡で仕事をするのは初めてかと思いますが、佐渡の感想を教えてください。
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(福田) まず始めに感じた事は、佐渡はイメージしていたよりはるかに大きな島だという事です。佐渡で暮らしてみると歴史が古く、地域ごとに伝統・文化が異なっていることがだんだん分かってきました。また、食べ物や日本酒もおいしいし興味を惹かれる事が沢山あります。佐渡に来てからダイビングを始めましたが、佐渡の海は日本海屈指の透明度でとても美しく、場所や季節で見られる生物も異なり毎回違った感動を得られます。 (北原) 最初の印象は思っていた以上に大きくて島という感じがしませんでした。私は地元が鹿児島なので島にはよく行っていましたが、ここまで大きな平野、山、川があり南北で気候が違ったりするなど、一つの島でここまで変化に富んだ島は鹿児島にはありません。 約6カ月住んでみて感じたのは、知れば知るほど奥深いところだなという事です。魚がおいしいというのは聞いていましたが、魚に対する価値観が変わるほどおいしいし、魚だけでなく、米、果物、牛乳、日本酒、水道水までも非常においしい。まだまだ私の知らないおいしいものがあるのではと日々探しています。また歴史もあり、文化も独特で佐渡島全体相当なポテンシャルがあり、世界遺産にというのもなるほどと思います。
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佐渡の活性化が望まれています。「こうすればよくなるのでは」というご意見があったら聞かせてください。
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佐渡の活性化については二人で時々話します。佐渡には悠久の歴史とその遺産があり、素晴らしい伝統と文化が引き継がれています。温泉も数多くあり、食べ物も非常においしい。その上、海と山には豊かな自然があり、観光スポットは枚挙に暇がない程です。活性化を図るにはせっかくの観光資源を有効に活かし、観光産業から盛り上げていくのが1番だと思います。具体的には、外部からコーディネーターを招いてみるのも1案に思います。日頃から接しているものには新鮮さが感じられなくなるため、地元の人には観光客が佐渡に何を求めて来るのか、何に触れれば喜んでもらえるかが感覚としてつかみにくい。外部からコーディネーターを招き、改善点などを指摘してもらうのが良いと思います。
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最後に、この記事を見ている方へ、一言メッセージをお願いします。
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昨年7月に佐渡に42年ぶりに税関の監視署を設置して勤務していますが、当初は佐渡の皆さんに受け入れてもらえるか少し心配していました。しかし、実際に来てみると、島民の皆さん、それから新潟県佐渡地域振興局を始め、佐渡市役所、海上保安署、警察署などの関係機関の方達にもあたたかく接していただいており、大変ありがたく思っています。 近年、地方の港が密輸組織に狙われている状況にあり、佐渡も例外ではないと考えています。密輸情報とまでいかなくても、不審な船を見かけた場合や、不審な車両を見かけた場合には、税関に連絡をお願いします。連絡先は佐渡監視署0259-23-4870又は東京税関密輸ダイヤル0120-461-961(24時間対応・フリーダイヤル)
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☆インタビュアーから☆
東京税関新潟税関支署佐渡監視署は、福田署長と北原係員の2名だけの小規模な事務所ですが、島内に50以上ある漁港をこまめに回っているということで、夏期はほとんど外出しているということでした。
税関というと、麻薬や希少動物の輸出入を取り締まるイメージがありますが、そうした成果もこのような地道な努力があってこそ。
お二人には、これからも佐渡の安全と安心を守っていっていただきたいな、と感じた取材でした。
佐渡地域振興局地域整備部(港湾空港) 嶋中