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島民クローズアップ・インタビュー(テーマ:“育む(はぐくむ)”) vol.8 |
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ジェットフォイルの船長として、またクルー(乗組員)のリーダーとして仕事をしています。船を操縦するとともに、クルーがチーム(4人1組)としてうまく機能するよう、様々な調整をしています。ジェットフォイルの操縦は基本的に1日2往復、両津-新潟間を航海します。ジェットフォイルには通常の船舶とは異なるリスクもありますが、革新的な航走方法が魅力的で、とてもおもしろい船に乗せてもらっていると思います。 |
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山田孝之さん |
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私は佐渡の見立という集落の出身で、小さい頃はいつも波打ち際で遊んでいました。海も船も大好きです。父が外国航路の船員で留守が多く母は苦労していたため、子どもには陸の上の職場を希望していました。しかし、高校生の時、自分の進路に迷いを感じ思い悩む中で、やはり船員になることを決めました。私は三男ですが、上の兄が商船大学に行って船員になりたいと母に言った時は、やはり却下されたそうです。なのに、何故か私の時には反対しませんでした。不思議ですね。三人いる息子のうち、一人くらい父と同じ仕事を継いでも良いと考えたということでしょうか。大学に行っている時は、新潟に帰ることは全く考えていませんでした。しかし、当時の海運業界の不況に閉塞感を感じていた時に、同級生とドライブして新潟の景色を眺めるうち、ふと「帰ろうかな・・・」と思い新潟に就職を決め、「どうせなら故郷の役に立つ仕事を」と思い、佐渡汽船への就職を決意しました。 |
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ジェットフォイルは航路は決まっていますがレールの上を走っている訳ではないので、色々な要素を考えた上でどのように操縦するかは自分で決められます。大好きな海の上で、これまた大好きな船で仕事ができることは贅沢なことだと思いますし、それができる自分は幸運だと思います。また、ジェットフォイルは操縦席に座っていると水面が自分の下に滑り込んでくる感じがあり、海上を自由に駆け抜ける爽快感があります。 |
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仕事で苦労をしたとか大変だったという思いはありません。好きな仕事をしていれば、みなさんそうだと思うのですが、仕事そのものよりも、職場やそれを取り巻く人間関係を良好に保つことが大変だと思います。海は広いですが船内は狭いです。船内は集団生活なので、自分のわがままをそのまま出して生活することはできません。しかし、自分にとって譲れない部分も大切にしなければならないと思います。そこをうまくコントロールすることが一番大変だと思います。 |
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船長や一等航海士になるためには、まず三等航海士として乗船して経験を積む必要があります。三等航海士として船に乗り込むためには海技免許という資格を取得しなければなりません。免許の種類は1級から6級まであり、国内・国際など船の航路や大きさ、できる仕事の内容で異なります。ちなみに、国際航路や長い距離を航海する旅客船の一等航海士は2級、船長になるには1級免許が必要です。佐渡汽船のような国内短距離航路は3級で大丈夫ですが、1級まで取得する方も多く、私も1級免許を取得しています。 |
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佐渡にはすばらしい文化もおいしいものもたくさんあります。素顔の佐渡の良さをいっぱい伝えていけるよう、島民みんなが知恵を絞っていかなければならないと思います。佐渡の寒ぶりと牡蠣は最高ですし、おけさ柿もお米も他の地域に持っていくと大変よろこばれます。この資源を活かすために佐渡汽船としては、県や佐渡市、観光協会はもちろん、鼓童などの民間団体とも連携して、たくさんの佐渡の魅力や財産をどんどんPRしていけるようにしていきたいですね。うまくいかない原因を他人のせいにしていてはいけないので、関係者のコミュニケーションがまず必要だと感じています。ただ、一船長としては、とにかく自分の船に乗船されるお客様の安全と安心を確保することが一番大事だと思っています。どんな旅行でもトラブルがあったら台無しですからね。つまらない答えかも知れませんが、それが佐渡汽船の役割ではないでしょうか。 |
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妻の実家が沢崎近くの田ノ浦という集落で、実家の海で採れる魚を送ってくれます。何となく磯の香りがして味が濃くて、焼いても煮ても、そのおいしさは他では味わえないものです。冗談で「道ばたで売れば?」という話をしたことがありますが、せっかくのおいしいものを、努力して採った人が正当に利益を得ることができるような流通システムが佐渡にできれば良いと思います。 |
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私の船に乗るお客様には、絶対に事故なく、安全に安心して旅行していただきたいです。小さな夢のように思われるかもしれませんが、それは船長として最高のよろこびです。とにかく佐渡観光が息を吹き返して、以前のようにたくさんのお客様に来ていただけるようになって欲しいです。 |
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越佐海峡は冬を迎えて時化で海の荒れることの多い時期になっていますが、寒ぶり・加茂湖の牡蠣など佐渡のおいしい食べ物は今が旬です。ぜひ、冬の佐渡へもお越しください。悲願だった朱鷺の自然放鳥が実現するなど佐渡の未来は明るい兆しも見えています。がんばっていこう、佐渡! |
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終始、笑顔で取材に応じてくださった山田さんでしたが、ジェットフォイルの操縦桿を握ったときに見せた引き締まった表情が忘れられません。佐渡を訪れる方の楽しい船旅を、そして佐渡で生活するみなさんの安心・安全な生活を、山田さんをはじめとした佐渡汽船の船長・クルーの方々が支えてくれているのですね。これからも楽しくて快適な船旅で、佐渡の未来をはぐくんでいって欲しい、心からそう感じた取材でした。 |
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