新潟県ホーム の中の農林水産業の中の島民クローズアップ・インタビュー(テーマ:“育む(はぐくむ)”) vol.17

 島民クローズアップ・インタビュー(テーマ:“育む(はぐくむ)”) vol.17

2009年12月21日

島内で頑張っている人を紹介する「島民クローズアップ・インタビュー」をお届けします。
 毎月、佐渡地域振興局の各所属や事務所が「育む(はぐくむ)」というテーマをもとにふさわしい方を訪ね、インタビューを実施します。
※インタビューの記事は毎月21日に更新します。

 第17回目は、両津湾の白瀬・和木地区で、大型定置網漁業を営んでいる加茂水産定置網組合及び丸内定置網組合会長の坂野久一さんを訪問しました。
 漁業はそもそも自然が『育む』資源を生かす産業ですが、同時に後継者を『育み』、漁業技術を受け継ぐことも重要です。佐渡を代表する寒ブリ等水産物への取り組みについて、語っていただきました。

漁獲された寒ブリを手にする坂野さん

漁獲された寒ブリを手にする坂野さん

Q1 漁業に携わる事となったきっかけを教えてください。

 大型定置網が盛んな両津湾の白瀬・和木地区で生まれ育ち、子供の頃から地域の人たちが大型定置網に携わっている姿を見てきたので、自然に漁業に携わるようになりました。

Q2 大型定置網の魅力は何ですか。

加茂水産定置網組合の皆さん

 値段の高い大きな寒ブリやマグロが漁獲できることはやはり魅力的ですね。
 白瀬・和木地区は背後に山地が迫っているため広い農作地がありません。農業だけであれば冬には収入が途絶えますが、大型定置網があれば冬でも操業できます。特にこの地区は、大佐渡山地が冬の強い北西からの季節風をさえぎるため、沖合は波が高くても湾内の漁場では比較的静かで、漁に出られないことは余りありません。

加茂水産定置網組合の皆さん

Q3 定置網組合では若い従事者も多いようですが、何人くらいいますか。

丸内定置網組合の皆さん

 加茂水産定置網組合及び丸内定置網組合ではそれぞれ海上従業員が34人ずついますが、20~40代の人はそれぞれ7及び11人います。高齢でやめる人はいますが、若い人でやめる人は殆どいません。

丸内定置網組合の皆さん

Q4 新規就業者も毎年のようにいると聞いていますが

 今年は2つの定置網組合で、6人の申し込みがありましたが、人数の関係上4人のみの採用となりました。

寒ブリ漁獲の様子

寒ブリ漁獲の様子

Q5 大型定置網で漁獲される魚を教えてください。

海中をただようエチゼンクラゲ

 寒ブリやマグロの他、アジ、サバ、ウマズラハギ(コウグリ)、スルメイカ(マイカ)を中心に、たくさんの種類が漁獲されます。最近ではサワラやメダイ等の暖かい海の魚も漁獲されています。また、エチゼンクラゲといったやっかいな生き物が多く入る年もあります。

海中をただようエチゼンクラゲ

Q6 寒ブリのブランド化について、どのように取り組んでいますか。

 寒ブリは冬の佐渡を代表する魚ですが、全国的には富山県や石川県で漁獲される寒ブリの方が名前が通っています。しかし佐渡産も品質がよいので「佐渡寒ブリ販売促進協議会」を立ち上げ、組織として全国に売り込んでいこうと取り組んでいます。具体的には、数週間程度寒ブリを定置網の中で生かし、長期間にかけて安定供給できるように網の構造を一部変えたり、測定機械を使って寒ブリの脂の量を測り、一定以上の寒ブリのみを「佐渡一番寒ブリ」と称して品質を維持したりするといったことを行っています。

市場に並べなれる寒ブリ

市場に並べなれる寒ブリ

寒ブリの剥製

寒ブリの剥製

Q7 今後新たに取り組みたいことは何ですか。

 富山県及び石川県といった先進地を見てきて痛感しましたが、白瀬・和木地区での大型定置網の操業方法は遅れています。本来なら機械化すべきところが殆ど人力で行われていたり、機械化されていても旧式のものだったりといったことです。それらを改善することで操業の安全を確保したり、新型の機械導入で燃料を節約したりするといったことが可能になります。

Q8 最後に、この記事を見ている方へ、一言メッセージをお願いします。

 皆様ご存じのとおり、佐渡は漁獲される魚の種類・量ともに豊富で、その味も全国に出しても引けを取りません。ぜひ、佐渡産の魚を今後も味わっていただきたいと思います。また、寒ブリについては刺身、塩焼きをはじめ、しゃぶしゃぶやブリ大根といった様々な味わい方があります。冬の寒い時期に寒ブリが漁獲される地域で味わうのが最もおいしいと思います。今年は、現在のところ寒ブリが豊漁ですのでこの機会に楽しんでください。


☆インタビュアーから☆

 近年、漁業を取り巻く環境は魚価の低迷、後継者不足といった厳しい状況にあると言われていますが、坂野さんは佐渡寒ブリのブランド化や若者の大型定置網着業等に力を入れ、その活動は着実に実っていることがわかりました。また、新たな取り組みとして先進地視察により機械化の重要性を実感し、導入に意欲的とのことで、発展を続ける佐渡の漁業を実感することができ、心強く感じられました。
 ブランド化は高価格化を目指すことなので、私たち一般消費者からは遠のくように感じられますが、今年は寒ブリが好漁で値段もお手頃のようですので積極的に佐渡の「海の恵み」を楽しみたいと思いました。そして、その恵みを全国の人々に伝えられたらブランド化も大成功を収めるのではないかと思いました。

農林水産振興部(水産庁舎) 佐藤