新潟県ホーム の中の農林水産業の中の島民クローズアップ・インタビュー((テーマ:“育む(はぐくむ)”) vol.6

 島民クローズアップ・インタビュー((テーマ:“育む(はぐくむ)”) vol.6

2008年12月21日

島内で頑張っている人を紹介する「島民クローズアップ・インタビュー」をお届けします。
 毎月、佐渡地域振興局の各所属や事務所が「育む(はぐくむ)」というテーマをもとにふさわしい方を訪ね、インタビューを実施します。
※インタビューの記事は毎月21日に更新します。

第6回目は、佐渡漁業協同組合所属の「弥吉丸」寺尾和弥さんを訪問しました。
 漁業はそもそも自然が『育む』資源を生かす産業ですが、寺尾さんがどのように活用しているのかを伺いました。
 また、寺尾さんは佐渡地区漁業士会の会長でもあり、会の活動の他、佐渡の漁業や消費者に対する思いなどを語っていただきました

Q1 寺尾さんが営んでいる漁業について教えてください。

漁船5隻でナンバンエビやベニズワイガニを篭で獲る『篭漁業』を主体に行っています。自分は主にベニズワイ篭の船頭として操業しています。エビにしろ、カニにしろ片道4時間もかかる水深が深い場所が漁場ですので、夜に出港して、昼過ぎに帰ってくる昼夜が逆転する毎日を送っています。

Q2 漁業に携わる事となったきっかけを教えてください。

父親も漁業を営んでいて、その長男ということもあり、高校を卒業後直ぐに船へ乗りました。初めは船に慣れず、船酔いで大変でした。

水揚げされたカニを船からトラックに移す作業

水揚げされたカニを船からトラックに移す作業

Q3 漁業は厳しい状況にあると言われていますが?

魚価の低迷や、燃油の高騰等で厳しい漁家経営は避けられませんが、それでも鮮度管理を徹底したり、加工することで付加価値をつけたりして頑張らなければと思っています。

Q4 直売所も経営されていますが、どういった経緯でしょうか?

昔は獲れば獲るほどお金になった時代もあったかもしれませんが、漁業もただ獲る一方ではなく、売ると言うことも考えなければなりません。先代から小さな直販所での販売は行っていましたが、10年前位に店舗に入れず雪の中を待っているお客を見た時に本格的な店舗を作ろうと決めました。
今では、自船で獲ったエビやカニ、一夜干しイカなどの加工品を直売所で販売しています。特にベニズワイガニは獲って素早く茹でてお客様への三拍子で全てを直販所で販売しています。

直売所でカニを計量する作業

直売所でカニを計量する作業

Q5 寺尾さんは佐渡地区漁業士会の会長としても活動をされていますが、会としてどのような活動を行っていますか?

さかなまつりで佐渡地区漁業士会の出店で賑わう様子

県の漁業士会では魚料理教室を行うなど、食育活動に取り組んだりしています。今年の9月には、新潟市で開催された全国豊かな海づくり大会で魚料理教室やロープワークのコーナーを設けたりしました。例年よりかなりハードスケジュールでしたが、全国規模の大会で活動できたことは非常に有意義だったと思います。
また、佐渡地区の活動としては、毎年両津の市場で行われる佐渡さかなまつりへ自分の獲った魚介類を持ち寄って出店したりしています。生産者が自ら店頭に立ち販売するという機会はなかなか無いので、直接消費者の反応が見れる良い機会だと思いますし、自分としては、商品開発としての参考にもなります。

さかなまつりで佐渡地区漁業士会の出店で賑わう様子

森づくり活動の様子

その他にも、全国的にも取り組まれている魚の森づくり活動をNPOの方と一緒に行ったりしています。

森づくり活動の様子

Q6 漁業士会で消費者や他地区の漁業者と交流する中で、どんなことを感じていますか?

料理教室の参加者には、やはり魚を捌けない方が多く、また、地元で獲れている魚を知らない方が多いのには残念な気がします。でも、料理教室に参加した方のほとんどが帰ったら家でやってみたいと言ってくれるのが嬉しかったですし、おいしさを伝える取組を行うことも必要と考えています。
 また、他の地区の漁業者は若手も多く、地元の活気を取り戻すためにも若手漁業者の育成も必要と考えています。

Q7 今後新たに取り組んでみたいと考えていることや目標があれば教えてください。

今後は、佐渡ならではの鮮度の良さと、食べ方・食べさせ方で佐渡へ来なければ食べられない、佐渡へ来て食べたいと言う物を作りたいです。

Q8 最後に、このインタビュー記事を見ている方に一言メッセージを

生産者向けのメッセージになってしまうのですが、『ダメだダメだと最初から”あきらめず、自分でできることから少しずつ”始めてみませんか!!』生産者だからこそできることもあると思います。一緒に頑張りましょう。


☆インタビュアーから☆

 近年、漁業を取り巻く環境は、燃油の高騰、魚価の低迷、後継者不足といった厳しい状況にあると言われてるなかで、寺尾さんの”あきらめず、できることから”といった漁業の活性化に取り組む地道な活動は、逆境を吹き飛ばすパワー(熱意)が、ひしひしと伝わってきました。水産業の発展のためには、みんなで協力し合い、知恵をだし合いながら支えていかなくてはなりません。
 私たち消費者の立場としては、日頃から漁業に関心をもち、海からの恵みである水産物に感謝の気持ちをもちながら、佐渡の美味しい”海の幸”をもっともっと食卓に並べられるようにしたいものです。
 そして、海を汚さないなどのマナーを、みんなできれいな海を守りながら”育んで(はぐくんで)”いけたら良いと考えます。

農林水産振興部 漁政課 池田・振興課 須藤