島内で頑張っている人を紹介する「島民クローズアップ・インタビュー」をお届けします。
毎月、佐渡地域振興局の各所属や事務所が「育む(はぐくむ)」というテーマをもとにふさわしい方を訪ね、インタビューを実施します。
※インタビューの記事は、毎月21日に更新します。
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第4回は、新穂正明寺の土屋新吾さんを訪問しました。
土屋さんは、前回当コーナーでご紹介したトキの田んぼを守る会会長の斎藤真一郎さんとともに、無化学肥料栽培などの環境に優しい農業に取り組む他、ビオトープや江(田んぼの脇に設けられたよどみ)の設置、管理などを行い、トキや様々な小さな生き物たちと人々が暮らせる農村環境を育んでいらっしゃいます。
トキへの思いや、前年度から始まった農地・水・環境保全向上対策の取り組みなどを語っていただきました。
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Q1 環境保全型の農業としては、どのようなものに取り組んでいるのですか?
新穂長畝にトキ保護センターができたとき、これは繁殖するぞと思いました。そのため環境保全型の農業に取り組み、トキの餌場づくりと共生を目指したいと思い、7年前からトキの田んぼを守る会と一緒に活動を始めました。
生物が多くいないとトキの餌場とはならないので、農薬や化学肥料を使わないことが、ドジョウ等の成長に欠かせないと思い、米ぬかや大豆などを混ぜる他、有機肥料を使っています。しかし、農薬を使わないことによって、害虫がつくこと等で、従前の60%ほどの収量であります。
Q2 トキが来てくれる田ということであれば、今社会で問題となっている食の安全の面からも安心感を得られますね。
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収量は多ければいいというわけではありません。 仮に半分であってもトキと共生ができればそれでいいと思います。 当初の取り組みから田の一部に餌場をつくることや、 環境保全型農業に取り組みたいと思ってきましたので、 ぜひトキが定着するようになってもらいたいのです。
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Q3 トキは昔、田んぼを荒らす害鳥だと言われていましたが?
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昔はトキも多数いたと思います。そのため餌場が不足していたんだと思います。正明寺は田んぼの整備前、湧き水のある水田が連なっていましたが、整備後は水が湧く水田もなくなりました。特に冬期間はこの辺りは雪が積もり、一面雪で真っ白になりますので、湧き水で解けることもなく、餌となる生物の生息場所がなくなってしまいました。そのため冬の餌場が不足していると感じています。昔はビオトープ(生物の生息場所)というものがなかったため、餌のある田んぼのどこでも入って餌をとっていたのだと思います。
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Q4 生き物が増えた実感はありますか?
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江などの整備から1年ほどたてば、ドジョウ、カエル、トンボなどが増えています。トキが来ないうちはサギやカモの餌場となっています。コウノトリが1回来たビオトープがあるのですが、再来しないので、その場所は餌が不足しているのかなと思っています。 私たちの田んぼでは活動をはじめて7年になりますが、ドジョウ等がたくさん住んでいます。
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Q5 ビオトープの管理に取り組まれていますが、維持管理でくろうしていることを教えてください。
ビオトープは上空から見て水がたまっているな、餌があるなと思うことが重要だと思います。
草が繁茂するようだとトキが上空から見つけられないのではないかと思います。
そのためには周りだけではなく、ビオトープ内も草を刈らないといけません。今年度は「がま」が生えてきて重作業機械を入れて、ようやくとり除きました。
草が繁茂しないうちに草刈を2、3回やらなければならず、一端繁茂してしまうと、大型重機をいれなければならなくなり、費用が多くかかってしまいます。
Q6 農地・水・環境向上対策事業でも環境に配慮した活動を行っているのですか?
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順化施設へ向かう農道の草刈を行っています。また、農道の脇に花を植え、来年には咲いてくれるのではないかと思っています。
◆農地・水・環境保全向上対策◆ 農業だけではなく、農村の豊かな自然環境や景観を形作る上でも大きな役割を果たしている農地・農業用水等の資源は、地域の協同活動によって保全管理されてきました。しかし、集落の高齢化や混住化により適切に管理することが難しくなってきています。一方近年では農村環境に対する期待が高まっています。そのため、その資源や農村環境を守る取り組みと環境保全に向けた営農活動を総合的に支援するものです。 活動は地域住民や学校など多様な主体により行われます。
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Q7 農地・水・環境保全向上対策事業が平成19年度からはじまりましたが、活動内容を教えて下さい。
活動は農道、ため池の草刈等です。
今までは草が繁茂していた集落内の農道の草刈を行うことができた他、集落内の排水がやりにくかった土水路の管理を行うことができました。
集落内の各種団体(老人クラブ、婦人会、子供会、青年会など)に呼びかけて、集落全体として行っており、私たちの有限会社セブンシステムからも2、3人参加しています。
Q8 農地・水・環境保全向上対策事業は集落の共同活動を支援するものです。地域の活性化の面ではどのように感じていますか?
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子供から老人クラブまで幅広い年齢層で、草刈や植栽など多岐に渡り、一緒にできる活動を計画に入れています。よい環境がつくれるし、大勢が参加することにより、つながりが生まれ、 和やかな集落となると思います。 このような活動をこれからも続けてほしいと思います。
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Q9 最後に、トキの試験放鳥を契機に、トキとの共生・環境に対する取り組みを佐渡島で行っていきますが、考えていることがあれば教えて下さい。
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2015年に小佐渡東部地域に60羽の定着を目指しているが、餌場が不足していると思います。餌場を確保し、島内で一緒になってトキと共生すれば、観光面にも期待ができるでしょう。特に冬場の餌の確保が重要だと思います。また、上空からみてトキがビオトープだと分かるような状態に維持していくことが必要だと思います。
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〔インタビュアーから〕
トキの試験放鳥が無事に行われました!今回のインタビューは9月25日に行われたトキの試験放鳥の前に行ったのですが、試験放鳥に向けたこれまでの取り組み、いよいよ迎える試験放鳥への思いを伺うことができました。農林水産振興部農地庁舎ではトキに対する餌場の確保として、江や水田魚道等の整備に取り組んできました。施設はつくるだけではなく維持管理が必要となります。その維持管理は特定の人だけが行うのではなく、多くの方と協働で行う必要があります。そのため、これらの施設の持つ意味を明確にし、関心をもってもらえるように取り組んでいきたいと思います。
トキの餌場をPRする看板
地元と一緒に看板を設置しました。
担当:農林水産振興部(農村振興担当)〔広報委員会 斎藤(功)、高橋、高本、松矢〕