佐渡の「甲子園」が今年も活気づく!
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外に出ると空気がほころんでいくのが感じられ、春の匂いがしてくるこの季節、毎年佐渡の「甲子園」で熱戦が繰り広げられることをご存知ですか?
全国から選抜された高校生が佐渡の魅力を版画作品で表現し、その腕を競い合う「全国高等学校版画選手権大会(はんが甲子園)」です。
今年は3月20日(金)から23日(月)までの日程で行われ、18道府県32校の応募の中から、北は北海道、南は九州までの14校が佐渡で行われる本選大会(団体部門)に出場しました。
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元気よく入場行進!みずみずしい戦いの始まりです。
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“版画の島”佐渡を舞台に、島の魅力を彫り出そう!
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佐渡では、版画家の故・高橋信一氏が「佐渡版画村美術館」を設立するなど、版画の普及に尽力したことがきっかけとなり、今では多くの愛好家が存在するまでになりました。
「佐渡版画村美術館」の地元、相川の商工会が中心となって「はんが甲子園」を企画・運営しており、大会は今年で9回目を数えます。
初戦を見事勝ち抜いた高校生たちが佐渡入りし、島内で自由取材をした後、3人1組で一つの版画を制作します。
フレッシュな感性で、佐渡の魅力をいかに彫り上げるのか。限られた時間の中で、集中力と仲間との連携が試される熱き戦いです。
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開会式で元気よく選手宣誓する代表校(新潟県立相川高校)の選手たち
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いよいよ熱戦の幕開けです。
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3月20日(金)に開会式を迎え、いよいよ戦いが始まります。朝のうちは小雨が降り、若干肌寒く感じられる天候でしたが、選手たちが取材に出かけるころになると、すっかり雨も止み、ぽかぽか陽気に。 全国各地から佐渡に集った選手たちの意気込みと懸命に佐渡の魅力をとらえようとするまっすぐな心に、太陽も微笑みかけているようでした。
取材から戻ると、選手たちは作品の構想を練るために話し合いを始めます。 その目はいずれも真剣で、取材を通して見たり聞いたりして心に焼き付けたものをいかに表現するか、じっくりと考えを巡らせているようでした。
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取材から戻り、話し合いをする選手たち
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短期決戦!みずみずしい作品が誕生します。
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作品制作2日目ともなると、だいぶ彫り進み、作品の全体像が見えてきた学校もあります。
どの選手も集中し、彫刻刀に力を込めます。会場内は、版木を削る音が響き、選手たちの熱気に満ちていました。
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協力して彫り進めます。
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残り時間もあとわずか!協力体制も万全に、最後まで全力で挑みます。
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作品制作最終日。この日になると、すでに試し刷りまで完了している学校もたくさん出てきました。
ある学校のブースの壁には、自らを奮い立たせるためなのでしょうか、心に響く力強い格言や仲間からの応援メッセージなどが貼られていました。 実際に戦いに挑んでいるのは、3名の生徒と監督1名のチームですが、そのバックにはたくさんの応援団がいることが伝わってきます。
何枚か刷りながら、微調整を繰り返す選手たち。たくさんの人たちが見守る中、この決戦の舞台で自らの出せる最大限の力を出そうと、最後まで全力で作品制作に打ち込んでいる姿が印象的でした。
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真剣に作品制作をする選手たちを力強い言葉が支えます。
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今年の栄冠を手にしたのは…?
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戦いを終え、選手たちの感性がすばらしい作品の数々を生み出しました。その中から、各賞の受賞が決まります。 緊張する結果発表の瞬間です。優勝にあたる「文部科学大臣賞」の栄冠は、島根県立出雲商業高等学校が手にしました。
選手3人はいずれも喜びながらも、受賞が信じられないといった様子。 一様に、最高の栄冠が獲得できたことに対する感謝の言葉を嬉しそうに述べていました。
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受賞の喜びを語る選手と監督
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また、3人の選手を傍らで温かく見守ってきた監督も驚きを隠せないといった様子ながら、以下のようにコメントしました。
「我が校は商業高校のため、みんなパソコンをやらせればピカイチですし、ネットに接続すればどこにでも行ける。そんな「画面を見て判断する」ということに日々慣れています。 でも、この「はんが甲子園」に出場するにあたり、「足で歩き、心で感じる」ことを大切にしようと思ってやってきました。 生徒たちは、私が疲れて寝ていても「一刻入魂」という言葉を掲げ、一彫り一彫りに心を込めて、彫り進めてきました。色もほとんど使わず、地味な作品なのに、このようなすばらしい賞をいただくことができ、とても驚くとともに嬉しく思っています。 佐渡の皆さんは本当に温かく、いい場所で作品作りができたことを感謝しています。」
作品に注がれたエネルギーは、どの学校もまっすぐで力強くて、まさに「甲乙つけがたい」ものでした。
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島根県立出雲商業高等学校の作品 「時の贈りもの」
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選手の「これから」を支える体験でした。
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「自然豊かで多彩な文化がある佐渡で、仲間と協力し、信頼し合いながら版画制作を行った体験は、これからの選手たちの人生で必ずプラスになることでしょう。」
「この体験は、どこかで悩みとどまったとき、問題を乗り越えるヒントになるかもしれません。どんなときも、常に「生」のものから何かを感じてください。」
これは、講評を述べた審査員やあいさつをした方々が話していた内容です。
選手たちは、この佐渡で作り出した作品とともに、仲間との厚い信頼関係や協調性、そして忍耐力など形のないすばらしい宝物をふるさとに持ち帰ったに違いありません。
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はんが甲子園の会場: 各校ごとに、作業スペースが区切られています。
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☆レポーターから☆
昨年に引き続き、今年もはんが甲子園を「観戦」してきました。
限られた時間の中で、作品の構想を練り、どのような工程で作っていくのか。その際の自分の役割は何なのか。しっかりと考えて行動している選手たちの目には、ぶれない強さと輝きがありました。
版木から出た木くずの掃除を買って出ていたある選手。そして、それをすぐに手伝おうとしていた他の選手。ただ作品を作ればいいというわけではない。そこに伴う様々なこともみんなで協力し、コミュニケーションをとりながら大会を戦おうとする選手たちの志には、学ぶことがたくさんあったように感じます。
版画は言葉のない表現方法の一つ。作品を見ていると、「制作者はどんなことを考えたのだろう。(人物が描かれていれば)その人とどんな会話をしたのだろう」といった想像がどんどん膨らんでくるような気がします。作品が作られた過程を知っていれば、また違った見方もできると思います。
そうした心の豊かさを広げてくれる芸術が、佐渡に身近に存在することを誇りに思います。
「はんが甲子園」大会は、選手の心のみならず、大会を観戦する人や作品を見る人の心も育ててくれているのではないか。そんなことを感じたすばらしい大会でした。
佐渡地域振興局企画振興部 戸田
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