新潟県ホーム の中の市町村・地域振興の中の【佐渡】佐渡地域振興局でNPO法人佐渡芸能伝承機構の松田祐樹さんからご講演いただきました。

 【佐渡】佐渡地域振興局でNPO法人佐渡芸能伝承機構の松田祐樹さんからご講演いただきました。

2009年12月10日
行政講座で初めての外部講師をお招きしました。

 11月27日(金)に佐渡地域振興局でNPO法人佐渡芸能伝承機構の松田祐樹さんから「佐渡の祭りと地域づくり」というタイトルでご講演をいただきました。

 佐渡地域振興局では、職員が自分の仕事の内容を他の部署の職員に説明し、意見交換を行う「行政講座」を年に1~2回程度開催しています。

 これは、他の部署が担っている仕事の内容を理解して視野を広げ、お互いの連携を強めることで、よりよい事業の企画、実施に役立てることを目的として行っているものです。今回はこの講座の特別講師として、松田さんをお招きしました。

 松田さんは、島内の集落に伝わる祭りを伝承する活動を通じて、集落のまとまりを保ち、人と人との交流を活発にする活動を積極的に行っています。
 具体的には、島外の学生を呼んでお祭りを一緒に体験してもらったり、お祭り自体を映像記録として保存したりする活動を行っています。

行政講座で初めての外部講師をお招きしました。

目標は「佐渡の祭り・お助け隊」!

 この日の講座には、約20人ほどの職員が参加しました。

 松田さんはまず「島外の学生たちは、まず“お祭り”と聞くと“模擬店”を思い浮かべる人が多く、鬼太鼓を舞う佐渡の文化が独特だということを改めて感じた」と語り、同時に「“門付け(かどづけ)”(※)という言葉を知らない学生が圧倒的に多いことに驚いた」と話しました。

(※)「門付け」とは、祭りの際に鬼太鼓が地区の家一軒一軒を回り、玄関先で舞を披露すること。縁起物とされ、門付けをされた家の人は、鬼にご祝儀を振る舞います。

映像を交えながら、分かりやすくお話しくださいました。(スクリーンに映っているのは、大獅子です。)

映像を交えながら、分かりやすくお話しくださいました。(スクリーンに映っているのは、大獅子です。)

熱く語る松田さん

 そして、具体的事例として、まず黒根(くろね)地区に新潟大学教育学部の学生を招き、体験してもらったエピソードを映像を交えて紹介しました。

 黒根地区のお祭りでは、大獅子(大きな獅子頭を持つ獅子舞)をやるだけでも10人必要ですが、家が9軒しかなく、集落だけではお祭りが維持できなくなっていました。

 お祭りを止めていた時期もあったのですが、この地区の鬼太鼓を舞える子どもたちがいなくなったことに危機感を持った人たちが、平成15年に復活させたとのことです。

熱く語る松田さん

学生たちが祭りのとりこに!「後輩たちに譲りたくない。」

 今年の4月には同じく新潟大学教育学部の学生が豊岡集落に入り、地域の祭りを体験しました。
 鬼太鼓の振りを覚えるために、数週間集落に泊まり込み、地域の人たちからごはんやお酒を振る舞われたり、もらい湯をしたりすることで、お互いの親睦を深めることができたそうです。

 松田さんはそのときの心に残るエピソードを次のように話しました。

「私がその学生たちが帰るときに“しっかり後輩たちに受け継いでくださいね。”と言うと、なぜか“嫌です。”と答えるのです。
 その理由を聞いてみると、“自分たちがまた絶対に来たいから、後輩に譲りたくない。”と言うのです(笑)。
 学生たちの話の中からは、佐渡の伝統芸能に対する尊敬の言葉がたくさん出てきて、“祭りのすばらしさを分かってくれたのだ”と思うと、本当に嬉しかったですね。」

学生をイメージしたイラスト

海外からも祭りを学びにやって来た!

海外をイメージしたイラスト

 祭りの体験にやって来る学生は日本国内にとどまらず、今年6月には、両津の羽吉地区にアメリカのパシフィック大学から7名の学生がやって来ました。

 7名のうちの4名は日本留学経験者でしたが、皆さん佐渡に来るのは初めてでした。
 皆さんが口を揃えて言ったのは、「何回も日本に来ているが、佐渡に来て初めて日本の文化に触れた」ということ。
 初めて見る鬼太鼓を一生懸命に練習し、祭り当日は力一杯の演技を見せてくれました。

 「濃く深い」佐渡の伝統文化に触れ、心にも大きなものが刻み込まれたに違いありません。
 その証拠に、一人は日本のある市役所に就職を決め、もう一人はALT(日本の小中学校などで外国語を教える外国人教師)として働くことになっています。
 さらにもう一人は、佐渡に農業研修の希望を出しているとのことです。

職員にも伝わった「祭り」の魅力。

 映像を交えながら、分かりやすく、そして熱くお話ししてくださった松田さんの話に、職員も集中して耳を傾けていました。

 その後の意見交換では、自分も集落の祭りに参加していたエピソードを紹介する職員がいるなど、終始和やかかつ活発な雰囲気の中、講座が終了しました。

 自身のふるさとを振り返り、「祭り」に限らず、そこに伝わる宝物を絶やさず磨き上げるにはどうしたらよいのか。地域の人々と地域の将来をどのように育んでいくのか。

 こうしたことを考えながら自らの足元を見つめ直すとともに、新たな視点から佐渡の活性化を考えるよい一歩となった、実り多い講演会でした。

県職員をイメージするイラスト