新潟県ホーム の中の高齢者・障害者・福祉の中の島民クローズアップ・インタビュー(テーマ:“育む(はぐくむ)”)vol.13

 島民クローズアップ・インタビュー(テーマ:“育む(はぐくむ)”)vol.13

2009年08月21日
このページでは、島内で頑張っている人を紹介する「島民クローズアップ・インタビュー」をお届けしています。
 毎月、佐渡地域振興局の各所属や事務所が「育む(はぐくむ)」というテーマをもとにふさわしい方を訪ね、インタビューを実施します。

※インタビューの記事は、毎月21日に更新します。

第13回目は障害を持った方が働く場「愛らんど畑野」を運営している佐藤美恵子さんを訪問しました。(訪問日:7月31日)
佐藤さんは、「障害を持った方が『障害があるから』という理由でクビにならない、自立心をもって働いてもらおう、そして、地域の方にも受け入れてもらおう」と思い、障害者の施設「愛らんど畑野」を立ち上げました。現在、「しあわせ豆富」の製造などを通じて障害者と地域住民とのふれあいを進めています。
今回はそんな行動力あふれる佐藤さんの熱い胸の内を語っていただきました。

佐藤美恵子さん

佐藤美恵子さん

Q1 「愛らんど畑野」さんの活動内容を教えてください。

 豆腐の製造・販売、うち豆、ホテル等で使っているエコ箸の箸袋の製作、ガスメーターの分解などを行っています。
 昔は裂き織りもやっていたのですが、最近は売れなくなってきましたのでやめました。
 今は豆腐に力を入れています。

Q2 どういった方が働いているんですか?

 18~30歳くらいの障害を持っている方、たとえば養護学校の卒業生さんや別の就職先でうまくいかずに戻ってきた方達です。
 豆腐づくりには指導員さんに加わってもらい、販売、配達もしています。
 車の運転は指導員さんがやっていますが、障害を持った方も一緒に販売や配達をしています。

Q3 豆腐づくりを考えたきっかけは何ですか?

 一番最初に考えたことは「農作業」です。
 人間は土をいじることで一番精神が安定するという発想から、みんなで土いじりをしようと、いろんな農作物を作りました。この中で一番採れたのが大豆でした。
 ところが作った大豆があまりにも安い値段だったのです。それならばその日その日に消費されるものを作ろうと思い、そこにあった大豆で豆腐作りに挑戦しました。
 豆腐作りにあたって職員、利用者、保護者全員で宮城の蔵王まで行って勉強してきました。

Q4 やりがいや喜びを感じる部分は何ですか?

 利用者がみんなで協力して一つの豆腐を作ること、お互いに助け合うことに喜びを感じますね。
 休んだりする人がいると必ず誰かが「今日は○○さんいないからその人の分もがんばろう。」と自発的に声かけをするようになりました。
 豆腐作りは朝早くから行いますが、8時半になると「佐藤さんは工場から上がって休んでください。」と言われるようになりました。わたしの身体の心配もしてくれているんですね。
 自分達が助け合えば自分達でできるという自信が出てきて、本人達の責任感や自立心が高くなってきていることがうれしいです。

Q5 逆に苦労なさっている部分はどういった部分ですか?

 豆腐は食品であるため、衛生面の管理に細心の注意を払っています。洗い物一つにしてもキチンと洗ってあるか、チェックは厳しくやっています。 衛生面がしっかりしていないと、何かあったときに「やっぱり」と思われてしまうので、そういった点に神経を使っています。

Q6 豆腐作りを始める前と現在とで、利用者に変化はありましたか?

 豆腐作りを始める前は、元気のない暗い感じで下を向いて通所していたのですが、豆腐作りをするようになったら自信を持って生き生きと歩くようになったと、商店街の人たちが言ってくれました。
 本人達も仕事として「これをやっているんだ」という自信につながっていると思います。

Q7、一日の注文はどれくらいありますか?

 一日平均500個くらい作っています。
 いつもは飛び入りの注文が入ってもいいように1釜分は余計に豆をつけてあります。
 今日は19釜動いていて1釜で30個作れるから570個くらいですね。金曜日は豆が残らないように全部作るのでちょっと多いんですよ。

Q8 豆腐を食べた方々の反応はいかがですか?

 「なめらかな豆腐で美味しい!!」などの声をたくさんもらっており、評判は上々のようです。
  国産の豆100%と佐渡の海洋深層水のにがりを利用して作っているんですよ。
(ちなみにリポーターの食卓にも毎週並んでいます。)

Q9 障害を持った方や消費者と交流する機会も多いとは思いますが、どんなことを感じますか?

 障害をお持ちの方は自分の殻の中から外に出にくいですが、豆腐の販売や配達を通してお客さんとコミュニケーションをとることができるようになりました。
 「お代は○○円です。」や「ありがとうございます。」など会話をすることにより、外の方々とふれあうことが多くなりました。
 お客さんから「○○ちゃんのお豆腐美味しいよ。」と声をかけられると喜んで帰って来ますね。

Q10 今後どういったことをしてみたいですか?

 油揚げ等の豆腐中心とした関連の商品を製造、販売したいですね。
 来年はキノコの販売もやってみたいですね。実はもうナメコと椎茸は菌打ちしました。一度菌を打てば4~5年は生えてくるからサイクルを作ろうかなと思っています。


☆インタビュアーから☆

 佐藤さんはとてもエネルギッシュな活動家で、インタビューを通してその情熱がビシビシと伝わってきました。
 取材の中で佐藤さんが言っておられた「日頃税金でお世話になっているこの子供達が恩返しをできるようにとやっています。」という言葉には頭の下がる思いです。
 この取材は、佐藤さんの熱意や障害を持った方達の頑張りを身近に感じることができた、そんな心打たれる取材でした。

            佐渡地域振興局健康福祉環境部 鯨岡