新潟県ホーム の中の農林水産業の中の島民クローズアップインタビュー(テーマ:“育む(はぐくむ)”)vol.11

 島民クローズアップインタビュー(テーマ:“育む(はぐくむ)”)vol.11

2009年05月21日
 島内で頑張っている人を紹介する「島民クローズアップ・インタビュー」をお届けしています。
 毎月、佐渡地域振興局の各所属や事務所が「育む(はぐくむ)」というテーマをもとにふさわしい方を訪ね、インタビューを実施します。
※インタビューの記事は、毎月21日に更新します。

 第11回目は、高橋農園さんを訪問しました。
 高橋農園さんは、水稲の栽培を中心に、様々な取り組みを通し、地域との交流を深めながら、農業生産に取り組んでおられる組織です。また、新しい佐渡の特産品として期待されているトキ色メロンの栽培にも取り組んでいらっしゃいます。今回は会社組織として農業に取り組まれた経緯や、トキ色メロンについてお話いただきました

高橋農園さんのメンバー

Q1 法人(会社)として農業に従事しようと考えられた理由について教えてください。

 以前は土木の会社を営んでいましたが、土木関係で受注量の減少が著しくなってきており、これからは土木よりも農業だろうと考えました。県の方からも土木関係の異業種参入を促すような施策もあって、助成事業等は利用しなかったのですが、会社として農業分野に参入することを決めました。
 また、取引のみならず地域に対する信用度について考えると、個人よりも会社としての活動の方が、責任も大きくなりますが信頼を得やすいと考えたためです。

Q2 会社として規模の拡大を図っているかと思いますが。

 今年度はおよそ23haとなりました。今後、30、50haと増やしていき、経営の安定化を図りたいと思っています。また、大切な田畑をお預かりすることになるので、うちに預けて良かったと思われるようにと管理しています。

Q3 会社化して変わったことはありますか。

 お米などの直接販売を始めました。以前は、農協に出荷してしまえばそれでいいや、というような思いも正直ありましたが、選んでもらえる商品、製品づくりのためには、お客様が何を望んでいるかを意識するようになりました。
 その場で売れるかどうかは別として、朱鷺夕映え市や、オープンマーケット、首都圏の業者さんと商談会等に参加していますが、ニーズの把握に有効と考えています。また、信用を得るという点からも顔と会社を覚えていただくことも良いことだと思っています。

水稲苗ハウスの換気 安全・安心で美味しいお米作りには丁寧な管理が欠かせない。


Q4 佐渡産の農産物や「トキ色メロン」についてどのようにお考えですか。

 佐渡産というのは非常に良いものが多いと思うんですが、問題点としてはロットがまとまらず、消費地に繰り出す量がない、ということがひとつ。お米は別なんでしょうけど。外にまとめて出すような量がないということであれば、まあ、地産地消的なところで限定ですよみたいな販売の仕方になってしまうのかもしれませんね・・・
 全国からいろんな商品が季節を問わず集まりますから、その中で佐渡産というのが、食い込んでいけるのかは簡単ではありませんが、トキというシンボリックな鳥のおかげで、トキと名前がついた商品は「ああ佐渡だな」と消費者に認知してもらえる、受け入れられる商品だろうと思います。
 トキ色メロンはサクサク感と、一般的なメロンの滑らかな食感といろいろ使い分けができ、糖度も高くておいしいなと思っています。サクサク感であれば収穫後すぐ召し上がっていただき、ちょっと柔らかい方が好みであればちょっと時間を置いておくということで、好みに応じて食べていただけると思います。労働力のバランスがとれれば1000玉位はつくりたいと思いますね。現状は育苗ハウスのあとで栽培している関係で、そこまで数を採れませんが。

トキ色メロンの苗。 水稲ハウスが空いた後に定植される。

8月頃から収穫を迎える

中心部の果肉がトキ色となる



Q5 地域の農業の担い手としてトキとの共生についてどのように考えていますか。

 トキとの共生というのはこれからは環境という分野で取り組まなければいけないと強く思っています。生物多様性ということについては非常に大事なことだと思っていますし、それが結果的に5割減減栽培といった取り組みにも繋がってきましたし。
 トキは会社の田んぼには来てくれませんでしたが、コウノトリ(2008年8月に佐渡に飛来)は来ましたね。野鳥が多く生息できる環境が整ってくれば、トキも帰ってくるんでしょうかね。

Q6 ひまわりでバイオ燃料の生産を考えているとお聞きしましたが。

 休耕田にひまわりを咲かせて、それで、巨大迷路にして子供たちが夏休みに遊べるようにして、種を収穫し、油を絞りてんぷらにでも使ってもらって、その廃食油を今度バイオディーゼル燃料にする。で、それを燃料にしたトラクタでお米を作るというような循環を考えています。ただ、脱穀、収穫作業が大変で去年は油を絞るところまではいきませんでした。

今後は油の精製にも挑戦

Q7 今後の展望について教えてください。

 経営規模の拡大をやっていかないといけないかなと思いますし、米だけではなくて、メロンもそうですけど、いろんなものに取り組んで、地産地消というところにも貢献したいとは思っていますね。やっぱり自分たちで食べるものは自分たちで作らないと。40%の自給率というのは悲しいものがあるので、少なくとも自給率をあげられるような取り組みというのはしていきたいと思いますね。加えて、安全安心というのは絶対条件となってくると思います。

息子さんもコンバインに乗ってお手伝い?


☆インタビュアーから☆
 お忙しい中、高橋農園の皆さんから快くインタビューに応じて頂きました。誠実な会社運営と、佐渡の安全・安心な美味しい農産物を支える生産者としての責任を持ち、生産に取り組まれていると感じました。
 微力ながら当センターも試験研究を進める中で、生産者の皆さんや佐渡の農業を支える存在でありたいと、改めて思いました。
農業総合研究所 佐渡農業技術センター H