(1)コシヒカリBL品種の育成方法
○ 従来コシヒカリを母に、いもち病抵抗性品種を父として1度交配し、その子供に従来コシヒカリを繰り返し(5回~6回)交配して育成しました。 生育、外観、品質、食味などは従来コシヒカリと同等です。
コシヒカリ新潟BL1号の育成方法(連続戻し交配)
○ BL1号~6号及びBL9号~12号は品種登録済み。
○ BL9号、10号は、これまで開発したBL8号を母に、BL1号、BL2号を父としてそれぞれ交配し、開発しました。同様に、BL11号とBL12号は、BL7号を母に、BL2号、BL5号を父として交配し、開発しました。
コシヒカリ新潟BL10号の育成方法
(2)コシヒカリBLの品種構成計画
○ コシヒカリBLは、計9品種のうち4品種を混合して栽培されています。
これは、異なるいもち病抵抗性を持つ複数のBL品種を混合して栽培することにより、BLを侵す新たないもち病菌レースの出現を抑制し、発病抑制効果を安定して維持するための仕組み(マルチライン)です。
○ ただし、同じ品種構成を長く続けると、その品種に感染する新たないもち病菌レース(菌の系統)が現れやすくなるため、2~3年程度で品種を入れ替える必要があります。このため、県内のいもち病菌レースの分布状況を調査しながら、計画的に品種構成を変えていくこととしています。
○ 平成20年産~21年産のコシヒカリBLは、BL1号、BL2号、BL4号、BL10号の計4品種を混合して栽培されています。
○ 平成22年産のコシヒカリBLは、BL1号、BL2号、BL3号、BL10号の計4品種を混合して栽培されます。
≪平成23年からコシヒカリBL11号を一般栽培に導入します≫
経過
○コシヒカリBL11号は、平成24年に構成品種として導入することとし、平成23年からの一般栽培への導入(1年前倒し)についても可能性を検討してきました。
○検討の結果、①コシヒカリBL11号を混合した種子を確保できる見通しになったこと、②コシヒカリBLの抵抗性系統を侵害するレースの発生が確認されたことから、平成24年から導入予定であったBL4号と11号の組合せを1年前倒しすることになりました。
【コシヒカリBLの抵抗性系統を侵害するレースの発生について】
・平成21年度に、県内のいもち病調査ほ場等(約2,800地点)において、いもち病が確認された49地点のうち7地点で、コシヒカリBLの抵抗性品種(BL3号、4号、10号)に感染する新たないもち病菌が確認されました。
・発生地点はごくわずかで、対策を行うことにより、コシヒカリBLのいもち病の抵抗性効果は維持できると考えられました。
・その対策は、①多発生地において、新たないもち病菌の発生・増殖を抑えるため、防除対応を「葉いもち防除」に変更すること、②平成23年度以降の品種構成計画を変更することです。
・品種構成計画の変更については、①コシヒカリBL10号は平成22年で3年連用となること、②BL4号の侵害レースの広がりはBL3号に比べて小さいと推測されることから、平成24年から導入予定であったBL4号と11号の組合せを1年前倒しすることになりました。品種構成と構成割合は下表のとおりです。
品種構成計画
《参考》
コシヒカリ新潟BL11号の特性は、以下のとおりです。
◆倒伏のしやすさ、品質、食味は、従来コシヒカリと同等です。
◆また、従来コシヒカリと同様に倒伏しやすい品種ですので、地力の高いほ場では、施肥量や生育調節に十分留意が必要です。
◆なお、平成22年に平成23年品種構成(1号、2号、4号、11号)の実証ほ及び展示ほを設置しますので、最寄りのほ場で生育状況をご覧いただき、平成23年の栽培の参考としてください。
BL11号の品種特性
(3)コシヒカリ新潟BL1号から6号及び9号から11号の概要
① 特記すべき特徴
〔長所〕いもち病真性抵抗性以外の品種特性は従来の「コシヒカリ」と同じである
〔短所〕長稈で倒伏しやすい
② コシヒカリ新潟BL1~6号、コシヒカリ新潟BL9~11号の特性
特性一覧(
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(4)コシヒカリBLのいもち病防除農薬削減について
① コシヒカリBL導入による農薬使用量の削減
コシヒカリBL導入により、農薬使用回数(成分回数)は、慣行防除に比べ、約25%削減可能です。
【コシヒカリBL導入による農薬使用回数削減の試算例】
| 防除時期 |
削減可能な農薬例(成分数) |
成分回数 |
| 出穂前~出穂期直前 |
ブラシン (殺菌剤2) |
2 |
| 穂ぞろい期まで |
カスラブサイド(殺菌剤2) |
2 |
| 県慣行防除における農薬使用回数(成分回数):18回 |
|
| 農薬使用回数(成分回数)削減率 = (2+2)/18×100 ≒ 25% |
※ いもち病多発生地域を除く、平場の試算例
② コシヒカリBLの混植によるいもち病発病抑制効果
コシヒカリBLは、従来のコシヒカリに比べ、いもち病の発病度が低くなっています。
平成10年度、平成12年度ともに、抵抗性品種の混合率が高いほど、葉いもち・穂いもちの発病度が低くなっています。
(現行のコシヒカリBL種子の抵抗性系統混合率は、70%)
BL混植による発病抑制効果
③ コシヒカリBL実証ほの葉いもち、穂いもちの発病状況
(平成15年度、15箇所)
冷害年であった平成15年度において、コシヒカリBLは葉いもち、穂いもち共に発病株率、発病度は従来コシヒカリと比較して低くなりました。
県下15箇所の実証の結果、コシヒカリBLのいもち病に対する抑制効果が十分に発揮されました。
BL実証ほでのいもち病の発生状況
④ 葉いもち、穂いもちの発生状況
コシヒカリBLを導入した平成17年度は葉いもち、穂いもち共に発生面積率が低くなっています。
葉いもち・穂いもちの発生面積率の推移