新潟県ホーム の中の農林水産業の中の「平成21年度版:農業大学校の米づくりを紹介します!」 NO.1 ~農薬や化学肥料を使用しない環境に優しい稲作りを実践しています。~

 「平成21年度版:農業大学校の米づくりを紹介します!」 NO.1 ~農薬や化学肥料を使用しない環境に優しい稲作りを実践しています。~

2009年04月08日

 昨年から大学校で生産したコシヒカリの一部を学生の経営実践学習の一環として大学校内の直売所(6~10月毎週木曜日開催)や新潟県職員生活協同組合で玄米や精米として販売させていただき、大変好評を得ることができました。
 4月以降は昨年秋に農薬や化学合成肥料を一切使わず栽培した安心・安全な大学校産コシヒカリを精米として販売する予定です。
 そこで今回、農薬や化学肥料を一切使わず栽培した大学校産コシヒカリの栽培で通常の栽培と異なる点を一部写真で紹介するとともに、次回以降は新2年生の稲づくりの奮闘ぶりを順次内容を更新して紹介する予定です。
 また、4月以降販売する大学校産コシヒカリの生産履歴等も掲載しますので、ぜひご覧ください。

種子消毒
 種子消毒は、種もみに付いている病原菌を殺菌し、稲が病気にならないようにする重要な作業です。
 農薬や化学肥料を使わず栽培したコシヒカリは、60℃のお湯に10分間浸けることで熱消毒をしました。

60℃のお湯が入った桶の中に10分間種もみを浸けて消毒します。

60℃のお湯が入った桶の中に10分間種もみを浸けて消毒します。

は種プラントで育苗箱に培土を入れ、種もみをまいていきます

種まき
 種まきは「すじまき」とも言われています。は種プラントを使い育苗箱に培土を入れ、種もみをまいて、水をかけ、その上から覆土をかぶせていきます。播種プラントではこれらの作業を自動で行います。
 農薬や化学合成肥料を使わず栽培したコシヒカリでは、焼いて消毒した培土を使い、肥料は「魚かす」と「鶏ふん」の100%有機質肥料を使用して育苗を行いました。種まきが終わった育苗箱は、育苗ハウスの中に並べられ、田植えができるようになるまで苗を育てました。

は種プラントで育苗箱に培土を入れ、種もみをまいていきます

耕起(こうき)・代かき(しろかき)
 田植えの前の春先に、肥料をまき田んぼを耕すことを耕起(こうき)または田おこしと言います。耕起した田んぼに水を入れて、表面を砕土することを代かき(しろかき)と言います。代かきをすることで、田んぼの表面が適度に柔らかくなるとともに平らになり、苗がきちんと植えやすくなります。
 また、田んぼからの水漏れを無くしたり雑草を土の中に埋め込む効果があります。
 農薬を使わない稲づくりでは、雑草の害が問題となりやすいので丁寧な代かきを行ない、泥が落ち着いたらなるべく早く田植えをすることで、雑草との競争に負けないようにします。このほ場は、田植え前に2回代かきを行い
雑草をなるべく埋め込むようにしました。 

トラクターにハローを装着してしろかきをします。

トラクターにハローを装着して代かきをします。

紙マルチ田植えの様子

紙マルチ田植え
 紙マルチ田植えは、専用の田植機を使って写真のように田面に紙製のマルチ(被覆材)を敷きながら、その上に苗を植えていく田植え法です。田面に紙を敷くため、雑草が生えにくく農薬を使わない稲づくりに適しています。
 紙は、中干しの頃(田植え40~50日後頃)まで田面に残っていますが、その後分解して無くなります。
 強風の日は紙がめくれてしまうので、田植えは風のない日を選んで行います。このほ場は5月19日に田植えを行いました。

紙マルチ田植えの様子

田植え直後の苗
 紙マルチ田植え後の苗の様子です。うまく紙マルチの上に苗が植えられています。田植えの際に田んぼの水が多いと紙が浮いてうまく植えられないばかりか、紙が風に流されてしまい、せっかく上手に植えた苗を引き抜いてしまいます。逆に水が少なく田面が完全に露出した状態では、紙が田面に密着しないので風でめくれやすくなります。水の加減には細心の注意が必要です。 

紙マルチ田植え後の苗の様子

紙マルチ田植え後の苗の様子

生育調査の様子

生育調査
 基肥(もとごえ:田植え前にまく肥料)に有機質肥料の鶏ふんを使用しているため、肥料の効果が現れる時期が気象要因や土壌条件に左右されやすく、化学肥料に比べて一定ではありません。そのため草丈や茎数、葉の数や葉の色を調査して稲の成長の具合を調べる生育調査が重要になります。農薬・化学肥料を使用しないほ場では、生育過剰のため穂肥(ほごえ:穂が出る前にまく肥料)をまくことを中止しました。

生育調査の様子

出穂直前の様子
 穂が揃った様子です。若干、ヒエが見えますが紙マルチの覆っている場所は雑草が見られません。紙のはがれたところやつなぎ目の隙間には雑草が生えましたが、手取り除草で対応しました。
 
 

出穂直前の様子

出穂直前の様子

雑草を一生懸命手取りしている様子

 紙マルチのはがれたところやつなぎ目の隙間に生えた雑草を手取りしました。手取り除草は合計4日かかりました。また、畦畔周りの雑草は刈払機で合計3回刈り払いました。

雑草を一生懸命手取りしている様子

収穫の様子
 9月24日にコンバイン収穫を行いました。コンバインは前の籾が混ざらないよう念入りに清掃してから収穫しました。収穫した籾は他の籾と混ざらないよう単独の乾燥機で乾燥し、単独のタンクに貯蔵した後、9月28日に調製を行いました。

コンバインでの収穫の様子

コンバインでの収穫の様子

貯蔵庫への搬入

 袋詰めされ、一時保管施設に保管していた玄米は、3月に新しく導入された米貯蔵庫に搬入しました。1年中15℃以下で保管できる貯蔵庫を導入したことで、夏季でもおいしい農業大学校産の米を提供できるようになりました。

貯蔵庫への搬入


 以上が農業大学校の農薬・化学合成肥料を全く使わないコシヒカリ栽培の様子です。4月下旬以降に大学校の直売所や新潟県職員生協で販売する予定です。主な生産履歴を示しますので参考にしてください。
                     
                                 新潟県農業大学校稲学経営科


               
           生産履歴(C-3ほ場)

1 品 種  コシヒカリBL

2 作業履歴
 (1)育苗(2008年)
    育苗培土づくり: 3月13日
    種もみ消毒  : 4月18日(60℃10分の温湯消毒)
    種まき     : 4月30日
    

 (2)本田作業(2008年)
    田おこし   : 4月15日、23日
    代かき    : 5月13日、14日
    田植え    : 5月19日
    中干し    : 7月10日
    草刈り    : 6月 9日、7月12日、8月18日
    手取除草  : 8月 5日、6日、7日、8日
    収 穫    : 9月24日
    乾 燥    : 9月24日~25日
    調 製    : 9月28日
    精 米    : 4月下旬から順次予定
    袋 詰    : 4月下旬から順次予定 
       
 (3)施肥(肥料まき)
    育苗基肥   :魚かす 28g/箱 、鶏ふん 61g/箱
    本田施肥   :発酵鶏ふん 41.7kg/10a
   
    ※ 化学合成肥料量 0kg/10a
      (地域の慣行栽培の化学合成由来の窒素成分量は6kg/10aです。)
 
 (4)病害虫雑草防除(農薬による防除)
    育苗培土の殺菌剤:未使用
    本田殺虫剤   :未使用
    除草剤     :未使用 

※ 使用した総農薬成分数:    0成分  
     (地域の慣行使用農薬成分数は18成分です。)


 (5)品 質

    玄米等級品質:     2等
    玄米粗蛋白含有率:  6.75%
   
   ※ 玄米の等級品質は1等、2等、3等、規格外の順になります。