新潟地域振興局企画振興部
新潟地域振興局が所管している地域は、新潟市、五泉市、阿賀町です。
この、「にいがたふるさとレポート」では、地域にある隠れた名所やイベントなどのさまざまな地域情報を、インタビュー形式でご紹介しています。
ぜひ、記事をご覧になって、各地に足を運んでくださいね!
これが「トゲソ」です!たくさんのトゲで”重装備”しています。
このページに掲載している写真、イラスト等の著作権は「NPO法人五泉トゲソの会」に帰属します。
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トゲソってなあに?
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「トゲソ」とはイバラトミヨの五泉地域での呼び方で、胎内市ではトゲが注射針のように見えるので「イシャジャ[医者(魚=ジャ)]」と呼ばれています。 このトゲソは、氷河期から進化せずに生きている魚で、水温が低く水がきれいなところにしか住みません。水温が20℃ぐらいになると飼うのは難しいと言われています。 実は、この五泉市が北半球のトゲソ生息地の南限なんですよ!県内では他に、胎内市と新発田市でしか生息が確認されていません。
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五泉市は五の泉と書くように、昔はきれいな湧き水が市内のあらゆる場所に湧いていました。 しかし、高度経済成長期に工業用水としてたくさん地下水を使ったり、川をコンクリートで囲んだり、生活排水を川に垂れ流してきました。 その結果、川の環境が悪化して水が腐り、藻が減り、トゲソの住む環境がしだいに少なくなり、市街地から姿を消してしまいました。 もともと、トゲソは「売れない、飼えない、食えない」と言われ、経済価値がないので見向きもされなかった魚なんですが、実は「環境の見張り番」だったんですよね。
”味方千人、敵千人”とはよく言ったもので、「トゲソなんて居なくても関係がない」という人もいれば「トゲソが居るところは水がきれいだから人が定着した。人はトゲソを敬うべきだ」なんて言ってくれる人もいますよ(笑)
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五泉トゲソの会 会長の高橋さん
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会を始めたきっかけは何ですか?
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活動のきっかけは、「阿賀に生きる」という映画を上映したこと。上映会でお金が余ったので”水に関係のある勉強会をしよう!”ということになりました。 勉強会をしている時、たまたま「塚野金松」さんという方が、イバラトミヨの生息を確認したという新聞を見たのがキッカケで、当時胎内市でイバラトミヨの保護活動をしていた「佐藤正」さんに会い、水のきれいなところにしか住まない「トゲソ」が五泉市にも住んでいることが分かりました。 それじゃあ、関わってみようか!ということで取り組みを始めました。
昔の人はトゲソの卵を面白半分で食べていた人もいて、トゲソのことも知っていますが、若い世代は五泉市民でもほとんどの方が知りません。若い人からもぜひトゲソの生態を知っていただきたいですね。
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五泉トゲソの会 常務理事中村さん
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トゲソの一生
活動を続ける”ミソ”
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トゲソが縁となって東京や様々なところへ足を運び、自然豊かな五泉市を宣伝しています。環境を守ったり、五泉の宣伝をしたり・・・。いわば、市民公共活動をしています(笑)。
ただ、最近ではトゲソだけを守ろうと思っても活動は継続しません。10年経ってようやくそのことに気付きました。トゲソを鏡にしながら地域の景観や環境、文化を守っていかないといけないんですよね。これこそが本当の地域活動だと思っています。 トゲソはきれいな環境が残されている象徴なんです。トゲソを守ることは、きれいな川や、川の源水地である山、そして川の水で浄化されている海を守ることにつながります。 せめて次の世代には、昔のようなきれいな環境を残したいという想いです。
話は変わりますが、13年もやっているといろいろな名言が出てきますよ(笑) ”「運動」は、カゴに乗る人、カゴを担ぐ人、その担ぐ人のゾウリを編む人・・・いろいろな人の力がないと動かない” 様々な人の協力がないと事は成し得ないと言うことですね。
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熱く語る二人には時間が足りなすぎます。
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「早出川清流スクール」も今年で9回目!
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子どもたちに「川を知ってもらうこと」これも我々の役目だと思っています。川は危なくありません、川への近づき方を覚えれば楽しい遊び場なんです。「川をきれいにしながら、楽しく川と馴染んでいきましょう」を合い言葉に清流スクールを開催しています。 難しい話になるかもしれませんが、子どもたちには「自然は持続可能である」ということをぜひ覚えてもらいたいと思っています。 昔は、川に鮭が上がってきたら必要な分、数匹だけ捕ればいいと考えていました。早出川に今も残されている「カギ流し漁」という漁は、次世代へ鮭を残す漁法です。 現在は「全て一網打尽に捕ってしまえばいい」という考えが、「合理的」と考えられるようになってしまいました。儲かりますからね(笑) しかし、それでは今日は良くても来年は収穫がゼロになり、持続可能ではなくなるんです。
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五泉トゲソの会主催「早出川清流スクール」のようすです。
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子どもたちに環境教育を行うときは、ロールプレイゲーム式の学習として、写真のトゲソキャップを被ってもらいます。キャップを被った人は「トゲソ役」になって、トゲソの気持ちを表現するんですよ。 「昔はもっと水が冷たかったな~」とか「もっとたくさん仲間を増やして五泉市を有名にしたいな~」とか、子どもによって言うことはいろいろですよ(笑)。
環境教育の最後に、子どもたちに必ず言う言葉があります。 ・人は自然・大地に生かされている、虫や獣も大切な自然の一部だと思う心が大切です。 ・大きくなったら「暴走族」にならずに、トゲソが大好きな「トゲソ族」になってください。 この2つです(笑)
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トゲソキャップ(子どもより目立ってしまいます!)
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最後に一言!
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心の奥には「五泉の水をどうにかしたい」という気持ちがあります。ブナ林の多い山地の恩恵で、五泉市の湧水は枯渇せずにいますが、山地が荒れてしまうと水も海川も大変なことになります。 だからこそ、人のぬくもりがきちんと伝わるような活動を今後も大切にしていきたいと思っています。
最後の名言 活動していると、時には行き詰まることもあります。そんな時に思う言葉は「明日また陽が昇る」 ”明日になれば何とかなるものだ。人生は考えて解決できるものではない。考えて解決できる程度の事は大したことではない” 今後も、この言葉を胸に抱きながら・・・。
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川を泳ぐトゲソ
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トゲソ米(農薬、化学肥料を半分しか使用していないお米)の稲刈り終了後。 ハイチーズ!!
★☆★☆レポーターより★☆★☆
氷河期から生きているトゲソ。
われわれは、豊かさと引き替えに大切な自然環境を犠牲にし、多くの生き物を葬り去ってきました。
「今が良ければいいと言う考え方もあるけど、次世代への償いだと思ってこの活動を行っている」という会長さんの言葉が身にしみました。
トゲソは私たちに、本当に大切なことは何か?を問いかけています。
新潟地域振興局企画振興部 佐々木&鎌倉