新潟県ホーム の中の市町村・地域振興の中の岩室ぶらり旅

 岩室ぶらり旅

2009年03月24日
企画振興部

 今回は、新潟市西蒲区石瀬地区老人会で、精力的に地域資源の維持管理などにご尽力されている青津さんからお話をお聞きしました。

 岩室温泉周辺には、直江兼続の弟、大国実頼が城主となった天神山城跡をはじめとする様々な見所があります。天神山城跡へと登る"隠れた道"、「お杉とお松」の伝説が残る老杉と松、国指定重要文化財などなど。
 あまり知られていませんが、それぞれに趣や伝承があり、訪れると楽しいところです。
 これからその一部をご紹介しますね。

石瀬地区老人会の青津さん

石瀬地区老人会の青津さん

天神山城跡へと続く「牛の道」

 この道は、かつて麓から尾根づたいに本丸、二の丸に続く道でした。
 なぜ「牛の道」と言われるかというと、牛馬を使って木材を麓まで運んだことが由来となっています。
 天神山城跡に向かう登山口よりも、緩やかで森林の中を歩いて上ることができるので、穴場のコースといえます(笑)。毎年春先に集落の住民で整備を行っていますよ。四季折々の木々や花々を見ることができますので、みなさんからも歩いていただきたいと思います。

牛の道の写真

牛の道の写真

牛の道からみた越後平野

牛の道からみた越後平野

道沿いに咲くマンサク

道沿いに咲くマンサク


牛の道を説明する青津さんと、入口の道標となる「看板」

牛の道を説明する青津さんと、入口の道標となる「看板」

天神山城跡へと続く「牛の道」

天神山城跡へと続く「牛の道」


国の指定重要文化財「種月寺本堂」

 こちらは種月寺というお寺さんです。江戸中期に建てられた本堂は、平成元年に国の重要文化財に指定されました。
 参道を通り門をくぐり、中庭に出ると左手にギンモクセイ、右手にキンモクセイの大木が出迎えてくれます。本堂のかやぶき屋根は、以前はトタンで覆っていたのですが、3年かけて萱の葺き替えを行い、300年前の姿に蘇りました。
 このお寺さんは、藩主が参勤交代を行う際に必ず駕籠から降りて、お参りをしてから江戸へ向かったと言われるほど、古来からの名刹です。

山門の写真です。

山門の写真です。

種月寺の立派なかやぶき屋根です。

種月寺の立派なかやぶき屋根です。

手入れがゆきとどいた種月寺の参道です。

手入れがゆきとどいた種月寺の参道です。


お杉とお松の伝説

 こちらの一本杉と田中の松には次のような伝説があります。

【伊勢参りをしたお杉とお松】
 二人の美しい娘が伊勢参りをし、宇治の門前宿に一泊した。宿帳に越後国蒲原郡石瀬村、お杉、お松の姉妹と記帳した。
 翌朝出立の際「誠にすみませんが、私たちは村に帰り着くまでにはお金が足りません、ご主人様もいつか所用で越後に下り私たちの村を通ることもあると思いますが、きっとその時お返ししますので宿料の二百文をお貸し下さいませんか」と願いました。
 この申し出に主人は、娘達のいじらしさに快く承諾して故郷の村まで帰り着くことを祈って送りだした。
 翌年、主人は思いがけない急用ができ越後に下った。石瀬を通りかかったとき、ふと娘達のかわいらしさを思い出し、訪ねてみたくなった。優しい主人には二百文を返してもらう気持ちは少しもなかった。ところが、娘達のことを村人の誰もが心当たりがなく、主人はやむなく村を通り過ぎ、村はずれの老松の根元で休んだ。ふと見上げると「サシ」にさした二百文の銭が松の枝にかけてあり、山手を見れば一本の老杉が立っていた。
 主人は不思議に思いながら娘達が話してくれた、婆さんの作る団子のうまさを思い出し、茶屋を訪れた。
 婆さんに昨年の娘達の話をしたところ、驚いた婆さんは「きっとあの老杉と老松の樹の精が抜け出して伊勢参りにいったのではなかろうか」としみじみ語った。
 宿の主人は感激し、老杉と老松が見えなくなるまで、振り返り振り返り立ち去ったそうだ。


写真(右上)の杉がその「老杉」で石瀬の一本杉と呼ばれています。
また、写真(右下)の松はその「老松」ではありません(笑)。残念ながら、農地整備の際に、度々移植されたため、現在の松は6代目の松となります。

推定樹齢7-800年の一本杉です。

推定樹齢7-800年の一本杉です。

田中の松です。

田中の松です。

「田中の松」と「良寛の碑」が二つあるの?

 不思議なことに、お杉とお松の「お松」(田中の松)は二カ所あり、その松を見て良寛和尚が句を詠んだと言われています。
 つまり、歌碑もなぜか2カ所あります。

 なぜこのようなことになったかというと、今考えると地域のエゴですね(笑)
 昭和11年当時、石瀬村と岩室村は分かれており、「田中の松は石瀬村にある!」と主張した人々によって、先に石瀬地区にある松に歌碑が建てられました。
 しかし、岩室の人は納得がいかず翌年に「岩室地区にある松こそ本当の田中の松だ!」と主張して歌碑を建立しました。
 ですから、どちらの松も歌碑もほぼ同様ですね(笑)

 さて、ぶらり旅の楽しみをもう一つ。
 矢川放水路を挟んだ県道2号線沿いに、地元の「西蒲バラ会」が運営している「バラ園」があります。約610種類のバラが植えられていて、5月から11月末まで観賞できます。特に女性の方は何度も足を運ばれていますよ。
 もちろん無料ですから、みなさんぜひお越し下さい。

田中の松(石瀬)にある良寛の碑

田中の松(石瀬)にある良寛の碑

田中の松(岩室地区)にある良寛の碑

田中の松(岩室地区)にある良寛の碑




    ★☆★☆レポーターより★☆★☆
     登山道の下草刈り、お寺さんの参道整備など、地域にある資源をとても大切に守っている、青津さんを始めとする石瀬地区老人会のご尽力のおかげで、様々な史跡や資源が絶えることなくきちんと維持されていること。
     これは昭和の日本では、全国各地で見られた光景です。
     地域の人が楽しみながら、大切にしている資源をぶらりと訪ねてみる。そして、地域の人々からいろいろなエピソードを聞いてみる。この春は、そういった「ぶらり旅」をしてみませんか。

     新潟地域振興局地域整備部 山上 
     新潟地域振興局企画振興部 高野&鎌倉