DNA分析 内水面水産試験場では、ニシキゴイ・イワナ・ヤマメのDNA分析を行っています。試験場で飼育しているニシキゴイ親魚をDNA分析したところ、ほとんどすべてがDNA型によって区別することができました。これを応用し、近親交配が進まないような交配方法の検討などを研究しています。
クローンニシキゴイの誕生 平成10年7月、クローンニシキゴイが誕生しました(写真)。メスの遺伝子だけで子供を作る技術(雌性発生技術:しせいはっせいぎじゅつ)を2代繰り返すことで作られたものです。これは世界で初めてDNA分析により、クローンの成功が確認されました。クローンニシキゴイについては、オスの遺伝子だけで子供を作る技術(雄性発生技術:ゆうせいはっせいぎじゅつ)を使って、平成11年にも作りました。クローンニシキゴイは写真のような赤無地か白無地しかできません。ですので品評会で優勝するようなコイのコピーはできません。
大型ニジマスを作る方法 小出支場ではニジマスのバイオテクノロジー技術開発にも取り組んでいます。写真(下)はバイテクの技術でできた「3倍体魚:さんばいたいぎょ」です。種なしスイカとにた原理で、卵を作りません。このため卵を作るエネルギーが成長にまわり、普通の魚(上)より大きく育ちます。現在は民間の養殖業者がこの3倍体ニジマスをお刺身向けの大型魚用に生産しており、みなさんの口にも入ったことがあるかもしれませんね。もともとニジマスが持っている遺伝子を使っているだけですので、食品としての安全性にはまったく問題ありません。
イワナの資源管理研究 イワナを対象とした遊漁者の増加、その要望の多様化、環境保全の必要性等、渓流魚を巡る社会的環境は大きく変わろうとしています。このため、当試験場ではイワナの新たな資源管理体制の構築のため、平成15年度から研究に着手しました。 平成19年度までに、保護区設定要件の解明、遺伝的集団特性の把握、キャッチアンドリリースの効果把握、天然イワナからの効率的採卵技術の確立等の研究を行う計画です。 新潟県の渓流域において、多くのイワナが健全な形で生息し、遊漁者により持続的に利用できることを目指しています。
ニシキゴイの「新穴あき病」について 平成8年末頃から、ニシキゴイの皮膚や鰭に潰瘍ができる死亡率の高い新しい病気が発生しています。それ以前は、似たような症状になる「穴あき病」という病気がありましたが、昇温と水産用医薬品の投与によって治療することが可能でした。 「新穴あき病」は、小型魚でも発生する、頭部や鰭の基部にも患部ができる、高水温で症状が進行する、従来の穴あき病で有効だった治療法では効果が認められない、などの特徴があります。 私たちの研究では、「非定型エロモナス・サルモニシダ」という細菌が「新穴あき病」の病原体であると推察しており、動物用医薬品による治療で効果があることがわかっていますが、必ず獣医師に診てもらい、その指示に従うことが必要です。