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新潟県ホーム の中の防災の中の【長岡】「長岡地域災害時食のセーフティネット検討会」を開催しました
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【長岡】「長岡地域災害時食のセーフティネット検討会」を開催しました

2013年07月17日
長岡地域振興局健康福祉環境部では、中越大震災の発生から来年で10年を迎えるのを機に、新たな10年に向けて「ひと・もの・情報」の観点からの「食の減災対策」を推進するため、「長岡地域災害時食のセーフティネット検討会」を立ち上げました。
7月4日(木)に長岡地域振興局大会議室で行った検討会の様子を報告します。

◎ アドバイザー:ホリカフーズ株式会社取締役経営戦略室長、新潟大学大学院客員教授、日本防災士会新潟県支部長 別府 茂 氏

◎ 関係組織・団体(順不同)
  社団法人長岡市医師会、一般社団法人長岡歯科医師会、公益社団法人新潟県栄養士会長岡支部、食生活改善推進委員協議会長岡地区連絡会、長岡地域介護支援専門員協議会、公益社団法人中越防災安全推進機構、中越市民防災安全士会、有限会社エコ・ライス新潟、越後ながおか農業協同組合、原信ナルスホールディングス株式会社
長岡市危機管理防災本部・健康課、小千谷市危機管理課・健康センター、見附市企画調整課・健康福祉課、出雲崎町保健福祉課、中越教育事務所

1 開会挨拶

当部の片桐部長が検討会立ち上げの経緯について挨拶しました。
「長岡地域は、2004年の7.13水害や中越大震災の被災地域であり、その後も水害や雪害など幾多の自然災害の脅威を経験してきた地域であります。災害対応を通して、被災生活を健康で乗り切ることが継続的な課題となっており、中でも災害時要援護者に対する配慮として食品の供給や備蓄がなおいっそう求められております。
 特に「東日本大震災」の発災以降、大規模災害を生き抜く、被災生活を乗り切るための対策として、食の面からの減災対策が重要であり、災害に関する基本的な知識や技術を身につけ、一人ひとりが災害の食の備えを充実していくことが重要であります。
 中越大震災の発生から来年で10年を迎えるのを機に、新たな10年に向けて、ここ長岡の地域から全国に向けたメッセージが発信できればと考えております。」

2 報告「災害時要援護者用食品の備蓄に関する取組」

当部の職員より、新潟県地域防災計画における栄養指導対策や食料・生活必需品等の確保に関する配慮策について説明の後、実際に災害時要援護者用備蓄を行っている見附市、出雲崎町から取組について説明がありました。また、食品企業の立場としてホリカフーズ株式会社からも商品に関する説明がありました。

左から見附市、出雲崎町の職員さん
〇 見附市の災害時要援護者の内訳は要援護者と、もしもの時に声をかけてほしいという「声かけ支援者」を想定している。平成20年当時災害時要援護者向けの備蓄が進んでいなかったことから、流動食、粉ミルク、小児・高齢者用食、離乳食、乳児紙おむつ等を県防災局の「災害時要援護者用備蓄モデル事業」を活用して整備した。その後も継続して備蓄を行っており、期限が切れる前に自主防災組織や小中学校の防災教育に活用している。
〇 出雲崎町もかつてはおかゆやアルファ米など備蓄が不十分であり、平成20年に県事業を活用して整備を図った。その後も町として備蓄を継続している。ただすべてを網羅するのは難しいことから、個人の備蓄を啓発しながら食事制限のある方のフォローをしている。
〇 災害時要援護者用の食品は、一般の方の目に触れる機会が少ない。施設や病院では、定期的に常に商品を提供しているが、一般住民については、まだまだ常に扱うものになっていないところが課題である。

3 保健医療福祉団体からの意見

医師会、歯科医師会、栄養士会、介護支援専門員協議会の皆さん
〇 医師会として中越大震災の際も感じたが、嚥下障害や便秘や高血圧症の方のために、エネルギーや栄養素を勘案した食事が必要な方への対応が必要と考える。メンタルや不眠の問題などもある。
〇 歯科医師会としては義歯を外したままで避難する人もあることから、対応できる食品の備蓄があるとよい。2か月程度使用できる義歯を即日作成することも可能だが、1個つくるのに3,4時間必要。
〇 栄養士会で在宅医療として関わる中で高齢者の災害時の備えは非常に重要。二次災害を防ぐためにも、自己備蓄の啓発が大切。一般の方は対応する食品を知らない場合もあるので、電解質なども含めて普及が必要。
〇 介護支援専門員協議会として、これまであまり食のところでは動いてこなかった。食べれればいいというレベルから質の改善という段階。安否確認などで精一杯なので、もっと効率よく体制を組んで動けるとよい。

4 企業としての災害時の食に関わる取組・意見

有限会社エコ・ライス新潟、越後ながおか農業協同組合、原信ナルスホールディングス株式会社のみなさん
〇 米の加工業者であるが、自社の食品包装に必要な特殊資材を石巻市で作っていたため大震災時には製造ができなかった。基本的には企業は在庫を抱えないし、配送のノウハウはない。一定量の備蓄は自治体の義務として行うものと考えている。
〇 加工しなければならない食品ばかりなので、組合として事前の準備で要援護者支援にどう取り組むかが課題。
〇 災害時でも建物に出入りできれば屋外でも商売をする。各店舗でやりくりをして、従業員が二人いれば商売ができる。ラジオで販売店舗の情報発信。
〇 県内5市と災害協定を締結している。各店舗において被災時は適正価格で販売し、1円玉は使用しない。中之島、上越に物流センターを置いており、自社ブランドの商品であれば、若干提供が可能。特殊な食品はスーパーはあまり得意ではないが、平常時に販売しているものであっても、災害時に役立つ商品は多くある。

5 防災組織からの意見

中越防災安全推進機構と中越市民防災安全士会の皆さんからも意見がありました。
〇 ボランティアセンターと各団体との連携が必要。横のつながりで情報共有することにより、仕事が分担化でき効率的に行える。
貴重な機会となった。今後も継続できるとよい。
〇 要援護者支援は、これまであまり食のことを取り入れてこなかった。自分の命は自分で守るということを親も含めてこどもに啓発していきたい。

6 アドバイザーの講義「これからの災害と食のセーフティネット」

検討会のアドバイザーである、ホリカフーズ株式会社経営戦略室長の別府茂先生よりアドバイスをいただきました。(講義要旨)
「近年連続して発生している自然災害にあって、避難所における要援護者の食は、対象に合わせた、一律でない食べやすい食事が提供されつつある。
 これからの課題としては避難所の人だけでなく、被災者それぞれの生活の場にあった災害食を考えなければならない。現状として、地域では最も困る人のところにその人にあった食事が届いていない現実がある。
 さらに東日本大震災のような国民の約300人に1人が被災者となるような広域的な大規模災害にあっては、物流が滞ることが予測され、普段から災害時に困らない食事の備え(自助)が必要であり、自助なくしての共助、公助は考えられない。一人ひとりが日頃から口にしているものを備えることが、共助、公助にもつながることを意識していきたい。」

7 新潟県防災教育プログラムの紹介と事業提案

中越教育事務所より「新潟県防災教育プログラム」について紹介がありました。
「自分の命は自分で守る」ことを目的に、県内の全小中学校にプログラムを配布している。様々な教科のなかに織り込めるようになっており、今年度5つの自然災害についてプログラムが整備される予定である。モデル校での授業も行っている。」
今後はこれらを踏まえて、当部より11月に長岡市、見附市で親子を対象とした防災教育とサバイバル料理体験の企画を実施することを提案しました。

8 最後に

今後の展望や希望について、最後に発言がありました。
〇 食生活改善推進委員として、提案された企画に協力していきたい。まず自分たちの研修会で勉強して、地域に生かしていきたい。
〇 災害にあってから初めて非常食を食べるのは抵抗がある。訓練時には、災害時実際食べる人に実際に食べるものを食べてもらう「試食訓練」も必要。評価を受ける必要がある。
〇 災害食を非日常としてではなく、日常に使うものとして考えるという発想の転換が必要なのでは?日常にどうやって取り込むかを考える。例えば「災害食グランプリ」なども開催してみてはどうか。

長岡地域振興局健康福祉環境部では、今後も継続して検討会を開催し、関係者との協力体制づくりを目指していきます。

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