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 【長岡】ふるさとレポート:知っていますか?「長岡野菜」

2010年01月06日
 長岡地域には、戦前からずっと愛され続けてきたものがあります。それは、地域の宝ともいえる「長岡野菜」です。信濃川が作った肥沃な土壌や夏の高温多湿、豪雪などの気候風土の中で愛され、育てられてきた「長岡野菜」。現在、この宝を地域の誇るブランドにして、食文化を守り育てようという歩みが始まっています。

「長岡野菜」の1つである「だるまれんこん」を収穫する様子。雪が降った後の冷たい水の中、作業に励むレンコン栽培者。

長岡野菜とは

 長岡市周辺の生産者、消費者、農業団体や流通業者によって設立された「長岡野菜ブランド協会」により次の基準で認定された野菜で、現在13品目となっています。

 【認定基準】
  1.古くからあって長岡でしかとれないもの
  2.どこにでもあるけど長岡で作るとおいしいもの
  3.新しい野菜だけれど、長岡で独特な食べられ方をしているもの
 【品目】
  長岡巾着なす、梨なす、糸うり、ずいき、ゆうごう、かぐらなんばん、肴豆、おもいのほか(食用菊)、だるまれんこん(商品名:大口れんこん)、里芋、体菜、長岡菜、白雪こかぶ

長岡野菜の立役者~「長岡野菜ブランド協会」

 長岡野菜の保存や生産・消費の拡大に積極的に取り組もうと設立されたのが「長岡野菜ブランド協会」です。これまで普及活動などを行ってきた「長岡野菜研究会」を母体とし、生産者、農業団体、消費者、流通業者などで構成されており、新潟県や長岡市もアドバイザーとして活動に参加しています。

 「長岡野菜ブランド協会」の鈴木圭介会長(右写真)にお話を伺ってきました。

1 「長岡野菜」をはじめた理由
 平成10年、「長岡巾着なす」を食べたある人物の一声、「長岡は城下町だろう。旨い野菜がもっとあるに違いない。お前、長岡野菜をやれよ!」これがきっかけでした。
 それから、身のまわりの野菜を調べてみました。すると、いままで何気なしに食べていた野菜がいかにも長岡独特で、しかも、他の地域のものに比べて格段においしいものがたくさんあることに気がつきました。
 しかし、その野菜は年々生産量、出荷量が減少していて、「このままでは絶滅してしまう。無くなったら大変だ。」という気持ちから、数名で動き出したのが始まりです。

2 問題点や今後の取り組みなど
 主な問題点としては、「長岡野菜」は手間がかかる割に収穫量が少ないなど、生産性が悪いことです。そのため値段が高く、作っても売れにくくなってしまうといったことが生じてしまいます。
 今後の取り組みとしては、もっと外食産業に取り入れてもらい、多くの人から知ってもらってファンを増やすことです。また、すでに長岡野菜の加工品も多数販売されていますが、もっと種類を増やし、消費を拡大することなどです。現在どんな加工品を作れるかが、テーマとなっています。

3 地域へのメッセージなど
 まず、地元の人に「長岡野菜」のよさを分かってもらいたいです。そして、このご先祖様が残してくれた大切な「宝物」を守り、後生に受け継いでいってほしいです。

●取材職員からひとこと
 「長岡野菜」という「宝物」を絶やしてはならないという、鈴木さんの強い思いが伝わってきました。
 鈴木さん、お忙しいところ取材に応じていただきありがとうございました。

冬の「長岡野菜」の中から、「だるまれんこん」を紹介します

 主に、長岡市中之島地域で栽培されており、県内最大の産地となっています。中之島の大口地区の名前を取って、「大口れんこん」という商品名で出荷されています。「大口れんこん」の特徴は、真っ白な切り口と、サクサクとしながらもやわらかな口当たりです。

1 レンコン栽培の歴史
 中之島の大口地区は、かつて石油や天然ガスが噴き出して、稲作に不向きな土壌でした。それが逆にレンコン栽培に適していることが分かり、大正12年ころから、レンコンの栽培が行われてきました。
 石油や天然ガスの採掘の影響もあり、窒素分を含んだ暖かい地下水が自噴していました。このことは、窒素(肥料)分が必要で暖かい気候を好むレンコンには最適な条件でした。
 そして今では収穫量は年間1000トンを超え、県外の方からも知られる全国有数の産地に成長しました。

だるまれんこん(商品名:大口れんこん)

2 収穫作業
 レンコンの収穫は6、7月くらいを除いてほぼ1年中行われます。
 8月から10月が早生種「えのもと」、11月から翌年5月くらいまでが晩生種「だるま」が収穫されます。
 生産者は雪が降る時期であっても早朝から田んぼに入り、腰まで水に浸って収穫作業をします。
 中之島地域のレンコンは、主に「水掘り」といわれる方法で収穫されています。「水圧掘取機」というレンコン専用収穫機械で、地下水をポンプでくみ上げて、高い圧力の水でレンコンのまわりの泥を飛ばし掘り取るという方法です。

●取材職員からひとこと
 冬の寒い日に、田んぼに入ってレンコンを収穫する作業を間近で見せていただき、生産者の方の苦労を感じました。
 作業中にお邪魔し、申し訳ありませんでした。どうもありがとうございました。

長岡野菜が食べられるイタリア料理店「A alla Z(アー・アッラ・ゼータ)」さんを訪ねてみました。

 長岡野菜を中心に地元野菜をふんだんに使用し、体と心にやさしいイタリアンを提供しているお店です。
 コンセプトは「心と体にやさしい」で、地元で採れる減農薬野菜を中心とし、化学調味料は一切使用しないなどを心がけています。
 オープンは、平成20年5月で、場所は長岡市高畑町という、少し?郊外の山の近くにあります。新潟にあるお店の2号店ということです。
 建物は、中越大震災で大きな被害を受けて営業を断念した「長岡館」という温泉旅館をリノベーションしたものです。1、2階は「S.H.S」という家具屋さん、そして3階に「A alla Z(アー・アッラ・ゼータ)」さんがあります。

お店の外観 すぐ裏に山があります

長岡店オーナーの田中さんにお話を伺いました。

1 長岡野菜について
 長岡にある素晴らしい「伝統野菜」を使用して料理を提供することが、少しでも維持継承につながればと思っています。
 また、伝統を守りながら、「こんな食べ方もあるんだ。」というような新しい提案をしていきたいと思っています。
 収穫時期や仕入れ状況にもよりますが、お店では、長岡野菜のピッツアや長岡野菜を練り込んだ自家製リングイネなどを味わうことができます。
 長岡野菜は、店頭へ出回る時期や量が限られていますので、一般のご家庭が手軽に利用できるようになるには、収穫量が増えるようになると良いと思います。
 お店で地元の食材を使うことで、少しでも地域の活性化につながればと思っています。
 「地元にこんなおいしい食材があるんだ。」と、消費者の方が地元の良さを再発見し、それを伝えていってもらいたいと思います。
 
2 食材へのこだわりや取り組んでいること
 食材は、ほとんど県内産で、その中でもなるべく長岡産を使用しています。そして、なるべく農薬の使用を控える等、自然な状態のものを使っています。
 生産者の方とは顔の見えるお付き合いをさせていただいており、自分たちの作ったものがどんな料理になるのか、試食をしてもらったりもしています。自分たちの作った食材、そしてその料理を食べた人が喜んでくれることが、生産者の方の作る励みになってくれればと思っています。
 また、お店のスタッフで管理している畑もあります。自分たちの使う野菜がどのように作られているかという生産者の苦労などを体験し、食材へ愛着をもって調理にいかしてもらいたいと思い、お店のスタッフに野菜作りもさせています。 

●取材職員からひとこと
 取材に伺った時、丁度、魚沼の生産者の方が「わさび」を納品に来て、そのわさびを使ったパスタを試食しているところを拝見しました。お店が生産者と一体になっているのを感じました。
 生産者の方から直接農産物等を仕入れているからか、内容の割にお値段は控えめだと思います。
 「長岡野菜」を使った料理を味わいに、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。(時期や仕入れ状況により、使っていない場合もあるかもしれませんが。)
 田中さん、スタッフの皆さん、お忙しいところ取材にご協力いただきありがとうございました。

レポーターから

 「長岡野菜」という名前は聞いたことがありましたが、詳しくは知りませんでした。(ちなみに、私は柏崎市民です。)今回、この記事を書くに当たりいろいろ調べ、少しではありますが、「長岡野菜」のことを知ることができてとても良かったと思います。ぜひとも、この地域の大切な「宝物」ともいえる「長岡野菜」を絶やさないように、多くの人に知ってもらって、受け継いでいってもらいたいと思います。
 毎年夏は、「自家製なす」の日々が続くのですが、今年の夏は、ぜひ「長岡巾着なす」を食べてみたいです。
(健康福祉環境部 猪俣)


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