さわやかな秋晴れとなった11月7日。新潟県長岡地域振興局が作成した「震災復興トレッキングマップ」の完成を記念して、ウォーキング大会が開催されました。
大会は、マップに掲載されたコースの中から、2コースが同日開催で行われていました。一つは川口町の田麦山を廻るコース、もう一つは、私が参加した、小千谷市真人町若栃集落から長岡市小国町法末集落を廻るコースです。コースを廻る中で、地域の自然や史跡などの点在する見どころを巡ることができます。
今回は、このウォーキング大会の模様をお伝えします。
震災復興トレッキングマップは、中越復興市民会議・復興支援員・地元の自然観察指導員等の協力を得て、新潟県長岡地域振興局が作成しました。地域の歴史や自然が満喫できるモデルコースが掲載されています。
私が廻ったのは、こちらのマップのG・Fコースです。
トレッキングに出かけよう!
まだうっすらと月が浮かぶ朝8時半、小千谷・小国を廻るコース参加者が小千谷市の真人北部コミュニティセンターに集まりました。
その数、約30人。秋晴れの空の下、みなさんの表情も晴れやかです。
|
出発して間もなく、道の真ん中に木の実が盛られているのを見つけました。子どものいたずらか何かかな、と思っていると、「これはタヌキのふんですねえ」と自然観察指導員の大塚さん。野生生物の調査等を行っている大塚さんは、トレッキングの案内役を務めてくれました。 大塚さんによれば、タヌキには「ため糞」という習性があり、複数のタヌキが決まった場所に排泄をして、情報交換の場にすることがあるそうです。おじゃましますとタヌキに告げ、先に進みます。
|
|
|
|
|
道は次第にアスファルトから山道に変わります。周囲はスギなどの木が茂っていて、地面は乾いた落ち葉で覆われています。あたりは黄色と茶色と緑色。落ち葉を踏みしめるたび、足元からはザックザックと心地良い音がします。白菜の葉ほどもある大きな落ち葉もありました。固い木の根や切り株が落ち葉に隠れていて、つまづきそうになることがあるので慎重に歩きます。 出発から1時間。このあたりで既に私の息はあがってきました…。
|
|
|
|
かつては花嫁も歩いた道…意外に険しい!
|
若栃集落と法末集落とをつなぐこの山道が「嫁入り街道」です。両集落の住民同士が結婚する際、花嫁が通った道なのでこの名前がつきました。戦後長らく使われず、震災でも大きな被害を受けましたが、有志の地元住民や大学生が1年がかりで修復し、昨年再び開通させたそうです。
1年前、この場所で開通式が行われました。道を塞いでいた最後の木を切って、嫁入り街道を復活させたそうです。その時切った木が、また少し伸びていました。「定期的に手入れしないとすぐに木が生い茂り、道が塞がってしまう」という話を聞いて、せっかく苦労して開通させた道が再び閉ざされてしまわないように、たくさんの人に来て歩いてもらいたいと思いました。
|
|
|
|
|
このブナ林は震災の後、法末の宿泊施設を訪れた人が「法末集落のために」と整備したそうです。「ささやきの道」と立て札が出ていました。 やわらかな木漏れ日が射しこんでいて、見上げるとブナの葉は透けるような淡い緑色。ふわふわした落ち葉のじゅうたんを踏みしめる音に混じって、時折どこからか鳥の鳴き声が聴こえてきます。なんだかしあわせな気分になるブナ林を進むと、不思議な色の池が見えてきました。
|
|
|
|
トンネルを抜けるとそこは・・・
|
長いくだり道を抜けると、大きな洞穴が出現。約110年前に掘り抜かれた隧道、丑松洞門です。コウモリが棲むので「コウモリの館」とも呼ばれています。 洞穴と聞くと気持ちが高ぶってくるのは私だけでしょうか。入り口から覗くと、出口の光は500円玉くらいの大きさしかありません。一列になってトンネルに入ると、周りは真っ暗。まわりの石壁はしめっていて、ポタポタ水滴が落ちています。
暗闇のなか、先頭の人が照らす弱々しい懐中電灯の灯りだけを頼りに、探り探り進みます。しばらくすると、前を歩く人の背中も見えなくなってしまいました。長さは100メートル強と聞いていましたが、もっと長く感じます。だんだん不安になってきました。コウモリは留守でした。「これから雪が降るとコウモリが戻ってくる」とのことです。 自分が小学生くらいの歳なら、毎日大喜びでここに遊びに来るだろうと思うくらい、冒険心をくすぐるスポットでした。
|
|
|
|
|
田んぼの中にある赤渋の足湯でひと休み。鉄分が含まれているので、名前のとおりお湯は濁っています。お湯はちょっと熱め。参加者がぐるりとお湯を囲み、足をぶらぶらさせておしゃべりしながら疲れを癒します。 結構歩いたのでくたびれていましたが、足湯のおかげでむくみが取れて、足が軽くなったように感じられました。もう少し歩けそうです。
赤渋の足湯は、過去のふるさとレポートで紹介されています。
|
|
|
|
佐渡は意外と近かった!? むじなの穴伝説
|
午後は真人に戻り、むじなの穴を見物しました。 いたずらをするむじな(たぬき)をこの穴に追い込み、煙であぶり出そうとしたら、むじなは佐渡島まで穴を掘って逃げおおせたという伝説が残っています。 穴は、子どもがかがんでやっと通れるくらいの大きさです。昭和38年に地元の小学生が中を調査して、内部の地図を作ったとのこと。この地図によれば、穴に入って30mほど進んだところに「佐渡」と書いてあります。佐渡へお急ぎの際は、この穴に飛び込みましょう。
|
|
|
|
レポーターから
嫁入り街道の復旧等、震災を機に他地域との様々な交流が生まれていることを知って嬉しくなりました。
若栃・法末集落を歩いていると、すれ違う住民は笑顔で気さくに話しかけてくれます。両集落には、訪れる人を歓迎してくれる暖かい雰囲気がありました。街中からさほど離れていないのに、自然を満喫できる場所が沢山あることにも驚きました。
来年の春はトレッキングマップを片手に、若栃・法末集落を訪ねてみてはいかがでしょうか。きっと新しい発見や出会いがあると思います。
(企画振興部 大島)