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災害時の児童生徒の心のケアについて

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0062857 更新日:2019年6月29日更新

災害時の子どもの心のケアについて

 災害時の児童生徒の心のケアについては、学校ではすでに様々な研修の機会をもち、「ストレス反応は個々の児童生徒によって時間の経過とともに様々なかたちで表れる」という基本的な理解が図られていると思います。
 ここでは、特にストレス反応に対応する際の学校の留意点について、県教育委員会が実施したスクールカウンセラー連絡協議会(平成17年1月1日7)での立正大学教授 岡本 淳子先生の講義内容を中心に要点をまとめました。

1 安全・安心感の確保

 児童生徒にとって学校を中心とする「日常」を早期に取り戻すことは、心の安定に大きな意義がある。安全で安心できる通常の学校生活の一日も早い回復が大切になる。

2 集団全体を視野に入れた対応

情報の共有

 公開できる内容とできない内容を的確に判断し、疑心暗鬼を防ぐ意味でも児童生徒や保護者に適切な情報の提供を行うことが大切である。教職員レベルでは、過不足のない情報の共有が必要になる。

心理教育

 異常な状態においては、「不安になったり、様々な反応が表れたりするのが当たり前であり、心配はない」ということを児童生徒にまずしっかりと教える。
 教職員は、時間の経過に合わせた児童生徒へのケアが必要である意味をしっかりと理解することで、前向きに取り組むことができる。

見立て

 ストレスチェック、個別面接、観察などを総合的に判断し、個別対応の必要性を見極め適切な対応を進める必要がある。集団全体の中で、個々の児童生徒をとりまく状況は水面下で刻々と変化している。混乱している状況では児童生徒の心の傷は大人から見えにくい。相当な負担を感じていても、表面的には元気にしていることも多い。また、教師も自分の学級の児童生徒は元気であると思いたいという感覚もある。
 個別面接だけで見ていこうとするのではなく、集団の中での他とのかかわりを通して見ていくという視点を忘れてはならない。

学級での感情の開放

 話をする、遊ぶ、活動する中で、教師がポロリと自分の体験を本音で語ることも児童生徒の学級での自己開示を進める効果がある。地震の話は、勢いネガティブな方向へ進みがちになるが、そんな時、例えば30分のうち20分は地震の実体験を話し、あとの10分はどうしたら被害を防げるのかを話題にするなど、この経験を経て少しでも強くたくましくなりそうな自分をイメージして話が終わるように工夫する方法が有効である。

3 個別への対応

専門家との連携

 専門機関に相談する際は、すぐに受けてもらえるかどうか、受けてもらえなければ当面どう対応したらいいかを確認してから送り出すこと、保護者や児童生徒に学校が責任を放棄したのではないことを十分に説明し納得した状態で送り出すこと、職員の個人的な対応ではなく学校としての対応であるという共通認識をもつこと等に心がける。

4 保護者への対応

情報の共有

 児童生徒が不安定であれば保護者もどうしていいかオロオロすることもあるし、保護者の不安が児童生徒に伝わって不安定になっていることも多いものである。両者の関係についての状況を把握しておくことが大切である。

家庭の過ごし方の啓発

 ストレス反応の理解や家庭の過ごし方について、たよりや保護者会等で積極的に発信することも有効である。

保護者の気持ちの理解

 保護者の話を聞く機会を大切にし、熱心に話に耳を傾けることで保護者の気持ちの安定につながる。

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