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平成29年1月25日 新潟県知事 定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0050126 更新日:2019年3月29日更新

(記者会見の動画を新潟県公式YouTubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>

  1. 日時 平成29年1月25日(水曜日)
  2. 場所 記者会見室
  3. 知事発表項目(10時00分~10時05分)
    • 県内公立中学校におけるいじめ事案について
    • いじめ等に関する相談体制づくりについて
    • 「表参道・新潟館ネスパス」「関西情報発信拠点 じょんのび にいがた 食楽園」の販売額等について
  4. 質疑項目(10時05分~10時50分)
    • アメリカのTPPからの離脱について
    • 知事就任3か月の所感について
    • いじめ等に関する相談体制づくり等について
    • 柏崎刈羽原子力発電所の視察等について
    • 水俣病の認定処分について
    • メディア懇談会(仮称)の開催について

知事発表

県内公立中学校におけるいじめ事案について

 福島県から下越地方に避難している公立中学校1年生の女子生徒にいじめがありましたので、県民の皆さんに呼びかけたいと思います。どのいじめでも同じだと思いますが、いじめはされる側にとって本当に大変なことです。同時に、おそらくは周りで見ている生徒さんにとっても非常に胸の痛むことだと思います。我々大人もきちんと対応しますので、生徒の皆さんもいじめはしない、やめるということをぜひ心に刻んでいただきたいと思います。故郷を離れて非常に心細い思いでいるわけですので、ぜひ生徒の皆さんも、関係者もきちんと心情を察して、きちんとした対応をとっていただきたいと思います。生徒さんが1日も早く通常の学校生活に戻れるように我々としても全力を尽くしていきます。また、当該教育委員会に県教育委員会を通じて要請もしたところです。ぜひ力を合わせてこの問題に取り組んでいきたいと思っています。まもなく進級、卒業の時期となります。人生どの時期も大事なのですが、学生生活はその中でも非常に思い出深く、大事な時期だと思います。その時期をみんなが幸せに過ごせるように、生徒さんも、教員も、そこに関わる我々大人、周りの人たちも、みんなで取り組んでいくことに努めていきたいと考えています。もちろん我々も先頭になって取り組みますが、県民一体でこの問題に取り組んでいければと思います。

いじめ等に関する相談体制づくりについて

 いじめに関する相談体制づくりをきちんと進めたいと考えています。昨年度末から、非常に痛ましい自殺に至るものを含めて複数のいじめ事案が続いています。これに対し、県はいじめ問題に対するメール相談窓口を開設します。また、メール相談窓口を紹介するカードを生徒さんに配布します。また、いじめ防止対策に関するホームページを開設し、幅広くいじめの問題について啓発するとともに、いろいろな相談窓口を生徒さんに知っていただこうと思っています。もちろんこれは入り口の問題ですので、入り口を通って来られた生徒さんへの対応体制もきちんと構築していきたいと思っています。また、現場の先生方に関しても、対応に関する指導、研修を県教育委員会を通じて続けていきたいと考えています。

報道資料(いじめ等に関する相談体制づくりについて)[PDFファイル/152KB]

「表参道・新潟館ネスパス」「関西情報発信拠点 じょんのび にいがた 食楽園」の販売額等について

 「表参道・新潟館ネスパス」は5年連続で年間の入館者数が100万人を超えました。販売額も過去最高の6億3千万円を記録しました。表参道の一等地にあり、比較的認知されていると思います。私自身も県知事になる前は東京でも仕事をしていたのですが、比較的新潟に関わりのない方でもご存じの方は多かったように思います。引き続き「表参道・ネスパス」をしっかりと運営し、新潟県産品、また新潟県そのものの広報に努めていきたいと考えています。また、関西には「じょんのび にいがた 食楽園」という施設がありますが、平成28年に初めて来店者が100万人を超え、店舗販売額も2年連続で1億円を突破しました。こちらも非常に好評と伺っています。特に関西では食べ物系に関する評判が高く、(「じょんのび にいがた 食楽園」がテナント入居する梅田地下街は)食品を売っている店舗が並んでいるそうなのですが、その中でも売上げの多い店であると伺っています。こちらも引き続き販売体制を充実させ、新潟県産品、そして新潟県のイメージの向上、PRに努めていきたいと思います。

報道資料(「表参道・新潟館ネスパス」「関西情報発信拠点 じょんのび にいがた 食楽園」の販売額等について)[PDFファイル/670KB]

質疑

アメリカのTPPからの離脱について

Q 代表幹事
 トランプ氏がアメリカ大統領に就任し、TPP離脱の大統領令に署名しました。知事の受け止めと、国への要望活動など、今後の県の対応について伺います。

A 知事
 極めて複雑な気持ちです。従前から申し上げているとおり、今回のTPPの条約案については、特に農業問題に関して、本県にとってマイナスの影響があると危惧されていたところです。当面という話であればマイナスの影響が現実になることはほぼ起こらないということが判明したわけですから、その点に限ってはある種の安堵感はあります。ただ、それは部分の話であり、全体としてどうかという話になると、トランプ氏のTPP離脱は、単にTPP離脱に限定されるものではなくて、おそらくは自由貿易に対する極めてネガティブな意見が背景にあり、TPPを離脱しただけで済む話ではなくて、今後2国間交渉が高い確率で提起され、その中で結局(TPP協定と)同じように本県の経済、農業にとって大きな影響があるような条約案が再び上ってくる可能性もあります。また、自由貿易の否定ということになると、県内の輸出産業にとって非常に大きな打撃を及ぼす影響があります。TPPの離脱に関してはいくつかの要素がありますので、一概には言えないのですが、大きな枠組みで言うならば危惧の方が大きいと思います。日本は基本的には自由貿易の中で繁栄していった国ですから、その大きな枠組みが崩れる危険性が非常に高まっていると思いますので、今後の動向を注視して適切なタイミングで対策を出していただきたいと考えています。

Q 新潟日報
 以前の記者会見で、TPPに関し、トランプ氏の(アメリカ大統領就任後の)動向を見ながら(国へ)要望するタイミングを計っていくということを言っていましたが、要望書を提出するということに変わりはないのでしょうか。また、要望書の提出を含め、今後の県としての対応について伺います。

A 知事
必ずしも絶対に要望書(を出す)ということではないのですが、率直に言うと、TPPのときは(要望書を出しても)多少の徒労感があっただろうと思います。多国間で話が決まるわけですので、(県として)要望しても、日本国政府が採用しやすいものなのかというところがあったわけです。とても多くの国が話をするわけですので、新潟県の要望というものが果たしてどこまで考慮してもらえるのかというところがゼロではなかったわけです。しかし、(アメリカのTPPからの離脱により)おそらくは日米の2国間交渉になるので、少なくともTPPの場合と比較して個別の要望が考慮されやすくなると思います。そうすると各県が(要望する)という話にはなるのだと思いますが、少なくとも本県は、特に稲作に関して(国内の農業分野において)極めて中心的な役割を担っているところですので、本県として当然要望すべきはきちんと要望すると。おそらくは要望書という形で要望させていただくことになると思います。

Q 新潟日報
 仮に2国間のFTA(自由貿易協定)になった際に、農業面、産業面でこの点は守ってほしいというところはありますでしょうか。

A 知事
 少なくとも、特に稲作なり、日本の農業に関して、一方的な譲歩はしてもらっては困りますと。交渉ですから、譲歩ゼロとはいかないのかもしれませんが、譲歩するならするで、農業を保てるようなきちんとした対策を打っていただかないと困りますと。また、なんらかの譲歩があるならあるで、その影響に関して、完全にはわからないにしても、きちんとした推計をしてもらわないと困りますし、それに基づいて対策を打っていただかないと困りますと。その点は、もちろん(国に対して)申し上げることになると思います。

知事就任3か月の所感について

Q 代表幹事
 25日で知事の就任から3か月となりました。この間の県政運営の手応えや、新たに見えてきた課題などについて知事の所感を伺います。

A 知事
 手応えはなかなか自分で言うのは難しいのですが、鳥インフルエンザから糸魚川の大火まで多々あった中で、十全とは決して言えないのですが、少なくとも非常に大きな混乱を及ぼすことなく対応できたのかもしれないと思っています。また、就任当初、レクチャーが非常に多いと申し上げましたが、レクチャーも一通り終わり、一通りの把握はできたと思っています。当面の対応はある程度はこなせたかもしれないという中で、これからそれをいかに生かしていくかと。これから予算編成が始まりますので、決して私は独自色にこだわるわけではないのですが、政策として思いを実現していくということが課題であると思います。その中では当然、予算間の調整、項目間の調整が出てきます。これからは実現であり、調整ということが問われますので、真価が問われるところだと思っています。

Q 新潟日報
 (この3か月間の)手応えを答えるのは難しいということですが、こうすればもう少し組織内の運営がうまくいくのではないかとか、効率的に進むのではないか、議会対応がうまくいくのではないかなど、この3か月間を踏まえた今後の対応みたいなものはありますか。

A 知事
 非常に時間的制約がある中ではあるのですが、もっと(県政に)精通するとうまくいくと思います。まだ行政の中身と言うか、制度等に関して、私があまり十分にわかっていない部分が明らかにあって、そこを聞いていくことで手間を取っているところはあると思います。最初からわかっていると調整の手数が減るところはあると思いますが、わかっていないが故に手数がかかっているなということは率直に感じます。この3か月間でこれ以上精通できたかと言うと、なかなか(勉強する)時間もなかったので、このくらいが限界だとは思いますが、引き続きしっかりと行政の中身を理解していく中で、調整もよりスムーズに進めることができるようになると思いますし、自分の思い描いている政策に関して、より少ない手数で実現の手段を見つけ出せるようになるのではないかと思っています。

Q 新潟日報
 議会対応についてはいかがですか。

A 知事
 議会も同じです。これも(行政と)似たようなところがあり、議会は議会なりに精通しなければいけないことが多々あるわけですので、そういったことにきちんと精通していくことが重要だと思っています。

いじめ等に関する相談体制づくり等について

Q NHK
 メールの相談窓口を開設するということですが、どのようなニーズを感じ取っていらっしゃるのか、またどのように活用してもらいたいと考えているのか伺います。

A 知事
 まず、最近の生徒さんはやはり電話よりもメールやSNS等の方が慣れているというのが1つあります。また、いじめは基本的にはまず先生に(相談してください)と言いがちですが、決して先生がいじめに加担しているという意味ではないのですが、いじめられている生徒さんにしてみれば(先生は)ある種現場(の人)なわけです。現場の人にはなかなか言いづらいという部分があると思います。なるべくそことは違う、外の人に相談した方が言いやすいということもあるでしょうし、外の人の目で見た方がある程度客観的な判断もできると。現場の先生も当事者であると同時に、いじめられている生徒さんも当事者なわけです。当事者が当事者に話をするというのは、そんなに有効ではないこともあると。そこに第三者が挟まって、第三者から先生に(話が)行くことで、先生の受け止め方も第三者のフィルターを通して変わってくるということもあると思います。第1は単に生徒さんがメールの方が使いやすいというのがあるのですが、第2としては第三者が入る経路をきちんとつくっておくことも重要であると考えています。また、ホームページを開設するというのは、メールですと一緒にホームページも見られるのだと思います。ただメールだけで話しているわけではないので、そうするといろいろな情報も一緒にお伝えできると思います。(メールに)慣れているというのと同時に、やはりメールの方が話しやすい部分というのはなくはないのだと思います。直接の方がいい部分もありますが、直接よりはむしろ相手と間を空けた方が話しやすいところもあると思いますので、そうしたニーズも掴みたいと思っています。

Q 新潟日報
 下越地方に避難しているお子さんのいじめに関しては、知事にもいろいろと報告が上がっているのですか。

A 知事
 上がっています。

Q 新潟日報
 今回の事案は、結果的にということなのかもしれませんが、お子さんが作文でいじめについて書いているのに対処されていなかったというところがあります。学校側の対応も含め、今回の状況について知事はどのように見ていますか。

A 知事
 両方の見方があると思います。学校内のクラスにおける先生というのは、権限(がある)という言い方はおかしいですが、お子さんに対して強い影響力があるわけです。お子さんも先生に全て見てもらっているという安心感の元にクラスにいるわけですので、先生はその重大な責任をよく認識するとともに、生徒が発するシグナルに対してなるべく敏感になり、きちんと対応しなければならないと思います。先生としても、教育現場としても、(今回の事案を)よく反省し、同じことを起こさないようにしなくてはならないと思います。 一方で、それはある意味、結果論でもあるわけです。先生も神様ではありませんし、ありとあらゆるシグナルを常に1つも残さず見つけることが必ずしもできるわけではありません。そうしなければ糾弾されるということになってしまうと、かえっていじめを地に潜らせてしまうと言うか、新しく何かを発見したときに、以前も既にクルー(手がかり)があったのにそれを見逃したことになってしまう、これを表に出すと私が糾弾されるからなかったことにしようという意識が働きかねないわけです。もちろん過去に見逃してしまったことはきちんと反省すると。生徒にしてみれば、公表されるかもしれない作文に書いたというのは、非常に勇気を振り絞ってされたことだと思います。(勇気を)振り絞って出されたシグナルを見逃したことは非常に反省しつつも、今の段階で見つかったことをよしとするというのはおかしな言い方になりますが、少なくとも今の段階で見つかったのはまだよかったのではないかと。(生徒さんは)今は大変つらい思いをしていると思いますが、これから十全に対応し、このいじめの問題をきちんと解決することによって、生徒さんが少しでも早く、また少しでも安心して(学校に)戻れるようにすることに全力を尽くすべきだと思います。そのため、(作文が書かれた時点で対処されていなかったことに対する見方としては)両方あると思います。

Q 新潟日報
 今日の記者会見の発表事項として、いじめ問題等の悩みを相談しやすい体制づくりを進めると打ち出されていますが、学校現場の繁忙感解消も含め、来年度予算で何か進めていきたい県施策などはありますか。

A 知事
 もちろんあります。いくつもあって、(相談しやすい)体制をつくっていくということが1つです。シグナルを発するルートを複数設けておくことで、こちらで(相談して)ダメならあちらで(相談して)といったことができるようにするということです。繁忙感に関しては、予算をあまり伴わない、極めて些末なところとしては、事務作業を減らすように指示するということはあります。あとはどこまでできるのかというところはありますが、部活(の指導・監督等)に関しては外部の方をぜひ活用させていただきたいと思いますし、現場での情報共有ということに関しては現在組まれているPCのシステムを拡充し、もう少し現場でそういった(いじめ問題等の)情報を共有したり、相互にアドバイスを受けやすいようにすることを進めていきたいということで、今、調整しています。

Q 毎日新聞
 今回の発表項目でも相談しやすい体制づくりということで、いろいろ取組を挙げられているわけですが、生徒さんたちはシグナルを発していたわけです。だけど、結局(そのシグナルが)拾い上げられなかった。相談しやすい(体制づくり)より、むしろ、そのシグナルを拾い上げる体制づくりについて、知事はどのようにお考えですか。

A 知事
 それはある種の感性の問題でもあり、バックアップ体制の問題でもあると思います。また、(教員の)多忙化の問題でもあると。ここは総合力が問われるところですので、まずは多忙化を少しでも解消して余裕をもっていただくことを前提にして、研修を進め、バックアップ体制をきちんととっていくことだと思います。バックアップ体制も極めて重要であって、全く鈍感でシグナルを受け取れなかったということであれば、まずはその感性を磨くことからではありますが、もしかしたら、いじめがあまり表沙汰になっては困るというような感覚があったとしたら、そこはそうではありませんと。ともかく、一番いけないことは、(いじめが)継続することなんですと。(いじめが)あることはもちろんいけませんが、一定の頻度で望ましくないことが起こるのが人間社会ですからと。(いじめが)起こること自体は仕方ないと。ともかく、(いじめが)継続しないことが一番重要なのであって、そのためには発見したものは全てきちんと上げて対応させてくださいということを徹底していきたいと思います。そこは本当に行政の意識が問われるところだと思いますので、ぜひ意識の徹底と資質の向上、体制の構築に努めたいと思います。

Q 毎日新聞
 随分前から、いじめ見逃しゼロの県民運動をされているわけですよね。それにもかかわらず、こういうことが相次いでいるわけです。やはり体制の不備ではないでしょうか。

A 知事
 もちろん体制の不備もあると思います。もちろんきちんと反省し、きちんと体制をつくっていきます。ただ一方で、決して言い訳をしたいのではないのですが、(いじめが)見つかってくるようになったという部分もあるのだと思います。常に全てのものが本当に最初の段階で見つかるわけではありません。本当に申し訳ないですが、しばらく生徒さんがつらい思いをしてしまって、一定期間後に(いじめが)見つかると。それがある頻度で起こっていること自体は、否定してはいけないと思います。(いじめが)ゼロでなければいけないというような話をし出すと、常に対処できなくなってしまうと。私は、どんなに体制を構築しても今後とも(いじめが)出てくることはあると思います。それはあとで振り返ってみれば、ファースト・シグナルを見落としていることはあると思いますが、でもそれを恐れるなと。セカンド・シグナルでもサード・シグナルでもいいから、それを拾うと。いじめが見つかるたびに反省はするし、体制をよりよくしようとは思いますが、いじめが見つかったこと自体が、発見した人のフォルトではないし、関わった人のフォルトではないと。そこにまずは全力を尽くし続けることだと思います。(いじめは)実際おそらくは一定頻度で発生すると思いますから、恐れずに対処し続けることだと思います。

柏崎刈羽原子力発電所の視察等について

Q NHK
 2月1日に柏崎刈羽原発に視察に行かれ、柏崎市長と刈羽村長とお会いされるということですが、どういった点を中心に視察をされたいのか、また地元での話合いはどういったことを中心にされたいのか伺います。

A 知事
 視察はどのような体制でやっていらっしゃるのかをお伺いしたいと思います。もちろんしっかりと視察させていただいて、安全対策をどう打たれているかをよくこの目で確認したいと思っています。しかし、あらゆる視察はそうだと思いますが、基本的にはこちらはある種の素人と言いますか、すごい専門家というわけではないので、視察したからといって全てが判断できると思っているわけでもないと。視察はむしろ、相手が何をどう見せたいと思っているかということがわかるのだと思います。東京電力としてどのような努力をされていて、それをどのように理解してほしいと思っているのかということを確認することが一番大きいことだと思います。そのあとの技術的な詳細に関してはもう少し腰を据えてと言いますか、それこそ検証委員会の中でやっていくことだと思います。
 柏崎市長、刈羽村長との意見交換は、3人でのお話そのものがメインではなくて、地元の賛成する方、反対する方、東京電力も参加している会合に、三者合わせて参加するということですので、もちろん柏崎市長や刈羽村長ともお話はしますが、むしろ地元の方々がどのように捉えていらっしゃるのか、双方のご意見をしっかり聞くことに努めたいと思っています。もちろん柏崎市長や刈羽村長とも、特に安全面について、避難体制をどうするのかについて、住民の皆さんの声を反映して、お話させていただければと思います。

Q 時事通信
 「柏崎刈羽原子力発電所の透明性を確保する地域の会」への参加というのは、前知事の時代にはなかったことかと思いますが、知事ご自身のご希望でされたものなのでしょうか。

A 知事
 そうですね。希望というものをどう取るかという話なのですが、大変恐縮ですが地域の会というものの存在を知事になる前は、漠然とは知っていましたが、どういう体制かというのは知らなかったわけです。知事に就任してから、こういうものがありますと。出席を希望されますか、希望されませんかと聞かれたので、もちろん出席を希望しますと言ったので、そういう意味では私の希望なのですが、私が従前から知っていて、ぜひとこちらから言い出したというものではありません。このようなものがあると伝えられて、出欠を聞かれて、希望しますと答えたということになります。もちろん私としてはぜひ聞くべきだと言いますか、特に地域の会は両方の立場の方が揃っていらっしゃって、極めてご意見を伺うのにいい体制だと思いますので、そこはぜひと思っています。

Q 時事通信
 柏崎市長、刈羽村長との三者会談では、それぞれお立場が違うところもあるかと思いますが、その意見の違いというのはどのように考えてお話合いをするおつもりでしょうか。

A 知事
 それ(意見の違い)があるのは仕方ないのだと思います。人間とはそういうものですと。全員がいさぎいい立場だと思うのです。それぞれがきちんと自分の立場を掲げて選挙に打って出て当選しているわけですから。その違いは違いとして尊重した上で、少なくとも住民の安全を第一に考えるということに関しては一致しているわけですし、当面の課題として避難計画を作っていかなければならず、それに対して検証作業もしなければならないということは一致しているわけですから、その部分は協力して進めていくことになると思います。

Q 時事通信
 主に避難計画のことを中心に。

A 知事
 基本的にそこが中心になると思います。やはり一致しているところから進めていくというのが原則だと思いますので、そこが中心になると思います。

Q 共同通信
 柏崎市長、刈羽村長との三者会談の件で、避難計画と安全の部分では柏崎市長とも認識が合うと思いますが、検証の部分で桜井柏崎市長のご懸念として、国が責任を負うべき原子力政策について、県がどれほどまで責任を負うことができるのかということを言っていて、それはどういうことかと言うと、規制基準の審査でOKが出て、その後に技術委員会が大丈夫と言ったあとにもし何かあったらどうするのかということで、懸念を示されています。知事として、検証委員会はどのような位置づけと基本的に考えていらっしゃるか教えてください。

A 知事
 まずもって、そもそも原子力規制委員会の審査は、一定の安全基準を満たしているかを審査しているだけであって、それはある種の安全という観点ではあると思いますが、冷蔵庫は安全かという話をした場合に、JISの基準に新しい製品が合致しているかは、当然判断しなければなりませんという話になります。ただ一方で、その冷蔵庫がJIS基準に合致したとして、夏に冷蔵庫を開けっ放しにしていると、場合によってはどんどん過熱していって場合によっては火事を起こすわけです。その場合、JISに合致していたから冷蔵庫は一切火事を起こさないはずだったのではないですかという議論は無意味なわけです。したがって、安全基準に合致するかどうかということと、それを実際に動かした場合に安全かというのは別の議論だと思います。JISマークに合致している冷蔵庫だって使い方によっては過熱して火事の原因になるわけですから、原発も同じような話だと思います。一定の基準を満たすことはもちろん重要です。新しい安全基準の前にも古い安全基準があったわけですが、古い安全基準に合った原発を動かしていて、動かし方を間違ったら事故が起こったわけです。現実に事故は起こったわけです。そうであれば、我々は当然事故をきちんと検証して、新しい安全基準は安全基準として、それに合致した原発を動かした場合に本当に事故が起こらないのかどうかを検証することは決して論理的な矛盾ではないと思います。ではそれを県としてやるべきなのか、国としてやるべきなのかというお話が、おそらくご懸念の中の1つだと思いますが、それは国でやってもいいことだと思います。国でやって、安全基準として更にオペレーションした場合の安全をどう考えるのかみたいなことは国でやってもいいのだと思いますが、国でやる機関はないわけです。では国にないときに、県がやって何か問題になるのかという話だと思いますが、特段問題はないのではないでしょうかと。こちらは別の視点でやっているわけですし、国がやっていないことを県がやっているだけですと。しかも地方自治体は住民の皆さんの安全に対して責任がありますし、東京電力と様々に交わしている安全協定の中には、東京電力にも安全の確保を求めているわけです。県としても義務はあるわけですから、県としても安全を確保しようとするのは当然なわけです。県が安全を確保できなかったら東京電力にものを申すという協定まで結んでいるわけです。それらを前提にして、安全基準に合格した原発を動かしたときに、本当に県民の安全が守れるのかということを県が検証することは特段の矛盾はないと思います。一方、そんなことはする必要はないのではないかという意見は、それはそれであると思います。柏崎市長が詳細にどういうご意見をお持ちかわかりませんが、それは国の役割であると考えるのは考えるでいいと思います。だからといって、県がやることが何か制限されるということではないと思います。

水俣病の認定処分について

Q 朝日新聞
 新潟水俣病の問題ですが、先日、新潟県・新潟市公害健康被害認定審査会が開かれ、処分結果が出ました。50年が経ち、なかなか因果関係が確定できないのかと思いますが、皆さん認められないという結果になりました。また、ノーモア・ミナマタの第2次訴訟で、原告の方々が当時の重要だと思われる資料の開示を国に求めていて、新潟地裁が開示するようにという決定を下したことに対して、国が反対と言いますか、即時抗告をしました。その対応についてどのように考えるか伺います。

A 知事
 認定の件は大変難しい問題で、もちろん苦しんでいらっしゃる方の救済は本当にしなければならないと思いますが、一方で、これはなかなか難しい話ではあるのですが、世の中にはいろいろな理由で苦しんでいる方がいらっしゃるわけです。いろいろな理由で苦しんでいる方全ての人に水俣病の方と同じ補償をするということは財政上できないわけです。そこはきちんとした知見のある方が、その症状が水俣病によるものなのかを判断しなければならないと。(認定の基準を)全くゼロにしていいということになると、対象者はどのような理由であれ一定の症状がある人全員になってしまいますので、それは早期に国なり県なりの保健財政が破綻することになります。そのバランスということになるのだと思いますが、その中で審査会で相当に時間をかけて審査されたと。その内容に関して、いろいろなご意見はあるかと思いますが、相当程度に説得力のあるものだと認識しています。そうであれば、この審査会の審査としてはやむを得ないものと考えています。その上で更なる救済措置を求めるということも、それもまた選択肢ですから、それはもちろんとっていただければと思いますが、やはり一定の審査の基準によって、線引きがなされること自体は、制度というものの限界としてやむを得ないものと思っています。
 即時抗告に関しては、国には国の理由があるのかもしれませんが、少々いかがなものかと思います。率直に言って開示しない理由があまりわからないと言いますか、もはや随分過去のことですので、開示したからといって工場側に何か不利益があるかと言うと、あまり具体的に思いつきません。一方で、開示された側にとっての利益というのは、どこに住んでていたか等で因果関係の1つの手がかりになりますから、それは意味のある情報なのだと思います。だからこそ開示を求めているわけですから、そこを開示しない理由というのは私にはあまりわからないということです。そこは国のお考えがあると思いますし、即時抗告をしたということは今後また議論がなされて、この程度の抗告審はそんなに長い時間かかるわけではありませんので、そこできちんと決着をつけていただきたいと思います。

Q 朝日新聞
 司法の場ですのでなかなか関与できる話ではないと思いますが、知事として国側に取り下げるということも可能かと思いますが。

A 知事
 言ってみるぐらいのことはできるのですが、制度上はなかなか県として言えるという制度ではありません。開示したらいかがでしょうかということは、検討させていただければと思いますが、制度上は少し難しいと思います。

Q 朝日新聞
 昨日、新潟水俣病阿賀野患者会の方々が記者会見を行い、今回の処分結果についてコメントされました。そのうちの一人が米山知事の応援演説に立った方だったのですが、知事として水俣病問題にどのように取り組んでいくのかを聞かせてください。

A 知事
 原則は原則として守られるべきだと思っています。もちろん新潟水俣病患者の皆さんの救済には全力で取り組みたいと思います。ただ、それは科学や医学に基づく基準をなくし、(対象を)全てに広げるということではないと。そこは自分の応援演説をしてもらった、してもらっていないということに影響されるべきではありません。ある種の政治ですので、応援演説をするということは、方針としては同じであるという政治的共感があるわけです。そういった意味でも、新潟水俣病という公害の患者さんをきちんと救済していくという方針は同じだと思っているので、そこはきちんと進めていくという前提はありますが、個別には科学・医学(の知見に基づく基準)により対処していくことになります。それが行政としての公正性だと思うので、そこはそのようにさせていただきたいと思います。
 本当に申し訳ない部分もありますし、なかなか釈然としない部分もあるのだと思いますが、医学にしても、法律にしても、常にどこかでの線引きはあるのです。更に、医学や法律というのは常に正しいわけではないのです。常に100%ではないので、一定の確率で(対象から)漏れる人は絶対に出てしまうと。一定の確率で漏れる人をゼロにしたらよいではないかと言われるかもしれませんが、漏れる人をゼロにするということは、理屈上は全員を救わないといけないわけです。適応率を100%にしてあらゆる人を救わない限り、常に数%は漏れる可能性が出てしまうと。一定程度の誤った判断をする可能性をゼロにするには100%(対象にする)しかなくなってしまうので、それでは財政の破綻と裏腹になってしまい、残念ながら行政は運営できません。もちろん立証責任は緩めるべきだと思いますし、その部分に関してはいろいろな救済措置をつくるべきだとは思いますが、常にどこかで線を引かざるを得ませんし、1回線引きを行ったら、場合によって(対象から)漏れてしまう人が出るかもしれないというのは、私はやむを得ないと思います。判断は極めて公正に行われるべきですし、科学や医学に100%はないという前提はありますが、科学や医学に基づいて判断されるべきだと思います。そこで漏れてしまった方については救済手続があるので、そちらに訴えていただきたいと思っています。

Q 新潟日報
 水俣病に関しては、歴史的に見ても、科学と医学に基づく基準自体が妥当なのかということが常に争われてきました。国の基準よりも事実上緩い枠組みで水俣病と認めた最高裁判決があるように、まさにその部分が争われてきたと思いますが、現在の基準に妥当性があるのかどうかについて、知事としてはどのように感じていますか。

A 知事
 今回の新潟県・新潟市公害健康被害認定審査会での審査や審査基準に関しては、基本的には最高裁の判決・判例に準拠したものと認識しています。決して国(の基準に沿ったもの)ではなく、1つの症状だけでもよいとする最高裁(判決)のとおりと。ただし、水俣病によって症状が生じたということが、ある程度の蓋然性を持って推定できなければいけないというところはあります。病気の症状というのは、様々な病気で同じ症状が生じ得るわけです。たとえ水俣病の症状があったとしても、それが別の病気から生じているのであれば別の病気として治療しなければならないのであって、それを水俣病とするのは違うわけです。私としてはそういった中で判断されたものと説明を受けましたし、そのように認識しています。そういった意味では、(最高裁の)判例に準拠して、可能な限り広い基準で判断した結果と受け止めています。

Q 新潟日報
 例えば昭和52年に国が(水俣病の認定には複数の症状が必要であるという)判断基準を示しているのですが、従来の国の基準は厳しすぎると考えているのですか。

A 知事
 厳しすぎるといえば厳しすぎるのかもしれませんが、それは途中からは価値判断になってしまうのです。はっきりとわからないところが多々ある中で、基準が段々緩くなっているわけですが、(基準というのは)結局のところ何をもって(水俣病であると)立証したと言うのかということなので、ある種の価値(判断)なのです。時間の経過とともに、従前のものから徐々に緩まってきているわけですが、それが当時として厳しすぎたのかどうかはわかりません。ただ、時間が経てば経つほど立証は難しくなっていくわけですから、そういった意味では立証の部分(で基準)を徐々に緩めていったということには合理的な意味があると思います。当時の基準が正しかったかどうかは別にして、立証に関して言えば、時間が経てば経つほど(基準を)緩めた方がむしろ妥当になると思うので、(最高裁の)判例等により段々と基準が緩まっていったことは、時間の経過ということを含めても、私は合理的なことだと思います。今回(の処分)に関して言うと、緩んできた基準で判断された結論ですし、それも極めて専門的な知見を有する方々が判断したことですので、制度の仕組みとしても、その(認定審査会の)答申を尊重するというのはむしろあるべき姿だと思っています。

メディア懇談会(仮称)の開催について

Q 産経新聞
 今開かれている定例記者会見以外にも、原則全てのメディアを対象としたメディア懇談会(仮称)というものを月1回程度開きたいというのが、知事の強いご意向と伺っています。その狙いをお聞かせください。

A 知事
 確かに1つの意向ではあります。今マスメディアというものの範囲が非常に広がっているということがあると思います。例えば、FM放送などは最近広がったものではありませんが、ラジオ放送もマスメディアであるでしょうし、インターネットニュース配信などももはや1つのマスメディアだと思います。その他にも、YouTuberみたいな人も、人によってはある種のメディアであるわけです。そういう方々とのチャンネルを持つと言いますか、私がこの場で話していることはマスメディアを通じて配信されているわけですから、そういう方々も質問の機会を持つことは意義深いことだと思います。全く制限なしというわけにはいきませんが、相当広い範囲のメディアの方が参加できる場を一定頻度で設けることは意義のあることだと思いますので、提案させていただきました。

※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。


(過去の知事記者会見の一覧はこちら)

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