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ほっと一息ティータイム~新潟県女性医師ネット・スペシャルインタビュー~:蛭間有紀子先生

2014年01月21日
新潟県女性医師ネット代表の佐々木綾子先生が、新潟で輝く医師にインタビュー!
今日のあなたに「明日に向かうヒント」を贈ります。

夢を貫く~法医学・関西・海外…未知の世界を知りたい~
 新潟大学医歯学総合研究科法医学分野大学院 蛭間 有紀子 先生
(平成26年1月21日インタビュー)
医学部を目指した女子高生が憧れた『法医学』。大阪での初期臨床研修、新潟での救急科後期研修、結婚・出産を経て、死因や死後経過時間を推定するプロフェッショナルに!蛭間有紀子先生が法医学の魅力と夢を語ります。

法医学を目指して医学部に

(佐々木) 新潟大学法医学分野の医師は何人ですか?
(蛭間) 私も含めて4人です。他に技官、事務の方、院生がいます。
(佐々木) 法医学の医師はどんなことをするのですか?
(蛭間) 火事で亡くなったり、独居で亡くなられて発見が遅れた方、水死体など死因が分からない方や、事件に巻き込まれた可能性を否定できない方を解剖します。解剖は鑑定人の医師と大学院生や解剖補助できるスタッフで行います。解剖は、開胸して写真を撮影したり、警察への説明に時間がかかりますが、平均すると全部含めて2~3時間くらいです。解剖後、暫定的な死因について判断し、後でまとめます。医師は死因と、それが病気が原因で生じるか、怪我などの外傷が原因となったかなど、その時点で判明している事実を伝えます。それを踏まえて、警察が自殺か他殺かといった事件性の有無を判断します。

蛭間有紀子先生

(佐々木) 法医学にはいつ頃から興味を持っていたのですか?
(蛭間) 医学部に入る時から、ドラマを見て法医学をやりたいと思っていました。祖父が裁判官で、その話を聞いたりして勧善懲悪の思考が強かったんですかね!?検察官や警察官にも興味がありました。両親からは、変わっているからと言われていました(笑)。医学部に入ってからは法医学のことを忘れていたのですが、4年生の基礎配属で法医学教室に来たら、すごく面白くて、指導してくれた先生もよくしてくれました。法医学は奥が深いのはもちろん、死体現象(死亡後の人体の変化)や虐待などの傷を診る生体鑑定など、色々と研究のし甲斐のある範囲がある事に興味を持ちました。
(佐々木) 大学卒業後はどうされたのですか?
(蛭間) 大阪で初期臨床研修をしました。東京出身で新潟大学を卒業したのですが、東京には高校の同級生がいっぱいいるし、西日本には住んだ事がなかったので、行った事のない所で周りを気にせず研修をしようと思いました。医師と患者の関係はパターナリズムになりがちですが、大阪の都市部の患者さんは何でも言ってきます。「費用が高いよ」とか検査料を気にされたり(笑)…面白かったですし、勉強にもなりました。
(佐々木) 初期臨床研修修了後はどうされたのですか。
(蛭間) 新潟市民病院で救急の後期研修を2年間して、妊娠したため中断しました。法医学の大学院は、後期研修と同時に社会人枠で入学し4年目になります。今は大学院生で学費を払っているので、アルバイトで内科や健康診断もしています。大学院は今年で卒業ですが、法医学の仕事を続けていきたいと思っています。高校時代の友人からは、「貫いてるね」と言われます(笑)。
(佐々木) 高校時代の流れのままに来て幸せですね。人と違う興味があると言うことは、ラッキー、利点ですね。

育児は面白くて楽しい

(佐々木) お子さんは、おいくつですか?
(蛭間) 2歳です。
(佐々木) 育児休暇はどれくらい取りましたか?
(蛭間) 半年くらい育児休暇を取りました。今は保育園に預けています。娘はあまり体が大きい方ではなくて、保育園に預けたら、嵐にように風邪をひいてしまって!風邪をひくたびにどんどん痩せてきてしまって…。自分も仕事が休めないし、不びんでした。もう少し大きくなって体力がついてからでもよかったかな、ともちょっと思います。スパルタだったかな(笑)!?
(佐々木) 育児休暇中はいかがですか?
(蛭間) 面白かったですね。今は自我が出てきていろいろ大変ですが、この時は単純に楽しかったです。娘はおっぱいさえ飲めばいい子で、夜泣きが続くということもなくて、育てやすい子だったのでよかったのかもしれません。早めに保育園に預けたので、日中のお世話を負担してもらっているところがあって、そういうところで楽をさせてもらっていました。

法医学図書室の“お宝”アンティークテーブルの前で 左側:佐々木綾子先生 右側:蛭間有紀子先生

(佐々木) ご主人はいかがですか?
(蛭間) 彼はすごく「子ども好き好き!」という感じで言っていたのですが、産まれたばかりの頃は思ったより全然育児をやりませんでしたね(笑)。子どもは好きなのですが、男性は自分のやったことに反応がないと愛着を持たないのかもしれません。彼も、小さい赤ちゃんの時代よりも今の方が楽しいと言っています。彼は研修医なので、研修する科にもよりますが、帰りはそんなに遅くはなりません。ぜひ、いろいろやってもらいたいと思っています(笑)。
(佐々木) ご主人とはお仕事の話はしますか?
(蛭間) 仕事の話はよく話します。同じ医師なので、分野は違ってもある程度理解してくれるので、こちらの気分も解消できます(笑)。逆に彼の方が後輩なので、「こういう時にどうすればいいの?」とよく聞かれます(笑)。

骨を見ただけで1歳刻みで年齢が分かる!

(佐々木) 法医学の魅力はなんですか?
(蛭間) 社会的にも必要がある分野ですし、純粋に学問として面白いです!(骨の標本を見ながら)恥骨結合をみると年齢が1歳刻みでわかるんですよ。
(佐々木) 法医学は男性、女性関係なくできる分野ですね。
(蛭間) そうですね。体力もそんなになくても大丈夫です。他科をまわってからやる方が向いていると思いますし、年齢もいくつになってもやれる仕事です。基本的に解剖には裁判所の許可が必要なので前日までに解剖の予定が立ちます。意外と人とも話をする機会も多いですよ。
(佐々木) 新潟大学の法医学は歴史がありますよね。
(蛭間) そうですね。県内のご遺体はここで全部解剖するので、そういう意味ではいろいろ見ることができます。

骨の標本を説明する蛭間先生

(佐々木) 海外の法医学は進んでいるのですか?
(蛭間) 欧米やオーストラリアが進んでいて、最近日本でも言われるようになったAI(死亡時画像診断)は日本より(おそらく)10年くらい進んでいます。国によって異なりますが法医解剖する施設が国で一ヶ所だったりするなど、データが取りやすいというのもあるかもしれません。両親とも医師ではないのですが、海外でも仕事をしていて、子どもが大きくならないうちに海外に行けと言われます。子どもが大きくなるとしがらみが出て身動きが取れなくなるから、子どもが小さいうちに価値観の違うところでしっかりやって来いと。私も日本とは違うことができるので、海外に行ってみたいと思っています。
(所属等はインタビュー時現在です。)
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