このページの先頭です メニューをとばして、このページの本文へ
新潟県ホーム の中の健康・医療・衛生の中の【保環研】 調査研究 《経常研究》
本文はここから

【保環研】 調査研究 《経常研究》

2014年02月18日

経常研究の概要

◆平成24年度に行った経常研究は下記のとおりです。表題一覧の後に概要を記載しました。◆
   1.民生部門における温室効果ガスの削減効果に関する調査研究(継続)
   2.VNTR法を用いた結核菌遺伝子型別に関する検討(完了)
   3.黄色ブドウ球菌の疫学解析手法の検討(完了)
   4.SYBR Greenを用いたリアルタイムPCR法による下痢症ウイルスの検索(完了)
   5.畜水産物食品中の動物用医薬品一斉分析法の検討(完了)
   6.畜水産物中の農薬分析法の検討(継続)
   7.河川における農薬の分布と消長に関する研究(新規)
   8.新潟県内河川におけるマンガンの実態調査(継続)
   9.航空機騒音に係る環境基準の新たな評価方法に関する基礎的検討(新規)
   10.GC/MSによるPCB測定のための基礎的検討(新規)

1.民生部門における温室効果ガスの削減効果に関する調査研究

二酸化炭素排出のイメージ

 我が国の温室効果ガス排出量の約3割は民生部門によるものであり,他の部門に比べて増加傾向が強くなっている.そこで,この民生部門を対象に,新潟県における温室効果ガスの排出量についての今後の削減余地の算定や削減対策の効果の推定を支援することを目的として,排出内訳の実態把握や,生活様式改善並びに省エネ技術導入効果の評価に取り組んだ.
 平成24年度は,家庭での節電行動の取組状況,家電製品の所有状況等のアンケート調査の事前準備として,必要な文献調査,情報整理等を行った.

2.VNTR法を用いた結核菌遺伝子型別に関する検討

 結核対策は,感染源の究明が重要であるが,患者調査を主体とした疫学調査に加えて,近年は結核菌の遺伝子型別検査の行うことにより,さらに正確な感染の実像を明らかにすることができるようになってきている.
 最近,結核菌の新しい遺伝子型別法として,VNTR法が開発され,公益財団法人結核予防会結核研究所が日本国内の結核菌の遺伝子型別のためにJATA(12)-VNTR分析法を確立した.また,その後,識別能を高めるために6領域(JATA(15)及び超可変領域)が追加された. 
 平成24年度は,県内の保健所から提供された結核菌株及び県内の医療機関に依頼して分与された結核菌株を用いて,JATA(12)-VNTR分析法及び追加6領域による遺伝子型別を実施した.また,Warrenらの方法に従い北京型及び非北京型の分類も併せて実施した.
 詳細は研究報告編「県内で分離された結核菌のVNTR法による遺伝子型別」に記載した.

3.黄色ブドウ球菌の疫学解析手法の検討

 食品中で増殖した黄色ブドウ球菌は耐熱性エンテロトキシン(SE)を産生し毒素型食中毒を引き起こすが,ヒトの表皮や腸管の常在菌であるため,食中毒事案対応時には検出された菌のSE産生性だけでなく疫学解析結果が重要となる.疫学マーカーとしてのコアグラーゼ型別試験やPFGE法は熟練した技術を要し,結果判明までに2~5日以上必要である.また,近年A~E型の5種のSEに加えて新型SEの存在が明らかになっている.
 そこで,疫学解析手法の迅速化について検討した結果,コアグラーゼ型別PCR法の導入及び新型を含めたSE産生遺伝子の検索が有用であると思われた.詳細は研究報告編「Multiplex PCR法による黄色ブドウ球菌のコアグラーゼ型別とエンテロトキシン産生遺伝子の検出-疫学マーカーとしての有用性の検討-」に記載した.

4.SYBR Greenを用いたリアルタイムPCR法による下痢症ウイルスの検索

 下痢症ウイルスの検索は,対象ウイルスが多数あるためミックスプライマーを用いたPCR法で,電気泳動により検策を行ってきた.ミックスプライマーは1反応で複数のターゲットを同時に検出できるメリットはあるが,検出感度は単独プライマーで使用する場合より劣る.また,
電気泳動による検出は,泳動用ゲルの維持や操作,判定
の煩雑さを考えると,多数検体には不向きである.本研究では,下痢症の原因となるノロウイルスGⅠ,GⅡ,サポウイルス,アストロウイルス,アデノウイルス,A群及びC群ロタウイルスの検出をSYBR Greenを用いて,単独プライマーのリアルタイムPCR法を行い,PCR産物の有無を融解曲線分析で判定することを目的としている.
 平成24年度は昨年度実施した基礎的検討に加え,融解温度(Tm値)の同時再現性や日差再現性,増幅効率の算出などの検討とサーベイランス検体や胃腸炎検体を対象に実際に検査を行った.詳細は研究報告編「SYBR Greenを用いたリアルタイムPCR法による胃腸炎ウイルスの検索」に記載した.

5.畜水産物食品中の動物用医薬品一斉分析法の検討

 平成18年5月施行のポジティブリスト制で大幅に増加した規制対象の動物用医薬品について,迅速に分析できるようにするため,LC/MSによる一斉分析法の検討を行った.
 平成24年度は,検討を加えた分析法について,厚生労働省通知の妥当性評価ガイドラインに従って妥当性を確認した.詳細は研究報告編「LC/MSを用いた畜水産物食品中の残留動物用医薬品一斉試験法の検討―厚生労働省ガイドラインによる妥当性評価―」に記載した.

6.畜水産物中の農薬分析法の検討

 農薬が検出された飼料が家畜に給与された事例などにより,畜産物への飼料由来の農薬残留が懸念されている.また田畑で使用された農薬の河川等への流入による水産物への農薬残留の可能性,さらに他県における養殖水産物からの農薬検出の問題などから,当所でも検査体制の充実を図る必要性があり,本研究を開始した.
 平成24年度は,主に市販の精製用ミニカラムを利用した分析法により,添加回収試験を行った.

7.河川における農薬の分布と消長

 新潟県は農業県であり,多種多様の農薬類が使用されている.平成22~23年度には,新潟市内の農業用排水路及び農業排水が流入する新川においてモニタリング調査を実施し,地点別に農薬の濃度変動を把握した.平成24年度は,引き続き新川におけるモニタリング調査を継続するとともに,関川及び信濃川下流においても調査を実施し,地域特性並びにその消長を把握することとした.調査は関川で4~6月,新川及び信濃川下流で毎月実施し,84物質をGC/MS及びLC/MSによる多成分同時分析法によって測定した.その結果,3地点で35物質を検出したが,環境基準値,指針値等を超過しているものはなかった.

8.新潟県内河川におけるマンガン実態調査

 本県の行っている公共用水域調査では,要監視項目である全マンガンが度々指針値を超過している.なお,この傾向は下流域の排水河川において特に顕著であり,本県は全国的にも超過率が高い状況となっている.このことから,県内河川におけるマンガンの実態把握及び指針値超過原因の特定を目的とし,調査を行うこととした.
 平成24年度は,新川水系の大通川について,モニタリングを行った.平成24年度の結果については,研究報告編「新潟県内河川におけるマンガンの実態調査(第1報)-大通川におけるモニタリング結果-」に記載した.

9.航空機騒音に係る環境基準の新たな評価方法に関する基礎的検討

 平成25年度より,航空機騒音の環境基準が従来の加重等価平均感覚騒音レベル(WECPNL)評価から時間帯補正等価騒音レベル(Lden)評価へと変更されることから,騒音レベル評価の継続性等を検討した.
 平成24年度は新潟空港において航空機騒音の監視を実施している常時監視局及び短期測定点で,新旧基準値の比較・検討を行った.詳細は研究報告編「新潟空港におけるWECPNLとLdenの比較・検討」に記載した.

10.GC/MSによるPCB測定の基礎的検討

 ダイオキシンの一種であるポリ塩化ビフェニル(PCB)は,日本では昭和29年頃から製造され,絶縁性・不燃性などの特性 により,電気機器(トランス,コンデンサなど)用の絶縁油をはじめ,幅広い用途に使用されていたが,昭和43(1968)年に発生したカネミ油症事件で人体への毒性が社会問題化し,昭和47(1972)年から製造中止となった.
 当所では地下水の常時監視及び絶縁油の漏えい等の事案対応としてパックドカラム-GC/ECD法で分析を行っているが,より精度の高いPCB分析を実施するため,近年公定法として採用されているキャピラリーカラム-GC/MS法を使用した分析法を検討することとした.平成24年度は分析法のうち,測定装置の設定及び測定条件の検討を行った.

過去に行った経常研究