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新潟県ホーム の中の健康・医療・衛生の中の【保環研】 調査研究 《共同研究》
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【保環研】 調査研究 《共同研究》

2014年02月18日

共同研究の概要

◆平成24年度に他の機関と共同で行った研究は下記のとおりです。表題一覧の後に概要を記載しました。◆
   1.ロタウイルスのサーベイランスに関する研究
   2.食品中の病原ウイルスのリスク管理に関する研究
   3.ノロウイルスデータベース共有化の試み
   4.日常食品からの汚染物質摂取量調査
   5.PM2.5と光化学オキシダントの実態解明と発生源寄与評価に関する研究
   6.全国の環境研究機関の有機的連携によるPM2.5汚染の実態解明と発生源寄与評価
   7.オゾン植物影響パイロット・モニタリング
   8.残留性化学物質データの組織化と発生源解析
   9.沿岸海域環境の診断と地球温暖化の影響評価のためのモニタリング手法の提唱
   10.ブナ林生態系における生物・環境モニタリングシステムの構築
   11.木質ペレットの品質試験及び燃焼灰の利用開発

1.ロタウイルスのサーベイランスに関する研究

 本研究は,新潟大学医歯学総合病院小児科大石智洋医師との共同研究として実施した.
 平成24年度は42検体の簡易検査でロタウイルスが陽性となった便検体について,RT-PCR法によりロタウイルスの検索を実施した.40検体からロタウイルスの遺伝子が検出され,VP7遺伝子型別では,G9;20件,G1;18件,G3;1件,G2;1件であった.VP4の遺伝子型別では,P8;36件,P4;1件(G2P4),不明3件であった.平成23年度はG3P8が14/17(82.3%)を占めたが,平成24年度はG9P8(50%)とG1P8(45%)が多かった.

2.食品中の病原ウイルスのリスク管理に関する研究

 本研究は,厚生労働科学研究「食品中の病原ウイルスのリスク管理に関する研究」(代表研究者 国立医薬品食品衛生研究所 野田衛)の一環として行った.
 実験的に作成したノロウイルス汚染ステンレス板から,ふきとり法によってどの程度ノロウイルスが回収できるか検討した.ふきとり検体からのノロウイルスの濃縮法としては,平成23年度に構築した,BSAとポリエチレングリコールを用いた水性二相分配法(BSA-PEG法)を用いた.104~105個のノロウイルスとBSA,サラダ油が含まれる汚染試料でステンレス板を汚染し,乾燥後にふきとりした検体からノロウイルスの検出を行った.滅菌ガーゼを使用したふきとり法では,4%と回収率が低かった.ガーゼへ直接汚染試料を添加して回収した結果,75%の回収率が得られたことから,汚染ステンレス板の作成過程で,ノロウイルスが壊れる可能性が示唆された.ステンレス板を使用したノロウイルスのふきとり法による添加回収試験は,更に検討が必要と思われた.

3.ノロウイルスデータベース共有化の試み

 本研究は,厚生労働科学研究「食中毒調査の精度向上のための手法等に関する調査研究」の分担研究として行われており(代表研究者 国立医薬品食品衛生研究所 野田衛),その一環として行った.
 全国からノロウイルス,サポウイルスの遺伝子データを収集し,分子疫学的に解析して還元することを試行的に実施し,広域食中毒事例の早期発見などの食中毒調査の精度向上に資することを目的として行われている.
 当所からは,H24年度は食中毒疑い事例7件,胃腸炎の集団発生事例17件,合計24件の登録を実施した.内訳は,ノロウイルスGⅠ.6;1件,GⅠ.14;1件,GⅡ.2;3件,GⅡ.3;1件,GⅡ.4;13件,GⅡ.6;1件,GⅡ.13;2件,GⅡ.14;1件,サポウイルスGⅠ-1;1件であった.
 当所から10月に登録したノロウイルスの1株が2012-13シーズンの新たなGⅡ.4変異株で,このデータベースの共有化によって全国の分布状況が判明し,2012-13シーズンの流行株になることが推測された(詳細は<i>病原性微生物検出情報</i>,<b>33</b>,333(2012)を参照).

4. 日常食品からの汚染物質摂取量調査

 本研究は,厚生労働科学研究「食品を介したダイオキシン類等有害物質摂取量の評価とその手法開発に関する研究」のなかで,国立医薬品食品衛生研究所が中心となり実施されている.当所は他の地方衛生研究所等9機関と共に協力機関として参加しており,食品由来によるPCB,農薬及び重金属などの有害物質の摂取量調査を行った.
調査は,マーケット・バスケット方式により食品(13の群)と飲料水について107物質を測定した.その結果,15物質が検出され,摂取量に換算すると表のとおりであった.
    日常食品からの汚染物摂取量  (μg/人/日)
 物質名  摂取量  物質名  摂取量
 PCB 0.20   鉛 34.7  

 総DDT

0.23   カドミウム 20.4  
 クロルデン類 0.05   マンガン 3,610       

 臭素

9,170     銅 1,670    
 ひ素 1.95   亜鉛 7,510    
 水銀 5.22           

5.PM2.5と光化学オキシダントの実態解明と発生源寄与評価に関する研究

 本研究は,これまでの,国立環境研究所と地方環境研究所のC型共同研究をⅡ型共同研究と名称変更したもので,PM2.5と光化学オキシダントの地域的な汚染の特徴を明らかにし,その汚染特性や発生原因を解明することで,地方自治体や国の大気汚染施策に活用することを目的としている.
 その内容としては,①常時監視の時間値データやPM2.5の測定データのデータベース化と解析,②粒子成分や揮発性成分の測定と解析,③PM2.5や光化学オキシダントの測定法に関する検討,④モデル解析等による発生源寄与率評価の検討,⑤衛星観測データ解析,を実施することとしている.
 平成24年度も引き続き,研究体制を整備し,研究計画を具体化させるために参加機関による研究会を開催し,情報交流や共有ツールなどの活用を行った.また,一部の測定データについてはデータベース化を進めた.

6.全国の環境研究機関の有機的連携によるPM2.5汚染の実態解明と発生源寄与評価

 全国10数カ所観測拠点を展開し,同一手法でPM2.5質量濃度の連続観測及び常時監視網より時間分解能が高い成分濃度測定を行い,全国的なPM2.5濃度及び成分についての実態を把握する目的としている.また,発生源別の排出粒子組成情報のデータベースの作成,化学輸送モデルなどの数値シミュレーション手法などを活用し,日本におけるPM2.5の発生源寄与率及び越境汚染寄与率を推定することを目標としている.
 新潟県では,国設佐渡関岬酸性雨測定所と国設新潟巻酸性雨測定所の2地点において,PM2.5自動測定装置とフィルターサンプリング装置をそれぞれ設置した.PM2.5質量濃度については自動測定装置による1時間毎の自動観測を実施し,成分濃度については5月,7-8月,10-11月及び1-2月にフィルターサンプリング装置による2週間連続の集中観測(佐渡関岬測定所は12時間毎,新潟巻測定所は6時間毎)を実施した.

7.オゾン植物影響パイロット・モニタリング

 オゾンによる植物影響に関するモニタリング手法を検討するために,植物葉へのオゾンによる可視被害の観察や森林地域におけるオゾン濃度測定についてのパイロット的なモニタリングを全国の自治体の中で,新潟県,北海道及び福岡県がアジア大気汚染研究センターとの共同研究として実施している.
 新潟県では南魚沼市内の八海山展望台付近の森林を対象として,オゾン計を用いたオゾン濃度の観測やブナなどの植物影響に関する調査を実施している.

8.残留性化学物質データの組織化と発生源解析

 本共同研究は,統計数理研究所が中心となり,国立環境研究所,農業環境技術研究所,製品評価技術基盤機構,北海道環境科学研究センター,宮城県保健環境センター,茨城県霞ヶ浦環境科学センター,千葉県環境研究センター,長野県環境保全研究所,東京都環境科学研究所,岐阜県保健環境研究所,広島県立総合技術研究所,北九州市立大学大学院及び埼玉県環境科学国際センターとダイオキシン類などの残留性化学物質の統計解析について情報交換を行っているものである.

9.沿岸海域環境の診断と地球温暖化の影響評価のためのモニタリング手法の提唱

 本研究は全国の沿岸海域で見られる非汚濁海域におけるCODの漸増傾向と環境基準超過要因を明らかにすると共に,世界中の沿岸海域において漁業への影響が懸念されている貧酸素水塊の発生状況を把握することを目的とする.国立環境研究所が主体となり地方環境研究所等と共同で平成23~25年度に渡り実施される.沿岸海域でのCOD,底層溶存酸素(DO),有機炭素類及びクロロフィル等の調査を行い,得られた知見は環境省で現在検討されている底層DOの新規水環境目標・環境基準策定や沿岸海域水環境の測定方法に関する資料となる.平成24年度,当所では本県沿岸海域2地点において採水を実施し,試料を国立環境研究所へ送付した.また,そのうち1地点では多項目水質計による底層DOの測定を実施した.

10.ブナ林生態系における生物・環境モニタリングシステムの構築

 近年,全国各地のブナ林においてブナの衰退現象が報告されており,その要因として,長距離移流によるオゾン濃度の上昇やシカ等の食害による林床植生の破壊などが指摘されている.本研究では,ブナ林生態系の存続を脅かすと考えられる要因(オゾン,地球温暖化,シカ食害,虫害等)について,生態学的,環境科学的視点から,統合的に評価するための長期継続モニタリング手法を確立することを目的としている.
新潟県では,八海山展望台周辺のブナ林を対象として,植物影響に係る調査を実施し,併せて,八海山周辺地域でパッシブサンプラーを用いたオゾン等の大気中濃度の観測を実施している.

11.木質ペレットの品質試験及び燃焼灰の利用開発

 森林研究所は,県内製造の木質ペレットの品質試験と,ペレット燃焼後に発生する灰の特性把握と利用方法について研究を実施している.23年度から,当研究所と森林研究所は燃焼灰の安全性の確認を目的とした共同研究を開始し,燃焼灰中のダイオキシン類の分析を当所で実施した.この結果は,本書の研究報告編の「木質ペレット燃焼灰中のダイオキシン類について」でとりまとめた.

過去に行った共同研究