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新潟県ホーム の中の健康・医療・衛生の中の【保環研】 調査研究 《共同研究》
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【保環研】 調査研究 《共同研究》

2012年02月24日

共同研究の概要

◆平成22年度に他の機関と共同で行った研究は下記のとおりです。表題一覧の後に概要を記載しました。◆
   1.食品中のウイルスの病原ウイルスのリスク管理に関する研究
     -生カキが原因食品と疑われた食中毒事例の患者からのAichi Virusの検出-
   2.重症呼吸器感染症のサーベイランス・病態解明及び制御に関する研究   
   3.日常食品からの汚染物質摂取量調査
   4.食品中に含まれる微量農薬の分析法と精度管理体制の構築に関する研究
   5.PM2.5と光化学オキシダントの実態解明と発生源寄与評価に関する研究
   6.新発田市櫛形山脈山麓における生態影響解明調査
   7.残留性化学物質データの組織化と発生源解析

1.食品中のウイルスの病原ウイルスのリスク管理に関する研究                             -生カキが原因食品と疑われた食中毒事例の患者からのAichi Virusの検出-

 本研究は,厚生労働科学研究「食品中の病原ウイルスのリスク管理に関する研究」(代表研究者 国立医薬品食品衛生研究所 野田衛)の一環として,食中毒事例におけるノロウイルス以外のウイルスの関与について検索を実施したものである.
 2008年から2010年3月までに新潟県内で発生した,生カキが疑われた7件の食中毒事例(疑い事例を含む)の患者便33検体及び患者と同じグループの非発症者便5検体について,サポウイルス,アストロウイルス,アイチウイルスについて検索した.7事例中2事例,38検体中3検体からアイチウイルスを検出した.3検体ともノロウイルスが検出されていなかった.サポウイルス,アストロウイルスは検出されなかった.
 検出されたアイチウイルスは,遺伝子型Aが2件,遺伝子型Bが1件検出された.カキが原因食品と疑われる事例では,アイチウイルスについても検索が必要であると考えられた.

2.重症呼吸器感染症のサーベイランス・病態解明及び制御に関する研究

 本研究は,厚生労働科学研究「重症呼吸器感染症のサーベイランス・病態解明及び制御に関する研究」(代表研究者 国立感染症研究所感染症情報センター 木村博一)の中の,「包括的な重症呼吸器ウイルス感染症のサーベイランスに関する研究」(研究者 国立感染症研究所 野田雅博)グループの一員として研究班に参加した.
 急性呼吸器感染症ウイルスサーベイランスを実施し,その結果A/H1N1pdm09の流行終息期の2010年はじめにパラインフルエンザやヒトメタニューモウイルスなどの呼吸器ウイルスが増加傾向を示した.結果は,平成22年度総括・研究報告書に記載した.

3.日常食品からの汚染物質摂取量調査

 本研究は厚生労働科学研究「食品を介したダイオキシン類等有害物質摂取量の評価とその手法開発に関する研究」のうち国立医薬品食品衛生研究所が中心となり実施されている.当所は他の地方衛生研究所等8機関と共に協力機関として参加しており,食品由来によるPCB,農薬及び重金属などの汚染物質の摂取量調査を行った.
 調査は,マーケット・バスケット方式により食品(13の群)と飲料水について107物質を測定した.その結果,18物質が検出され,摂取量に換算すると表のとおりであった.
    日常食品からの汚染物摂取量  (μg/人/日)
 物質名  摂取量  物質名  摂取量
 PCB 0.21   ひ素 33.9  
 総DDT 0.17   水銀 3.28 
 クロルデン類 0.04   鉛 56.7  
 クロルピリホス 0.31   カドミウム 17.2  
 クロルピリホスメチル 0.03   マンガン 2,440    
 フェンバレレート 1.23   銅 1,630    
 臭素 5,450      亜鉛 7,850    

4.食品中に含まれる微量農薬の分析法と精度管理体制の構築に関する研究

 本研究は厚生労働科学研究「検査機関の信頼性確保に関する研究」のうち大阪府立公衆衛生研究所が中心となり実施されており,当所は他の地方衛生研究所8機関と共に協力機関として参加している.
 平成22年度は,ぎょうざ試料に添加されたジメトエート等5農薬についてGC/MS及びLC/MS/MSで測定し,農薬名及び濃度を通知されないブラインドテストとして外部精度管理試験を実施した. また,信頼性確保のための検証として,GC/MS及びLC/MS/MSともに各機関共通の標準液を使用し,さらにGC/MS性能チェック用標準液によるGC/MS性能テストを実施した.

5.PM2.5と光化学オキシダントの実態解明と発生源寄与評価に関する研究

 本研究は,これまでの国立環境研究所と地方環境研究所のC型共同研究をより発展させた形で実施するもので,PM2.5と光化学オキシダントの地域的な汚染の特徴を明らかにし,その汚染特性や発生原因を解明することによって,地方自治体や国の大気汚染施策に活用することを目的としている.
 その内容としては,①常時監視の時間値データやPM2.5の測定データのデータベース化と解析,②粒子成分や揮発性成分の測定と解析,③PM2.5や光化学オキシダントの測定法に関する検討,④モデル解析等による発生源寄与率評価の検討及び⑤衛星観測データ解析を実施していくこととしている.
 平成22年度は,まず,研究体制を整備し,研究計画を具体化させるために参加機関による研究会を開催し,情報交流や共有ツールなどの活用を行った.また,一部の測定データについてはデータベース化を進めた.

6.新発田市櫛形山脈山麓における生態影響解明調査

 森林生態系への酸性雨の影響を明らかにするためには,森林生態系全体を対象に,観測データを集積し,検討する必要がある.日本環境衛生センターアジア大気汚染研究センター(旧酸性雨研究センター)では,平成13年度より,新発田市櫛形山脈山麓に集水域を設定し,降水量(インプット),渓流水流量(アウトプット)の年間を通じた継続調査により,水収支を明確化するとともに,樹幹流,林内雨,林外雨及び渓流水のpH,EC及びイオン成分を測定することによって,本集水域における物質収支を推定することを目的とした調査を実施している.当所は,共同研究として,平成18年度から当該エリア内の林外雨の採取地点において,パッシブサンプラーによるガス状物質SO2,NO2,NOx,NH3及びO3の観測を分担している.
 平成22年度は,ガス状物質の観測を継続すると共に,平成20年1月から12月のガス状物質の乾性沈着量を推計した.今後,当該集水域における総沈着量中のガス状物質による沈着の寄与割合を求めることとしている.

7.残留性化学物質データの組織化と発生源解析

 本共同研究は,統計数理研究所が中心となり,国立環境研究所,農業環境技術研究所,製品評価技術基盤機構,北海道環境科学研究センター,宮城県保健環境センター,茨城県霞ヶ浦環境科学センター,千葉県環境研究センター,長野県環境保全研究所,東京都環境科学研究所,岐阜県保健環境研究所,広島県立総合技術研究所,北九州市立大学大学院及び埼玉県環境科学国際センターとダイオキシン類などの残留性化学物質の統計解析について情報交換を行っているものである.当所は,演題として「GC/TOF-MSによる組成推定」を共同研究の会合で発表した.