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新潟県女性のチャレンジサイト~事例紹介~「田巻こずえさん」

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:3013002 更新日:2022年4月1日更新

田巻こずえさんの画像
田巻こずえさん

~日本酒の良さを多くの方に知ってもらい、新潟の酒造りを元気にしたい~

菊水酒造株式会社 生産部チーフ

酒造りの道へ飛び込むきっかけは、“カビ”の可能性への興味

 現在、菊水酒造株式会社で営業部門と製造部門をつなぐ生産部チーフとして、消費の動向を予測しながら、生産量・出荷量を調整するなど重要な業務に携わっている田巻こずえさん。
 高校時代、食品や薬品などにも活かされる“カビ”の面白さに興味を持ち、微生物について研究したいと千葉県内の大学へ進学。大学時代は、酒造りとは全く関係のない、間伐材を有効活用するためのカビの研究に打ち込んだ。

菊水酒造株式会社に入社し、酒造りの道へ

 大学を卒業後、大学で学んだことを活かせることを期待して菊水酒造株式会社に入社。最初の配属先は、大学時代の専攻とは畑違いのマーケティング部となり、主に広告宣伝を担当した。
 会社のホームページ作成を担当するなど、「初めての経験ばかりで最初は苦労の連続でした」と思い出を語る田巻さん。
「お酒ができるまでの流れを毎日レポートし、ホームページで発信したらおもしろいのでは」という田巻さんが自ら考えた企画で製造の過程に触れることで、製造現場への興味が沸いてきた。そこで3年ほどで異動を希望し、製造部へ異動となった。「マーケティング部で学んだお客様の流れや流通の流れは、製造の現場でも役に立ち、良い経験となりました」と田巻さん。
 菊水酒造では、新入社員は、1年目は会社の全部署を回り、いろんな仕事を経験した後に配属先が決まる。小さな会社だからこそ、他の社員と知り合い、コミュニケーションを取れる人脈をつくることで、必要な時に臨機応変に対応できるなど、その後の業務の強みとなっているそうだ。

男性中心の酒造りの世界で心がけていること

 製造部門へ異動した田巻さんは、酒蔵「本蔵」、「二王子蔵」など大規模な蔵で酒造りの様々な工程を経験した後、創始者の名を冠した日本酒の実験場「節五郎蔵」の担当となる。
 「節五郎蔵」は他の蔵と比較すると小規模であり、高度な技が求められる大吟醸や海外向けの酒など、挑戦的な酒造りが行われており、米を研ぐところから酒を絞るまでの工程をほぼ手作業で1人でやる仕組みになっている。30キロの米袋を持ち、時には1週間泊まり込みで酒の発酵を管理するなど、体力的にきついこともあったというが、「きついからこそ、この作業は本当に必要かを考え、こうしてみたらどうだろうとより良い方法を工夫し、「楽」になることも考えました」「私が楽になるなら、みんな(男性)も楽になるはず」と田巻さんは語る。
 「節五郎蔵」で取り組んだ5年間では、様々な顧客のニーズを聞き試行錯誤を重ね、他部門とも連携しながら酒造りに邁進し、鑑評会での入賞など、大きな評価を得ることができた。
 男性中心の酒造りの現場で「女性でもできる」ことが、他の酒造会社へのアピールにもなったのでは、と田巻さんは語る。

新潟の酒造りを元気にするために

 県内で酒造りに携わる女性社員は数人程度と言われている。
 また、製造の現場を希望する若い男性も少なくなってきているという。
 「新潟県は酒蔵同士の仲が良いんです。おいしいお酒を造り、日本酒の良さを皆さんに知ってもらい、日本酒全体の底上げをしていかなければと考えています。よく酒蔵同士で、それぞれのやり方を情報交換しています。蔵の“癖”があるので、同じ酒はできないんですよ。」と目を輝かせ語る田巻さんからは、日本酒への愛が伝わってくる。
 「女性が増えればネットワークをつくり、女性同士で情報交換したいとも考えています。女性も酒造りができるという実績を作れば、酒を造る女性がきっと増えると思うので。」と語る田巻さん。田巻さんの今後の活躍、そして後に続く女性の登場が楽しみだ。

チャレンジするあなたへのメッセージ

 これはできない、これは男の人の仕事だという固定観念をはずし、とりあえずやってみると、新しい世界が開けてくるのではないでしょうか。だめかどうかは、やってみてから決めればいいと思います。まずは、何でもやってみると道も開け、おもしろくなるのではないでしょうか。

菊水酒造株式会社<外部リンク>

(平成29年3月取材)

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