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無花粉スギ
1 無花粉スギとは?
無花粉スギは、花粉を形成する過程で正常に細胞分裂が行われず、花粉が飛散しない性質を持ちます。
日本各地で無花粉スギの選抜が行われており、新潟県内でもこれまでに自然界から12個体の無花粉スギが発見されています。
県では、国民病とも言われるスギ花粉症への林業面からの対応として、無花粉スギの優良品種の開発に取り組んでいます。
無花粉スギの雄花(雄花の中に花粉が形成されていない)
正常な花粉の雄花(雄花の中に細かい花粉が見られる)
2 無花粉スギの品種改良
無花粉スギは、花粉が形成されないため父親としての機能はありませんが、雌花は正常であるため、他のスギの花粉を受粉させることで、種を作ることができます。
県では、平成11年から無花粉スギの雌花に新潟県で選抜された精英樹(成長がよい優れた木)の花粉を交配し、初期成長に優れた無花粉スギの品種改良を進めてきました。
品種改良により、環境に適応し、初期成長が優れた無花粉スギを100品種開発し、平成22年からは採穂園を造成し、苗木生産の準備を行ってきました。
3 無花粉スギ苗木の生産
無花粉スギの挿し穂の生産が平成28年からはじまり、苗木(挿し木苗)の生産・植栽も試験的ではありますが、平成29年秋から始まりました。
県では、試験植栽の段階であることから、治山事業などの公共事業で活用していく方針です。
まずは、都市部周辺の里山を中心に植栽しスギ花粉症の緩和につなげていきたいと考えています。
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