平成21年7月21

 

新潟県知事

泉田 裕彦 様

                   

新潟県原子力発電所の安全管理

に関する技術委員会

       座長 代谷 誠治

 

 

柏崎刈羽原子力発電所7号機の起動試験等に係る技術委員会の評価

 

 平成21年5月9日より実施された柏崎刈羽原子力発電所7号機の起動試験及び運転再開に際して付した地元としての条件に対する東京電力からの回答について、下記のとおり技術委員会の評価を取りまとめましたので報告します。

 

 

1 起動試験中の技術委員会による審議

[要請内容]

  起動試験の「中間段階」及び「最終段階」において、技術委員会の審議を受けその結果を確認した上で、原子力安全・保安院による定期検査終了証の交付を受けるための手続きを行うこと。

 

[審議経過]

平成21年5月9日に7号機の起動試験が開始され、中間段階として、5月23日の会合において出力20%状態までの結果を審議した他、出力75%段階の結果及び試験中に発生した不適合についても、新たに開設された電子会議室を活用して、東京電力の評価を確認した。

また、最終段階の結果については、平成21年7月7日に、東京電力、原子力安全・保安院及び原子力安全委員会からそれぞれ説明を受けるとともに、「設備健全性、耐震安全性に関する小委員会」における検討状況の報告を受けて審議を行った。

 

[評価]

○ 原子炉起動後の設備点検及び系統機能試験の結果並びに各出力段階における主要パラメーターの測定値は、判定基準や地震前データとの比較において、特に問題とすべき点はなく、地震による設備への影響は認められない。

○ 起動試験中に発生した不適合は、いずれも原子炉の安全性に重大な影響を与えるものではなく、東京電力の原因究明とそれを踏まえた対応策についても、適切に評価されており妥当である。(詳細の確認結果は別紙参照)

○ 以上が確認されたことから、技術委員会としては、今後7号機が営業運転に移行することに技術上の問題はないと判断する。

ただし、今後の運転においても、各種パラメータの傾向や設備の状態監視を強化して、地震を受けた影響の有無を継続的に監視するとともに、試験中に発生した不適合に関しては、当該事象のみの対応として止めることなく、今後の他号機の点検等で同様の事象が発生することがないように、十分な水平展開を図ることが求められる。

 

 

2 定期的な監視・検査の強化

[要請内容]

  設備等の健全性を確認するために、定期的な監視・検査を強化すること。

 

[東京電力の回答要旨]

  次回定期検査までの運転中は、通常の日々の監視に加え、主要なプラントパラメータの傾向を確認するとともに、漏えい、振動などのデータ採取・評価を行うことにより、監視を強化してまいります。

  次回定検時には、地震による軽微な影響が確認された設備の点検や疲労評価を行った設備の非破壊検査により、検査を強化してまいります。

 

[評価]

  事業者が、起動試験を終了した後も、通常時の保全活動に加えて「特別な保全計画」を策定して実施することとしており、その計画において主要な運転パラメータを定期的に採取して、判定基準値や過去の運転データ等と比較評価するとしていることは、地震を受けた影響の有無を継続的に監視する観点から、適切な対応と考える。

  今後、事業者においては保全計画に基づき、各種パラメータの傾向や設備の状態監視を強化するとともに、補修等を行わずに復旧した設備や疲労解析を行って評価した設備の点検・検査を行うなど、保全作業を確実に実施して保全プログラムの高度化に努めてもらいたい。

 

 

3 新たな知見の収集と反映

[要請内容]

  安全性の確認・確保のために、新たな知見の収集と反映に積極的に取り組み、安全・安心の増進を図ること。

 

[東京電力の回答要旨]

  皆さまからいただいたご質問・ご懸念などについて引き続き調査・検討を行い、知見の拡充を進め、安全性向上に反映していくとともに、適宜、皆さまにご報告してまいります。

  具体的には、「発電所敷地周辺の地形の形成過程」「建屋の変動」「長岡平野西縁断層帯の活動性」「新潟県中越沖地震を踏まえた地震観測」の4点の検討に取り組んでまいります。

  この取り組みは、本年8月から検討委員会を設置して議論を開始し、年度内に各種観測を開始する予定としております。なお、検討委員会の委員の人選は社外の学術機関に依頼しています。

 

[評価]

  原子力発電所の耐震安全性等に関して、現在の知見で科学的に解明することが困難な点があることについては、4月7日に取りまとめた「技術委員会の見解」でも示したとおりであるが、それらも踏まえて新たな知見を拡充するための調査・検討を行うこととして具体的な項目が示されたことから、適切な対応がなされていると考える。

  今後、これらの検討に取り組む際には、広く専門家の意見を聴取するなどして実効性を高めるよう努め、新たに得られた知見については積極的に取り入れて、安全・安心の増進を図るとともに、地元の信頼を高めていくよう努めてもらいたい。なお、事業者においては、耐震安全性のみならず、設備・機器そのもの、点検・検査技術、解析・評価技術等についても新たな知見の収集と反映に積極的に取り組み、安全・安心の増進に努めてもらいたい。

 

 

4 発電所全体の体質改善 

[要請内容]

  防火対策の徹底をはじめ、安全・安心を第一とする発電所全体の体質改善に真摯に取り組むこと。

 

[東京電力の回答要旨]

  9件の火災を深く反省し、これまで抜本的な再発防止策として「特別危険物の搬出」「特別教育の実施」「予防管理組織の強化」を行ってまいりました。

  今後とも、これらの再発防止策を着実に遂行してまいります。加えて、平成14年の不祥事以降の原子力再生活動や品質マネジメントへの取り組みを継続して進めることで、協力企業と一体となって災害防止を含む安全と品質の向上に取り組んでまいります。

 

[評価]

  防火対策に関しては、中越沖地震以降に発生した9件の火災を教訓として、防火管理の抜本的な再発防止策を講じたとのことであるが、これらを継続的かつ確実に実行することに万全を期するとともに、日々これらの対策を検証して、改善の努力を続けてもらいたい。なお、事業者においては、防火対策のみならず、安全・安心を第一とする発電所全体の業務について、事業者の社会的責任を重く受け止め、その責任を全うし得る体質を作り上げて維持するとともに、住民目線で社会的説明責任を果たすよう努めてもらいたい。

 

【別紙】起動試験中に発生した不適合について

 

 (1) 原子炉隔離時冷却系ポンプ停止装置の不具合(5月10日、11日)

 

トラブルの概要

 

 

 

 

・通常の原子炉給水系が使用不能になった場合に原子炉の蒸気でポンプを回して給水し原子炉の冷却を行う系統(原子炉隔離時冷却系)の試験中に、起動したポンプを停止するための主蒸気止め弁が閉まらず、停止できなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

原因及び対策

 

 

 

 

 

 

 

<原因>

・主蒸気止め弁の分解点検の手順書に不備があり、組み立て時の調整不良で、弁を閉めるためのレバーに、通常より大きな力が掛かっていたため弁が閉まらなかった。

<対策>

・弁の再調整をして復旧するとともに、手順書を修正し、再発防止を図った。

 

 

 

 

 

 

 

 

技術委員会の評価

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 当該事象は、原子炉の安全上重要とされる設備において発生したトラブルであり不安であるとの声も寄せられているが、給水を停止するための弁の異常であって、給水機能が喪失又は低下したものではなく、原子炉の安全上重要な「冷やす」機能は正常に確保されていたことから、安全性に影響を与える事象ではないと判断する。

 また、対策実施後の作動状況に問題がないことが確認されていることから、今後、営業運転に移行しても技術上の問題はないと考えられる。

 ただし、本事象が作業手順書の不備に起因するものであったことを重く受け止め、他にも同種のトラブルの原因が潜在している可能性があるのではないかと懸念する県民の不安を払拭するためにも、当該事象のみの対策として止めることなく、今後の他号機の点検等において、同様の事象が発生することがないように、十分な水平展開を図ることが求められる。

 


(2) サプレッションプール水位 運転上の制限逸脱(5月11日)

 

トラブルの概要

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・原子炉隔離時冷却系の試験中に、サプレッションプールの水位が上昇し、水位が通常の運転範囲を超えたため、「運転上の制限逸脱」を宣言した。その後、水位調整を実施し、通常水位に復帰した。

※「運転上の制限逸脱」:原子炉等規制法に基づき、原子炉の保安のために必要な措置を定めた「保安規定」で、安全機能を確保するために必要な状態(運転上の制限)が決められており、これを満足しない場合には、「運転上の制限逸脱」を宣言し、予め定められた対応(今回の場合は、24時間以内に水位を元に戻す)を行う。

 

 

原因及び対策

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<原因>

・原子炉隔離時冷却系のタービンの排気(蒸気)が流れ込むことによる水位の上昇に加え、ポンプの水の流れ込みにより水面が波打ちが生じている状況で、水位の監視を適切に行っていなかった。

<対策>

・これまでは1水位計のデジタル値を監視していたが今後は、4水位計の水位変動の傾向を詳細に監視するとともに、余裕を持って水位調整の準備操作を実施するよう、運転操作員への指示書に明示する。

 

 

 

 

技術委員会の評価

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 運転上の制限を逸脱することが必ずしもただちに安全上の問題を引き起こすことにつながるものではないが、逸脱しないように運転するべき性質のものであり、望ましくない。今回の事象については、その後の対応として、水位を正常の範囲内に戻す措置が速やかに行われたことから、安全上の問題はないと判断される。

 また、当該事象は、プラント全体の機能試験の一環として行われた原子炉隔離時冷却系の試験運転中に発生しており、水位の変動が通常の運転中とは異なる状況であったことから、今後、営業運転に移行した場合に、同様な事象が発生することはないと考えられる。

 ただし、本事象が運転員の監視不足に起因するものであったことは、県民の不信感を助長するものであり、今後の他号機の点検等においては、同様の事象が発生することがないように、水平展開を徹底することが重要である。

 なお、運転上の制限を逸脱したという表現が、県民に無用の不安を与える恐れがあるため、自治体及び東京電力は、発生した事象の内容を十分に説明して危険な状態ではないことをしっかりと伝えていく必要がある。

 

 


 (3) 直流125V 地絡警報発生(5月13日)

 

トラブルの概要

 

 

 

・タービン駆動原子炉給水ポンプの運転中、直流125Vの地絡(漏電)を示す警報が発生。警報の発生は一時的で、数秒後に復旧した。

 

 

 

 

 

 

 

原因及び対策

 

 

 

 

 

 

 

<原因>

・点検調査の結果、具体的な地絡箇所の特定には至らなかったものの、調査時に一時的に地絡警報が発生したケーブルがあることから、当該ケーブルで地絡が発生したものと推定した。

<対策>

・点検調査にて警報が発生したケーブルや、運転操作時に動作した計器につながるケーブルに絶縁処置を実施した。

 

 

 

 

 

 

 

 

技術委員会の評価

 

 

 

 

 

 

 

 

一般的に地絡(漏電)の発生は、機器やケーブルなどの絶縁不良や被覆の破れ、電気的ノイズの混入等に起因するものであるが、今回の事象では、警報の発生が一時的で、再現性がなかったため、不具合箇所の範囲は絞り込まれたが、発生箇所や原因を完全に特定するまでには至らなかった。

この状態が継続すると機器類の損傷や火災発生の危険があるが、当該事象は一時的に発生したものであり、不具合箇所と想定された範囲内の絶縁を強化して復旧し、その後の点検・測定などの調査においても異常が確認されていないことから、設備の健全性は確保されていると考えられる。

 今後も、定期的に点検・測定などのメンテナンスを確実に実施し、健全性の維持・確保に努めることが重要である。

 

 

 

 

 

 

 


 (4) 原子炉給水流量調節弁の開度表示不具合(5月15日)

 

トラブルの概要

 

 

 

 

 

・タービン起動後、発電機の仮並列の準備中に、原子炉への給水流量を調節する弁の開度が異常であることを示す警報が発生し、弁開度信号に異常が発生していることが確認された。

・対応のため、原子炉を一旦未臨界状態にし、対応完了後の5月18日に再度原子炉を起動した。

 

 

 

 

 

 

原因及び対策

 

 

 

 

 

 

 

 

<原因>

・流量を絞った状態(弁の開度が少ない状態)では弁に大きな振動が生じ、振動により開度を電気信号に変換する発信器のゼロ点調整部にズレが生じたものと推定した。

<対策>

・当面、現場弁開度を制御室でも監視可能となるよう監視カメラを設置した。

・発信器を振動対策(廻り止め)を施したものに交換した。

 

 

 

 

 

 

 

 

技術委員会の評価

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 原子炉への給水流量を調整する弁で発生した事象であるが、異常のあった弁開度表示器は、給水の制御には使用されておらず、表示用のみに使用されているものであることから、直接的に安全性に影響を与える事象ではないと判断する。

 また、当該事象は、通常の定格運転時とは異なる低出力運転時において、給水流量の低下による振動が原因で発生したものであり、事象発生後に振動対策が実施されていることから、今後、営業運転に移行した場合に、同様な事象が発生することはないと考えられる。

 今後、他号機においても、同様の状態での試験が想定されるため、水平展開を徹底することが重要である。また、中長期的に予定されている弁開度表示器を振動に強いものに交換する取り組みを着実に進める必要がある。

 

 

 

 

 


 (5) 配管サポートの取り外し箇所の相違(5月18日)

 

トラブルの概要

 

 

 

 

 

・可燃性ガス濃度制御系に付属する小口径配管のサポートについて、耐震強化工事の際に誤って異なる箇所の配管サポートを取外していることを発見した。

 

 

 

 

 

 

 

原因及び対策

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<原因>

・計画されていたサポートと誤って取外したサポートが施工図上で近接していたため誤認したものと推定した。

・配管サポートの取外しについては、取付けと異なり、工事担当者任せになっており、東京電力は記録確認のみで、誤った配管サポートを取外したことに気付かなかった。

<対策>

・当該配管の耐震評価を行った結果、耐震安全上問題がないことを確認した。

・誤って取外した配管サポートを、再度設置するとともに、本来撤去を予定していた配管サポートの取外しを実施した。

・配管サポート工事については、取付け、取外しに係らず、メーカーのチェック、東京電力の現場立ち会いを実施する。

 

 

 

 

技術委員会の評価

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 当該配管サポートを誤って取り外した状態においても、結果として、耐震安全性の評価に影響はなかったが、場合によっては安全性に影響を与えかねない事象であったと考える。

 また、本事象が工事施工時に図面を誤認するといった単純な人的ミスに起因しており、多重のチェック体制が機能しなかったことは、県民の不信感を助長するものであり、重く受け止める必要がある。今後の工事等においては、同様の事象が発生することがないように、水平展開を徹底することが重要である。

 東京電力や工事請負者による多重のチェックが、記録のみでなく現場においても実施されれば、再発防止は可能であると考えられるが、作業員が誤認しないような、分かりやすい図面の作成も課題である。

 

 

 

 

 

 

 

(6) 主排気筒からのヨウ素133の検出(5月25日)

 

トラブルの概要

 

 

 

 

・出力50%で運転中、主排気筒放射線モニタのサンプリングにおいてヨウ素133を検出した。

・原因究明と対策が完了するまで、出力50%の状態を維持し、5月29日から出力上昇を開始した。

 

 

 

 

 

 

原因及び対策

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<原因>

・低出力時は定格出力時に比べ原子炉給水ポンプ内部の圧力が高いため、ヨウ素133を含む原子炉給水ポンプの内部の水の一部が給水ポンプシール水戻り配管に混入した。

・復水回収タンク室内の給水ポンプシール水戻り配管に設置される空気抜き開口部から室内へヨウ素133が漏れ出し、同室の換気空調系を通じて主排気筒へ至った。

<対策>

・運転中のタービン駆動原子炉給水ポンプのシール水ラインのヨウ素濃度を下げるため、シール水の圧力調整を実施し、シール水流量を増加させ、ポンプ内部水がシール水戻り配管へ混入する量を低減した。

・当面の間、復水回収タンク室に活性炭フィルター付の局部排風機を設置し、ヨウ素を除去する。

 

 

技術委員会の評価

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 検出されたヨウ素の量は、国の定めた基準の約70億分の1であり、このヨウ素から受ける放射線量は、自然界から1年間に受ける放射線量の約30億分の1と、周辺環境や健康上問題となるレベルよりはるかに小さいものであったことから、安全性に大きな影響を与える事象ではないと判断する。

 また、当該事象は、通常の定格運転時とは異なる低出力運転時において、給水ポンプの内部圧力が高い状態が原因で発生したものであって、当該状態に応じた対策も実施されたことから、今後、営業運転に移行した場合に、同様な事象が発生することはないと考えられる。

 ただし、原子力発電所の周辺住民にとって最大の不安といっても過言でない放射性物質の漏洩に係る問題であり、周辺環境や健康上問題となるレベルよりはるかに小さいものではあったものの、通常の量を超えて放出された事象であったことを重く受け止め、当該事象のみの対策として止めることなく、今後同様の状態で行う他号機の試験等において、再発することがないように、十分な水平展開を図ることが求められる。

 


 (7) 高圧ヒータードレンポンプ軸結合部からのグリスにじみ(6月2日)

 

トラブルの概要

 

 

 

・出力75で運転中、高圧ヒータードレンポンプのモーターとポンプの軸結合部(ギアカップリング)からごくわずかなグリスのにじみおよび床面への滴下を確認した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原因及び対策

 

 

 

 

 

 

 

<原因>

・出力上昇過程でのポンプの振動の影響等により、グリス注入口のプラグにわずかな緩みが生じ、漏えいが発生したしたものと推定した。

<対策>

・グリスを補充し、グリスプラグのシールテープの交換・再締め付け等を実施した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

技術委員会の評価

 

 

 

 

 

 

 グリスのにじみはごくわずかであり、軸結合部の潤滑性能やポンプの機能に影響を与える事象ではない。

 通常の運転時においても想定される事象であることから、営業運転に移行した場合においても、定期的な巡視等により早期発見に努め、適切に措置されれば特段の問題ない。

 定期的な巡視等をしっかりと行い続けていただきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 (8) タービン駆動原子炉給水ポンプ吐出弁からの漏えい(6月6日)

 

トラブルの概要

 

 

 

 

 

・定格熱出力で運転中、タービン駆動原子炉給水ポンプの先にある弁の上蓋部付近からわずかな湯気状の漏えいがあることを確認した。

・建屋内の放射線モニタの指示値に変動はなく、本事象に伴う外部への放射能の影響はなかった。

 

 

 

 

 

 

原因及び対策

 

 

 

 

 

<原因>

・系統の内圧・温度変化等の影響により、ガスケットリングによるシール部からわずかな漏えいが発生したものと推定した。

<対策>

・弁上蓋の増し締めを行った結果、漏えいは停止した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

技術委員会の評価

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 原子炉給水系の弁からの漏えいであったが、その量はごくわずかで建屋内の放射線モニタでも異常は検知されておらず、また弁の組み立ても適正に行われていたことから、安全性に影響を与える事象ではないと判断する。

 また、当該事象は、運転状態が安定するまでの過程において、内圧・温度変化等の影響で発生した事象であるため、今後、営業運転に移行した場合に、同様な事象が発生する可能性は低いものと考えられる。

 仮に発生した場合であっても、定期的な巡視等により早期発見に努め、同様の措置が実施されれば特段の問題はないが、今後の他号機の試験においては、今回の知見を生かして監視を強化するなどの対応が求められる

 なお、この種の事象は原子力発電所の周辺住民にとって最大の不安といっても過言でない放射性物質の漏洩に関連するものであることから、改めて定期的な巡視の重要性を指摘しておきたい。